院長をご紹介します!
長崎県対馬病院 院長 八坂 貴宏
2019年4月に院長に就任し、今年度で4年目を迎えました。長崎県対馬病院は、長崎県対馬いづはら病院と長崎県中対馬病院を再編統合し、2015年5月17日現在地に新築移転、開院しました。対馬に暮らす人々の健康を守り、信頼と安全・安心の医療を提供できる病院を目指しています。
当院は、へき地医療拠点病院、救急告示病院、二次救急輪番病院、災害拠点病院、第二種感染症指定医療機関、がん診療離島中核病院、認知症疾患医療センターに指定され、通所リハビリテーション施設(まいっぽ)や訪問看護ステーションも併設しています。 病床は、一般病床、地域包括ケア病床、感染症病床、結核病床、精神科病床を備え、がん診療のための無菌室や放射線治療装置も導入しています。最近では新型コロナウイルス感染症が全国的に拡大していますが、発熱外来を常設し、必要に応じて病床数を調整しながら、入院治療を行っています。
さて、対馬では脳血管疾患や心疾患の死亡率が高く、まずは24時間体制の救急医療の確保、これらの疾患に対する診療の充実が必要です。脳梗塞に関しては血栓を溶かす薬を投与しながら本土病院にヘリ搬送をするDrip and Ship療法を行ったり、心筋梗塞に関しては救急車から心電図を伝送してカテーテル治療を速く行えるようにしたり、時代に即した治療方法を実践しています。また、がんの有病率も高いことから、がん診療の充実も図っています。胃や大腸内視鏡による治療、腹腔鏡による手術など外科的治療の他、抗癌剤治療や放射線治療も行っています。
しかし、その前に糖尿病・高血圧などの生活習慣病の早期発見・早期治療、そして食事や運動、禁煙など生活習慣の改善を行えば、これらを予防することができます。日頃からの健康管理、健診受診は大切です。当院では、特定健診や事業所健診、がん検診(胃、大腸、肺、乳癌、子宮癌)も行っていますので、是非、年に1度は受検頂きたいと思います。
我々地域で働く医療職は、医療だけでなく、予防・保健・介護・福祉の視点も持ち、地域ニーズにあった、医療・ケアを展開し、発展させて行くべきと考えています。過疎化、少子化、高齢化が進む離島地域ではマンパワーや医療資源に限りがありますが、それらを有効かつ効率的に活用しながら、地域包括医療・ケアの充実を図って行きたいと思います。