大事にしていること
当院を開院するについては二つの想いがありました。まず一つは心療内科、心身医学についての想い。私が心療内科の研修医になった20数年前は、心身医学のまさに黎明期で、まだ知名度が低く「心霊ないか?」等と言われたりしたものです。いまや、心療内科、心身症科もすっかり市民権を獲得した感があり、その必要性はますます高まっています。私はその後精神科への道を進みましたが、双方の経験を生かしてストレスの多い21世紀を楽しく生き抜くお手伝いができたらと思っています。
もう一つの思い。認知症高齢者への想い。今から20年ほど前(古い話ばかりで恐縮ですが)小倉の某病院に勤務を始めたころは、精神科の病院も内科の病院も「自分たちの専門外」と言って認知症の方をほとんど診てくれませんでした。私の勤めた病院では離床と介護者の援助を目的として現在のデイ・ケアの前身となるものを始めていたこともあり、たくさんの認知症の患者さんが受診なさり、当時若かった私は「全国でも私ほどたくさんの認知症を診ている人はいない」と不遜にも自負しておりました。
認知症の方やご家族とお付き合いするようになって長い年月が経ちましたが、さまざまな出会いがあり、たくさんのことを教えていただきました。その経験を生かして少しでもお役に立てたらと思っております。
りぼん・りぼんはreborn(生まれかわる)・live on(生き続ける)です。これは決してどなたかを生まれ変わらせたり、生き続けさせたりするというようなおこがましい気持ではありません。私を含めたスタッフ全員が、経験だけに胡坐をかかず、「新たな気持で出直し、頑張っていく」という謂わば「覚悟」からつけた名前です。