男性看護師-気になる実態は?-

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男性看護師 -気になる実態は?-

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男性看護師は増えている?

男性就業看護師数の推移

男性就業看護師数の推移

結論から言うと、右肩上がりで男性看護師数は増えています!
厚労省の統計によると、全国の男性就業看護師は2010年時点で53,748人でしたが、2020年時点で104,365人と10年間で約2倍に増えました。
さらに就業保健師数で見ると男性は2010年時点で582人でしたが、2020年時点で1,598人と10年間で約3倍に増えていることがわかります。
一方で、就業看護師の男女割合を見ると、2020年時点で女性91.9%、男性8.1%とまだまだ男性が少数派の業界であることもわかります。(参照元:令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

この記事では、そんな男性看護師の実態について、実際に現場で活躍する男性看護師さんへのインタビューも併せて解説します!

男性看護師が活躍しやすい診療科は?

男性看護師が活躍しやすい診療科は?

男性は女性よりも体力・腕力があることが多く、実は重宝される現場もたくさんあります。
診療科や部署別に見ていきます。

男性が活躍しやすい診療科①
精神科

精神科における患者さんの暴力や暴言は入院時の急性症状として認められることが多く、特に精神科救急や急性期病棟においては男性看護師の力が求められる場面が多いでしょう。
それ以外にも、精神療養病棟や認知症病棟では介護業務も多く、特に人が少ない夜勤帯などは体力のある男性看護師が重宝されます。
また男性病棟・女性病棟というように病棟が性別ではっきりと分かれているので、働きやすいという側面もあるようです。

男性が活躍しやすい診療科②
整形外科・脳神経外科など外科系

整形外科の手術は「大工仕事」に例えられたり、脳神経外科などは機械を扱う場面も多かったりと、外科系の診療科には男ゴコロをくすぐる要素が多く、興味を持つ男性は多いようです。
また実際に脳神経外科や呼吸器科は体位交換など力仕事も多く、体力のある男性看護師は重宝されます。
移動介助などで患者さんの身体を起こしたり支えたりする機会が多い整形外科も同様です。

男性が活躍しやすい診療科③
手術室・ICU(ユニット)

科によって異なりますが、数時間~10時間以上に及ぶ場合もある手術を担当する手術室看護師は、体力勝負という側面があります。
また24時間2対1看護で夜勤が多く、常に緊張状態で集中力と判断力が求められるICU(集中治療室)も、心身ともにタフさが必要です。
「手術看護認定看護師」や「集中ケア認定看護師」などのスキルアップできる資格もあり、専門性を磨くことができるため、スペシャリストを目指したいという方には人気の配属先です。

男性が活躍しやすい診療科④
訪問看護など在宅分野

病棟では女性の患者さんにケアを断られてしまうこともある男性看護師ですが、在宅分野では逆に患者さん本人やご家族の希望で「男性看護師にお願いしたい」というニーズが存在します。
男性看護師が在籍することでそういったニーズを取り込むことができ、事業所として対応できる患者層を広げられるため、重宝されるという場面があるのです。

COLUMN

いま話題の「メンズ美容」とは?

いま話題の「メンズ美容」とは?

いま「男性美容医療」の分野で、男性看護師のニーズが増えていることはご存知でしょうか?

男性専門のクリニックと言えばAGA(男性型脱毛症)クリニックなどが一般的であった時代から、男性の美容への意識が高まったことで、ヒゲやボディの医療脱毛などが一般化してきている現代において、「メンズ美容医療」は決して特別なものではなくなってきました。あわせて、男性美容クリニックにおける男性看護師の活躍の場も広がっています。

スペシャルインタビュー

男性看護師が感じやすい
悩みや不安

男性看護師が感じやすい悩みや不安

実際に看護師として現場で活躍経験のある男性の皆さんにお話しを聞いてみました!
これから看護師を目指そうと考えている方や、
今現在看護師として勤務されている方も、
ぜひリアルな声を参考にしてみてください。

※個人の意見であり、全ての職場に当てはまるものではございません。

  • Aさん

    名前
    Aさん
    職種
    看護師
    職場
    急性期病院(整形外科)
  • Bさん

    名前
    Bさん
    職種
    看護師
    職場
    急性期病院(呼吸器内科,救急科,コロナ病棟など)
  • Cさん

    名前
    Cさん
    職種
    看護師
    職場
    一般病院、訪問看護管理者など
  • Dさん

    名前
    Dさん
    職種
    看護師
    職場
    急性期病院(整形外科)、脳外専門病院、高齢者施設など
  • Eさん

    名前
    Eさん
    職種
    看護師、保健師
    職場
    総合病院(手術室,透析室)、行政保健師など

男性看護師の悩みや不安①
看護拒否に関する悩み

看護業務において感じる男性特有の悩みはありますか?

  • Aさん

    Aさん:看護業務において、というところで言うと、私は新卒で整形外科の病棟に配属されたのですが、女性の患者さんからケアを断られることが多かったですね。
    普通に落ち込みますし、新卒でこれなら、歳を重ねるごとにもっと嫌がられるようになるのでは…?と単純に不安になりました。
    現場でずっとやっていけるのかなぁと。

  • Cさん

    Cさん:男性看護師が少ない病棟だと、余計にそう感じますよね。
    そういう意味では、精神科は男性の先輩看護師も比較的たくさんいるので現場キャリアに関する不安は多少感じにくいかもしれません。

  • Eさん

    Eさん:男性だからということだけで、できることが限られていると感じる場面はたくさんありました。 一方で、男性だからできることもあるなと感じます。男性・女性それぞれの得手不得手があると思っていて、そういうところを補完しあいながら仕事ができると良いですよね。
    例えば男性は力仕事は得意な方が多いですし、実際働いていた時は男性の言うことしか聞かないという患者さんもいらっしゃいました。男性だからこそっていう場面はゼロじゃないと思います。
    女性が多い職場だからこそ、男性がそこで働く意義、というのを考えながら仕事ができると良いのではないでしょうか。

男性看護師の悩みや不安②
キャリアに関する悩み

看護師として働く中で感じる不安はありますか?

  • Aさん

    Aさん:一番は、キャリアに関しての悩みですね。
    先ほどの患者さんからの看護拒否の話もそうですが、看護師として、キャリアをどのように積んでいったら良いのだろうか?という不安が一番大きかったように思います。

  • Bさん

    Bさん:わかります!
    看護師として医療業界でやっていくのであれば、管理職を目指すか、専門性を磨いていくべきか…というのはありますよね。

  • Cさん

    Cさん:ジェネラリストとして経験を積んでも、お給料を上げていくのになかなか難しい面があると自分は感じていました。
    特に家族がいると収入や昇給についてはシビアに考えますね。

  • Bさん

    Bさん:20代のうちはまだ現場でバリバリ働いてたらお給料もらえてるなと思うんですけど、30~40代あたりから看護師ではない友達に越されていき、将来の働き方について悩む…という話は聞いたことがあります。
    そういった面もあって、自分は看護師以外のキャリアも視野に入れて転職活動をした経験があります。実際に、治験や製薬会社の面接を受けたりしました。

  • Aさん

    Aさん:たしかに、私の友人にも看護師をやめて保険の販売員に転職した人がいますね。あと、訪問看護を自分で立ち上げたりとか。
    看護師って医療知識はもちろんですが、人を相手にする仕事なので接客業のような側面もあるから、色んな分野で経験やスキルを活かせそうですよね。
    看護師として現場や管理職でキャリアを積んでいくことはもちろんですが、それ以外の道もあると思って考えてみると、視野が広がって良いかもしれないですね。

男性看護師の悩みや不安③
人間関係に関する悩み

女性が多い職場ですが、気を遣うことはありませんか?

  • Eさん

    Eさん:僕は新卒でオペ室に配属されたのですが、実は第一希望ではありませんでした。第五希望くらいに書いたかな(笑)
    「男性看護師の先輩がいる方が色々聞きやすいでしょ」という病院側の配慮での配属だったみたいです。
    ただもちろん男性だけではなく女性の先輩もいて、人間関係が複雑な部分もありました。
    オペ室は更衣室兼休憩室も男女別にわかれていたので、雲行きがあやしい話題になったら、男子更衣室に逃げてました(笑)

  • Dさん

    Dさん:そういう話題には関わらないというのが一番ですよね(笑)
    ちなみに私も、新卒の時は男性師長さんがいる外科系病棟に配属されました。

  • Cさん

    Cさん:気を遣うというか、むしろ特に年配の女性看護師さんにはかわいがってもらえることも多かったように思います。
    良いことかどうかは置いておいて、実際、同期の女性看護師と僕とでは、対応が明らかに違ったこともあったり…

  • Dさん

    Dさん:同性だけよりも、異性がいると人間関係がマイルドになる感じはありますよね。
    あと学生時代から「面倒ごとは男子に頼む」みたいのも多くなかったですか?ちょっと面倒な課題とか、難しい問題の時に授業であてられたりとか。
    働き出してからだと、ちょっと無理めのシフトの変更依頼とかも私はよくありました。頼まれると断れないんですよね…(笑)

  • Cさん

    Cさん:わかります!私が今まで出会ってきた男性看護師さんは優しい方がすごく多かったです。
    あと、少数派になりがちなぶん、男性同士の結束が強くなりやすい側面はあるかもしれません。私も男性看護師のコミュニティを大事にしています。

女性が多い職場で良い人間関係を築くために

女性が多い職場で良い人間関係を築くために

就業看護師のうち、女性91.9%、男性8.1%というデータがあります。
(参照元:令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況
圧倒的に女性が多い職場で、男性看護師が気を付けるべきことはあるのでしょうか。

女性が多い職場での人間関係①
噂話に惑わされない・派閥やグループに属さない

日本人は「みんなと一緒」であることを好み、グループに属することで安心するという気質を持っていると言われます。
そのため、多くの人と関わりながら働く環境では、派閥やグループが形成され、人間関係が複雑になってしまうケースも多いでしょう。
そんな複雑な人間関係に巻き込まれないためには、「鈍感」でいることが大事です。派閥やグループの存在には気付いていないように振る舞うこと。
そして、悪口や噂話には「共感」も「否定」もしないことが吉です。中立的な立場で、「そんなことがあったんですね、知らなかったです」とうまくかわすことができるようになったら、人間関係の面倒ごとに巻き込まれることも減るでしょう。

女性が多い職場での人間関係②
同年代のいる職場を選ぶ

男女問わず、同期や自分と同年代の人が活躍している職場であれば、お互い励まし合ったりプライベートでも遊びに出かけたりと、気軽に話せる仲間がいることは心強いでしょう。
また子育て世代であれば、ママ・パパとして子育てのお悩み相談や情報交換をすることができ、働く上で職場の協力体制も作りやすいと言えます。
同年代がいなくて心細い思いや孤独を感じている人は、同年代のいる職場への転職を検討してみても良いかもしれません。

女性が多い職場での人間関係③
訪問看護を選ぶ

実は訪問看護の魅力のひとつとして、「職場内での人間関係のわずらわしさが少ない」というものがあります。
訪問看護の場合は、シフトが同じでも訪問に出てしまえば基本的には一人です。病棟と違い一日一緒にいるわけではありませんから、「合わないな」と思う人がいても、直接関わること自体が少なくすみます。
職場のスタッフ同士の人間関係に辟易しているのであれば、ご利用者の希望で「男性看護師にお願いしたい」というニーズも一定存在する、在宅の分野に挑戦してみるのも選択肢の一つです。

男性看護師の平均給与

男性看護師の平均給与

厚生労働省の調査によると、看護師(准看護師・保健師・助産師を除く)の平均年収は5,081,300円、平均月給は351,600円という結果になっています。 男女別で見ると、以下の表の通りです。

平均年収 平均月給 平均賞与(年)
男女計 5,081,300円 351,600円 862,100円
女性 5,063,800円 350,600円 856,600円
男性 5,227,200円 359,900円 908,400円

女性看護師の平均年収5,063,800円に対して、男性看護師の平均年収は5,227,200円となっており年収で163,400円上回っています。 また、全ての男性一般労働者の平均月給は342,000円ですので、世の多くの男性よりは高い収入を得ることができている資格と言えるでしょう。

(参照元:厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査

男性看護師のキャリアアップ事情

男性看護師のキャリアアップ事情

看護師としてキャリアアップを目指すには、いくつかの方法があります。
どのような道があるのか理解した上で、自分にあったキャリア選択をしましょう。

キャリアアップ事情①
資格を取得して専門性を磨く

看護師として上位資格や関連資格を取得する方法があります。
例えば認定看護師や専門看護師、診療看護師(NP)などが挙げられます。いずれも指定の教育機関で数カ月~数年の教育課程を修了し、認定試験に合格しなければなりません。
なお、認定看護師制度は2019年度の改正に伴い、2021年度から新たな認定看護師が誕生しています。具体的には、認定看護師がより高い水準の看護実践を行えるよう、従来の教育課程に特定行為研修(手順書により看護師が特定行為を行えるようになるための研修。2015年度より制度開始)を組み込んだ制度となっています。

一方で、日看協の調査によると、認定看護師の資格手当は「なし:58.8%」「あり:41.2%」で、約6割が認定看護師の資格を持っていても資格手当がないことに加え、手当がある場合でもその平均は「8,530円/月」となっています。
資格を取得することで、看護の視野が広がり役割や活躍の場が増えることはキャリアにとってプラスですが、資格に対する評価としての賃金制度には、現状多くの職場で課題感があると言えそうです。
(参照:日看協「2022 年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」報告書

キャリアアップ事情②
管理職を目指す

主任や師長、部長などマネジメント職を目指すという道もあります。 チームで仕事をすることが好きで、後進の育成や組織課題などに興味がある人は、管理職に向いているかもしれません。
認定看護管理者制度では、看護管理者としての知識・技術・態度を体系的に学ぶことが可能です。認定看護管理者の教育課程はファーストレベル、セカンドレベル、サードレベルの3課程あり、いずれも指定された教育機関でカリキュラムを履修する必要があります。看護師長相当以上の職位に就く方は、職場から受講をすすめられるケースも多いでしょう。

一方で、管理職になると現場で患者さんと直接接する機会は減ってしまいますので、ご自身の適性と、将来的にエンドユーザーとどのように(直接的または間接的)関わっていきたいかも含めて考える必要があるでしょう。
また、管理職とひとくちに言っても、活躍の場は決して病院だけではありません。介護施設での看護師長や管理者、訪問看護ステーションの管理者など、マネジメントのスキルは幅広い分野で活かすことができます。

キャリアアップ事情③
看護師以外の仕事に挑戦する

看護師の資格と経験を活かして働ける職場は、病院や介護施設などの他にも、実はたくさんあります。

例えばCRC(治験コーディネーター)は被験者・医師・製薬会社と連携し、治験の円滑な進行をサポートします。被験者との面談やフォローが中心であるため、看護師としての知識や患者さんに対応していた経験が活かせます。
また、医療機器メーカーなどの営業職であるフィールドナース(クリニカルスペシャリスト)は、病院等で医療スタッフに対して自社製品の説明やデモンストレーションを行います。説明を受けていた側の経験や、看護師として実際に医療機器を扱っていた経験が活かせる仕事です。
他にも、看護師の経験を活かして医療経営コンサルタントやMR(医療情報担当者)として活躍する方や、保健師の資格を取得して行政保健師として働く方もいます。
なお、保育園看護師や医療事務、医療系コールセンタースタッフなども求人はありますが、収入は一般的な看護師よりも下がってしまうでしょう。

キャリアアップ事情④
その他収入アップを狙うには?

収入アップ方法(1) 手当がつく部署で働く

救急対応している病院のオペ室やカテ室(カテーテル検査室)などはオンコール手当がある場合が多いです。身支度が簡単に済みコールから出勤まで短時間でかけつけられる男性看護師は、オンコール当番として重宝されるとかされないとか……。
オンコールの対応が可能であれば、収入アップも見込めるかもしれません。

収入アップ方法(2) 派遣やアルバイトなどの副業

日勤と夜勤を両方こなす常勤として勤務しながら、夜勤専従のアルバイトや、派遣で単発の仕事をする方もいます。
短期的な収入アップは見込めますが、副業(Wワーク)による無理なスケジュールで身体を壊したり、疲れや寝不足などによるミスの誘発も懸念されるため、注意が必要です。
上記の理由から、就業規則で禁止されている場合も多いので、副業を検討する場合はしっかりと確認の上自分に合った働き方を選択することをおすすめします。

男性看護師 まとめ

全国の看護職員の2025年における需要推計は188万人~202万人(※1)となっていますが、2019年時点での全国の就業看護職員数は約168万人(※2)となっており、看護職員数が不足しています。

※1参照:厚労省 医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会
※2参照:日看協 看護統計資料 就業者数

そんな中において、少数派ではあるものの、右肩上がりで増えている男性看護師。2010年からの10年間で約2倍になっており、今後も増えていくことでしょう。
そして、看護師の多様なキャリアパスや働き方にも注目が集まっています。
看護師という資格と経験を活かして、どのようなキャリアの選択肢があるのか知りたい・考えてみたいという方は、キャリアパートナーに気軽にご相談ください。

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