「準夜勤」はどんな働き方?3交代制勤務のメリット・デメリットとは

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「準夜勤」はどんな働き方?3交代制勤務のメリット・デメリットとは

看護師として病棟で働く場合、避けて通れないのが「夜勤業務」です。部署の特徴や業務状況に応じて、2交代制勤務もしくは3交代制勤務(ときに変則3交代制勤務)が採用されています。どのような勤務形態で働くかは、仕事だけでなくプライベートにも影響を与えるため、転職の際は非常に気になるポイントではないでしょうか。

今回は、「準夜勤」がある3交代制勤務と準夜勤の特徴、メリット・デメリットについて解説します。3交代制の職場へ転職を考えている方、これまで3交代制を経験したことのない方は、ぜひ参考にしてください。

2交代制勤務と3交代制勤務の違いとは?

病棟の勤務形態は、主に2交代制と3交代制に分けられます。まずは、それぞれの勤務形態の違いを大まかに理解しておきましょう。

2交代制勤務の働き方

職場によって多少の違いはあるものの、「日勤は8:30〜17:30まで」「夜勤は17:00〜翌朝9:00まで」のように、勤務時間帯を2つに分けるのが2交代制勤務です。日勤の勤務時間は3交代制と大きく変わりませんが、夜勤では夕方から翌朝まで長時間拘束される点が3交代制と大きく異なります。

夜勤の拘束時間は長いものの、夜勤終了後は次の勤務まで十分な間隔があるため、しっかりとリフレッシュできるのがメリットです。

3交代制勤務の働き方

3交代制勤務も職場によって違いはありますが、「日勤は8:30〜17:00まで」「準夜勤は16:30〜深夜1:00まで」「深夜勤は0:30〜翌朝9:00まで」と勤務時間帯を3つに分けるのが3交代制勤務です。夜勤業務を「夕方から深夜まで」「深夜から翌朝まで」に分けているため、2交代制に比べて夜勤の拘束時間が短くなります。

一方で、日勤終了後に帰宅して仮眠を取ったあと、再び夜中に出勤して深夜勤に従事したり、準夜勤の翌朝が日勤になったりするなどハードな勤務もあるのが特徴です。

看護職員を対象とした夜勤実態調査では、2交代制勤務の職場が約2割、3交代制勤務が約4割、2交代制と3交代制が混在している職場が3割強と報告されています。*1理想のライフスタイルや働き方を求めて転職する場合、「2交代制・3交代制のどちらの勤務形態を採用しているか」は、転職先を選ぶ上で大切なポイントとなるでしょう。

準夜勤・深夜勤の違いや注意点について

3交代制勤務の場合、準夜勤と深夜勤の業務にはどのような違いがあるのでしょうか?「勤務時間」「業務スケジュール」「心理的負担」の3つの側面から見てみましょう。

出勤・退勤時間の違い

準夜勤は夕方から深夜までの勤務、深夜勤は深夜から翌朝までの勤務です。準夜勤は明るい時間帯に出勤し、夜中に退勤。一方で、深夜勤は夜中に出勤し、日が昇ってから退勤となります。

3交代制の準夜勤・深夜勤では、いずれも「出退勤が夜中になる」という点において防犯面の注意が必要です。

業務スケジュールの違い

準夜勤では夕方から仕事をスタートし、消灯時間までが勝負!患者さんが就寝するまではナースコールが多く、並行して点滴・検温・オムツ交換・配膳・与薬などを行うため、なかなかハードなスケジュールとなります。

一方の深夜勤では、患者さんの就寝中に点滴準備やカルテ類の整理を行い、起床してからは検温・配膳・与薬など本格的に忙しくなります。

心理的負担の違い

準夜勤・深夜勤ともに「夜勤」であることに変わりはないのですが、業務スケジュールや病棟の雰囲気などが微妙に異なります。深夜勤は落ち着いて仕事ができる一方で、人手が少ない中での急患・急変に心理的負担を感じる人もいるでしょう。

さらに深夜勤の場合、自宅で仮眠をとって出勤することになりますが、「なかなか寝付けない」「寝過ごして遅刻したらどうしよう」など、夜勤前に落ち着いて過ごせないというデメリットもあります。

準夜勤のメリット

ここからは、3交代制勤務で準夜勤をするメリットについて見ていきます。

睡眠リズムが乱れにくい

準夜勤の場合、1:00頃に仕事を終えて帰宅すれば、真夜中ではありますが暗いうちに就寝できます。完全に昼夜が逆転する深夜勤と比べて、睡眠リズムの大きな乱れを防げるのが準夜勤のメリットです。

日中はゆっくりと過ごせる

準夜勤の場合、朝起きて出勤するまでの時間は休日のようにゆっくり過ごせます。日中の用事を済ませ、平日の混雑が少ないときに買い物ができるなどのメリットがあります。

深夜手当が付く

22時以降の勤務には深夜割増賃金(深夜手当)が支払われます。これも夜勤ならではの大きなメリットです。

準夜勤のデメリット

次に、準夜勤のデメリット・注意点について見ていきましょう。

退勤時に公共交通機関を使えない

準夜勤の場合、定時で勤務を終えたとしても公共交通機関を利用できないことがほとんどです。そのような場合はタクシーを利用することになりますが、自宅までの距離に応じてタクシー代やタクシーチケットを支給する職場もあります。

徒歩や自転車で帰宅する場合は、防犯面に十分な注意が必要です。

準夜勤のあとに勤務が続くこともある

職場によっては、準夜勤のあとに日勤や半日(午後)勤務が続くこともあります。そのような場合、準夜勤のあと帰宅して就寝、朝には起きてまた仕事…という勤務になるため体力的にハードです。

十分な休息が取れないばかりか、「翌日の勤務に遅刻しないように」という不安もあるため、心理的負担も大きいと言えるでしょう。

2交代制と3交代制、どちらが働きやすい?

拘束時間が長い分、夜勤明けは確実に休息がとれリフレッシュできる2交代制勤務と、拘束時間は短いものの、不規則な勤務が続くこともある3交代制勤務。どちらの勤務形態も一長一短で、「仕事とプライベートのメリハリをしっかりつけたい」という人は2交代制が、「職場に長時間拘束されたくない」という人は3交代制が合っているかもしれません。

「どちらの勤務形態が働きやすいか」は、求めるライフスタイルや働き方によって人それぞれ違うと言えるでしょう。

勤務形態は慎重に選ぼう

看護師の夜勤業務は、体力的にも精神的にも決して楽ではありません。しかし、夜勤を通して学べることは多く、夜勤手当がつくメリットも見逃せません。どうしても夜勤がつらい方は、日勤常勤や夜勤のない職場を探すのもひとつの方法ですが、夜勤を続けるのであれば「自分にとって負担の少ない働き方」を選ぶことが大切です。

転職活動の際には、勤務形態や夜勤業務に関する不安・疑問をしっかりと確認するようにしましょう。

*1
参考)医療労働 2019年度 夜勤実態調査(日医連)p.9
http://irouren.or.jp/publication/1aca46428b5b14106b7a4525c448a91617584be7.pdf

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