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気になる!看護師の転職理由【特集】

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「ナース専科」や「ナース人材バンク」を運営する株式会社エス・エム・エスでは、全国の看護師19,335人に「看護師の働き方に関する意識調査」を実施しました。
アンケートから見えてきた退職理由や、悩みについての対応策を紹介します!

(参照:株式会社エス・エム・エス【1.9万人に聞いた看護師の働き方に関する意識調査】

看護師の離職率は?

看護師の離職率

病院看護職員(看護師・保健師・助産師・准看護師)の離職率について、日本看護協会が実施した「病院看護実態調査」によると、2021年度は既卒者で16.8%、新卒者で10.3%となっています。
既卒者も新卒者も、前年度よりも離職率が増加する結果となりました。
特に、新卒者の離職率は2005年の調査以降初めて10%を超え、過去最高となっています。

(参照:日本看護協会「2022年 病院看護実態調査」

看護師1.6万人の退職理由とは?

看護師1.6万人の退職理由とは?

「ナース人材バンク」や「ナース専科」を運営する株式会社エス・エム・エスが、2022年に実施した「看護師の働き方に関する意識調査」。その中の「前職の退職理由について、当てはまるものをすべて選択してください」という問いに対して寄せられた回答15,812件から、退職理由上位3つをピックアップして解説します。

退職理由1位
上司との関係

上司との関係

「上司との関係に不満がある」が28.1%で最多の結果になりました。なお、前年(2021年)に実施された同調査でも、前職の退職理由として「人間関係への不満」を回答した人が最多でした。
看護の仕事は、基本的に看護職やその他多くの職種と連携して進めていく必要があります。「チーム医療」を提供するには多くのスタッフとのコミュニケーションが欠かせないため、ベースとなる人間関係は非常に重要です。

特に、同調査では人間関係に関するコメントとして「看護部長や、師長が変わり、上司に相談しにくくなった。チームワークがなくなった。」という回答もあり、上司との関係性はチーム医療を提供する上で基礎となる部分とも言えるでしょう。
逆に「退職を取りやめた理由」の1位は「人間関係が改善された(40.6%)」であり、退職か現職継続かの決め手となるのは人間関係、特に上司との関係性が鍵と考えられます。

退職理由2位
勤務時間が長い
残業が多い

勤務時間が長い残業が多い

第2位は、「勤務時間が長い・残業が多い」で25.3%でした。
日本医療労働組合連合会が2021年に実施した「退勤時間調査」によると、始業前時間外労働を実施している看護職員の割合は76.3%と調査職種の中では最も多く、就業時間後の時間外労働を実施している割合も61.7%と高い結果となっています。
始業前に出勤して勤務する「前残業」という言葉を看護師なら一度は耳にしたことがあるでしょう。業務上必要であれば基本的には前残業も残業代が発生しますが、前出の調査では前残業代を「請求していない」と回答した人は全体の約8割に及びます。さらに、看護職員で請求しない理由を「請求できない雰囲気がある」と答えたのは31.0%であり、調査職種の中で最も多い結果でした。
(参照:日本医労連「2021年秋・退勤時間調査」

一方で、「看護師の働き方に関する意識調査」における「現職を選んだ時に重視したポイント」の1位は「勤務時間・体制(58.0%)」であり、勤務時間は職場選びにおいても重要なポイントとなっています。

退職理由3位
給与などの待遇面

給与などの待遇面

第3位は、「昇進・昇給・給与など処遇面に不満がある」で16.5%でした。
看護師の仕事は「3K」(「きつい」「汚い」「危険」)や、3Kにさらに「休暇がとれない」「規則がきびしい」などの6Kが追加された「9K」(※)などと言われることもあります。
さらに近年は高齢化や医療の高度化により、より高度で専門性の高い看護が求められるようになっている背景もあります。
それだけ過酷かつ責任のある仕事に対し、その分賃金として評価されているかというと、評価されている実感が持ちにくいという側面があるのかもしれません。
(※)「9K」はもともとはユーキャン新語・流行語大賞の表現部門で1992年に銀賞を受賞したことが発端のようです。

なお、「地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員」を対象に診療報酬による看護職員の処遇改善などが2021年度より順次実施されていますが、対象が限られていることもあり、看護職全体の賃金底上げの実現とはなっていないと言えそうです。

退職理由TOP3への対応方法は?

退職理由TOP3への対応方法は?

退職理由TOP3にまつわる「人間関係」「残業(勤務時間)」「給与UP」の3つのキーワードでお悩みの方へ、対応方法をご紹介します。

円滑な人間関係を築くには

円滑な人間関係を築くには

円滑な人間関係を築くには① 自分と相手の課題を分けて考える

アドラー心理学の理論の一つとして「課題の分離」というものがあります。
課題の分離とは、自分自身でコントロールできる「自分の課題」と、自分ではコントロールできない「他人の課題」を分けて考え、自分でコントロールできないことに一喜一憂しないようにしよう、という考え方です。

例えば上司との関係でいうと、「上司が自分を評価してくれない」という状況があった時、「自分の課題」は何か考えてみましょう。
患者さんに対して適切な看護を提供することが「自分の課題」であり、あなたはそれをしっかりとクリアできているのではないでしょうか。そんなあなたの仕事をどう評価するか、それは「上司の課題」です。
「自分の課題」と「他人の課題」がないまぜになってしまうと、人間関係の悩みが生じます。
上司が自分をどう評価するかは、自分ではコントロールできない上司自身の課題であると認識して、自分は自分に任せられた仕事に集中し、そのことについては意図的に「考えないようにする」ことも必要かもしれません。
とは言え、上司が変わらなければモチベーションの維持も難しいはず…そんな時は、異動や転職も有効な選択肢の一つになるでしょう。

円滑な人間関係を築くには② 噂話に惑わされない・派閥やグループに属さない

日本人は「みんなと一緒」であることを好み、グループに属することで安心するという気質を持っていると言われます。
そのため、多くの人と関わりながら働く環境では、派閥やグループが形成され、人間関係が複雑になってしまうケースも多いでしょう。
そんな複雑な人間関係に巻き込まれないためには、「鈍感」でいることが大事です。派閥やグループの存在には気付いていないように振る舞うこと。
そして、悪口や噂話には「共感」も「否定」もしないことが吉です。中立的な立場で、「そんなことがあったんですね、知らなかったです」とうまくかわすことができるようになったら、人間関係の面倒ごとに巻き込まれることも減るでしょう。

円滑な人間関係を築くには③ 同年代のいる職場を選ぶ

同期や自分と同年代の人が活躍している職場であれば、お互い励まし合ったりプライベートでも遊びに出かけたりと、気軽に話せる仲間がいることは心強いでしょう。
また子育て世代であれば、ママ・パパとして子育てのお悩み相談や情報交換をすることができ、働く上で職場の協力体制も作りやすいと言えます。
同年代がいなくて心細い思いや孤独を感じている人は、同年代のいる職場への転職を検討してみても良いかもしれません。

円滑な人間関係を築くには④ 訪問看護を選ぶ

実は訪問看護の魅力のひとつとして、「職場内での人間関係のわずらわしさが少ない」というものがあります。
訪問看護の場合は、シフトが同じでも訪問に出てしまえば基本的には一人です。病棟と違い一日一緒にいるわけではありませんから、「合わないな」と思う人がいても、直接関わること自体が少なくすみます。

COLUMN

番外編:トラベルナース(お助けナース)

番外編:トラベルナース(お助けナース)

6カ月程度の期間限定で働く「トラベルナース」は、人間関係に悩まされることが少ない点がメリットの一つです。
苦手な人がいても「期間限定」と割り切れば、それほど苦にならないということもあるでしょう。
現職で人間関係に悩んでいる方は、トラベルナースという働き方を検討してみても良いかもしれません。
ナース人材バンクでもトラベルナース求人を取り扱っています。詳しくは以下のページでご紹介しています。

トラベルナース特集ページを見る

残業時間(勤務時間)を減らすには

残業時間(勤務時間)を減らすには

残業時間(勤務時間)を減らす① やらないことを決める

個人の努力だけで職場全体の残業を減らすのは至難の業ですが、もし働いている中で「自分は特に仕事が遅いかも」とか「雑務に追われて無駄な残業が発生している」と感じる場合は、自分の仕事の進め方を見直してみましょう。
一日の業務設計をするにあたり、やることの「優先順位」を決めるのと同じくらい、やらないことの「劣後順位」を決めることは重要です。
終わりがない看護の仕事は、やろうと思えばどこまででも仕事は増えていきます。
「できたらいいな」のレベルのものまでタスクとして持ち続けるのではなく、明確に「これはやらない」「ここまでのレベルにとどめる」など劣後順位を決めましょう。
また、全て自分でやろうとするのではなく、人に任せられるものは任せる、ということも時には必要です。

残業時間(勤務時間)を減らす② 残業が発生しにくい診療科や部署を選ぶ

診療科や部署によっても、残業が発生しやすい・しにくい傾向が分かれます。

残業が発生しやすいのは、一般的に循環器科、脳神経外科、産婦人科などが挙げられます。
循環器科や脳神経外科は心電図や脳波計、ドレーン類の管理などやることが多く、急変対応もあります。外来からの即日入院などが入ると残業はほぼ確実です。産婦人科も、分娩は予定調和では進みませんので、残業が発生しやすいと言えます。

一方、残業が発生しにくいのは、精神科、透析、ICUのほか、回復期や療養型の病棟などが挙げられます。
精神科や回復期、療養型などは予定入退院がほとんどであり、急変も少ないため残業が発生しにくいと言えます。
透析も基本的には時間通りにルーティンで進んでいくため、残業は少ないところが多いでしょう。
そして意外に残業が少ないと言われるのがICUです。ICUは一般病棟と異なり24時間を通して「2対1看護」であるため、看護師人数が多いという背景があります。特に看護師の勤務形態で残業が多くなりがちなのが「夜勤」よりも「日勤」のシフトで、スタッフが少なくなる夜勤帯を前になかなか予定通りには帰れない…ということが起こりがちなのですが、ICUの場合は夜も看護師人数が減らないため、日勤の仕事を終えたら帰れるというケースが多いようです。
ただ、逆に言えばICUは「夜勤が多い」ということでもあります。夜勤は1回の拘束時間が長くなりがちで、生活リズムが整えにくいという側面もありますので、自分に合った働き方を見つけることが重要です。

残業時間(勤務時間)を減らす③ 残業が発生しにくい業態を選ぶ

診療科以外にも、施設形態によっても残業の発生しやすさ・しにくさには傾向が分けられます。

一般的に残業が発生しやすいのは、患者さんの入れ替わりが早く急変対応などもある急性期や、夕診や季節性の感染症等で大きく繁閑の波があるクリニックなどが挙げられます。

一方で、残業が発生しにくいのは前述した回復期、療養型の他にも、介護施設や訪問看護ステーションが挙げられます。
介護施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホームなど)は、基本的には入院の必要のない方が介護保険を利用して入所するため、医療施設に比べると医療度が低く医療処置が多くないことに加え、急変等も少ないため残業が発生しにくいと言えます。ただし、病院に比べると看護師人数は少ないため、勤務時間内の慌ただしさはあるかもしれません。
また、訪問看護ステーションについては、基本的には訪問時間が決まっており、時間内に処置や対応を終える必要があるため、残業が発生しにくい業態と言えます。直行直帰がOKの事業所もあり、その場合は通勤時間が短縮できるメリットもあります。
とは言え、事業所によって忙しさや残業の有無は異なるため、どのような施設形態であっても、事前に可能な限り情報収集をすることをおすすめします。

お給料をUPするには

お給料をUPするには

厚生労働省の調査では看護師(准看護師・保健師・助産師除く)の平均月給は351,600円、平均賞与(年)は862,100円、平均年収は5,081,300円となっており、前年度の調査と比較して平均年収は95,100円の増加となりました。

(参照:令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況

お給料UPへの道① 夜勤をやる

看護師のお給料を大きく左右するのが夜勤手当です。
日本看護協会の「2020年病院看護実態調査」 によると、3交代の平均手当額は準夜勤で4,154円/回、深夜勤で5,122円/回であり、月平均夜勤回数は7.7回。2交代夜勤の平均手当額は11,286円/回、月平均夜勤回数は4.7回となっています。
この結果から算出すると、月給のうち、平均的に3.5万円~5.3万円程度が夜勤手当で占められていることになります。年間にすると約40万円~60万円が夜勤手当ということになり、夜勤をするかしないかで大きな差が出ることがわかります。

(参照:日本看護協会「2020年病院看護実態調査」)

お給料UPへの道② 管理職を目指す

主任や師長、部長などマネジメント職を目指し、昇進・昇給するという道もあります。
チームで仕事をすることが好きで、後進の育成や組織課題などに興味がある人は、管理職に向いているかもしれません。

一方で、管理職になると現場で患者さんと直接接する機会は減ってしまいますので、ご自身の適性と、将来的にエンドユーザーとどのように(直接的または間接的)関わっていきたいかも含めて考える必要があるでしょう。
また、管理職とひとくちに言っても、活躍の場は決して病院だけではありません。介護施設での看護師長や管理者、訪問看護ステーションの管理者など、マネジメントのスキルは幅広い分野で活かすことができます。

お給料UPへの道③ 給与水準の高い職場に転職する

同じ病院機能や施設形態であっても、母体や法人によって基本給や各種手当、賞与、昇給率などは様々です。
看護師は専門職であるため、それまでの経験年数や経験部署によっても転職時の評価が変わります。
また給与形態や水準に地域性があることも看護職の特徴と言えます。

ナース人材バンクでは、看護師専門・地域専任で各都道府県の担当キャリアパートナーが在籍し、求人票には載らない、病院やクリニックの内情まで把握するように努めています。
「自分の経験なら年収がどれくらいになる?」などのご質問にも、豊富な紹介実績から可能な限りお答えします。
転職サービスをうまく使って、転職活動を進めましょう。

COLUMN

認定看護師・専門看護師の資格手当はどれくらい?

認定看護師・専門看護師の資格手当はどれくらい?

キャリアアップや給与UPのために、認定看護師や専門看護師などの上位資格を目指すという道もあります。資格取得によって看護の視野が広がり役割や活躍の場が増えることはキャリアにとってプラスである一方で、実は資格に対する評価としての賃金制度には、課題感があることが指摘されています。
具体的には、日本看護協会の調査によると、認定看護師の資格手当は「なし:58.8%」「あり:41.2%」で、約6割が認定看護師の資格を持っていても資格手当がないことに加え、手当がある場合でもその平均は「8,530円/月」となっています。これにはアンケート回答者の約7割が自身の賃金処遇に「不満/やや不満」と回答しており、「早急に賃金処遇の改善を進める必要がある」と考察されています。

(参照:日看協「2022 年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」報告書)

ケース別転職成功例

転職成功例のご紹介

「人間関係」「残業(勤務時間)」「キャリアアップ」の3つの軸で、ナース人材バンクを利用して転職に成功した方の事例をご紹介します!

  • ありたい姿とのギャップと、スキル不足に悩む2年目…「やりたいこと」を言語化し、教育体制のある訪問看護へチャレンジ!

    20代前半・看護師・女性

    前職 急性期病院
    現職 訪問看護ステーション
  • お礼奉公が終わり、看護師として更にスキルアップしたい!混合病棟から、夢だったICUナースへの転職に成功!

    20代後半・看護師・女性

    前職 総合病院(混合病棟)
    現職 総合病院(ICU)
  • 子育てしながら夜勤・残業もこなしてきたけど、もっと子どもとの時間を取りたい…夜勤無し・残業無しの職場へ転職!

    30代前半・看護師・女性

    前職 急性期病院(病棟)
    現職 訪問看護ステーション
  • 勉強会や夜勤で体力の限界…!生活リズムを整え趣味も大事にしつつ、患者さんとコミュニケーションの取れる職場へ!

    30代前半・看護師・女性

    前職 急性期病院(病棟)
    現職 クリニック
  • 人間関係に悩み退職後、専業主婦を約1年。失業手当受給期間満了を機に、家庭と両立できる範囲で非常勤として復職!

    40代前半・准看護師・女性

    前職 一般病院
    現職 有料老人ホーム
  • シングルマザーとして家庭も収入も大事にしたい!日勤+日勤のWワークから公的病院への転職に成功!

    40代半ば・看護師・女性

    前職 訪問看護ステーション
    現職 一般病院
  • 異動を打診され、業務負担増加が確実に…看護師最後の転職として、病院で働きたい!療養型病院への転職で収入UPにも成功!

    50代半ば・准看護師・女性

    前職 介護老人保健施設
    現職 療養型病院
  • 半年後には定年60歳を迎え、年収30%カットに…。65歳定年の法人に転職し、ほぼ減収なし&体力の負担軽減に成功!

    50代後半・看護師・女性

    前職 急性期病院
    現職 介護老人保健施設

みんなの退職理由 まとめ

過酷と言われる看護師の仕事。実習を乗り越え、国試に合格し、いざ就職してみると、あまりの慌ただしさに理想と現実のギャップに苦しむ……という経験をされた方も多いのではないでしょうか。
看護職の資格を持っていながら看護の仕事に従事していない潜在看護師(看護師・准看護師)は日本に79万人以上いると言われています(※1)。
医療職ならではの独特な人間関係の難しさや過酷な労働環境が、退職の理由となり、また復職を阻む理由となっていることは想像に難くありません。

一方で、全国の病院・診療所数は11万か所以上、介護事業所数は30万か所以上存在します(※2)。
ライフスタイルの多様化にともない、看護師のキャリアパスや働き方も多様化してきています。

「このままでいいのかな?」
「他の職場はどうなんだろう?」
「他にどんな働き方があるんだろう?」

そんな疑問がふと湧いてくる瞬間もあるでしょう。
そんな時は、ぜひ気軽にナース人材バンクのキャリアパートナーにご相談ください。完全無料で、キャリアの「ご相談のみ」のご利用も可能です。

(※1:新たな看護職員の働き方等に対応した看護職員需給推計への影響要因とエビデンスの検証についての研究
(※2:厚生労働省 医療施設動態調査介護サービス施設・事業所調査の概況

注目の特集一覧