看護師の寮ってどんなところ? 家賃は? 共同生活?? 気になるポイントまとめ!

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就職にあたり実家を離れる看護師さんが、まず決めなくてはいけないこと。それが、「寮に住むか」もしくは「自分で住む場所を探すか」です。

ネットが発達し、自分の欲しい情報はすぐに手に入れられる現在においても、看護師寮については、近隣の人に「あそこが看護師の寮だ」とばれてしまうと防犯上よくないという理由から、あえて掲載しない傾向にあります。

そのため、特に遠方から引っ越す方にとっては、寮の情報が非常に少ないため、自分の住む場所のイメージが付きにくくなっています。寮は生活の場ですから、事前にもっといろいろな情報を知りたいですよね。

そこで今回は、自身の看護師の寮への入寮経験を元に、看護師寮について解説していきます!

1. 看護師の寮ってどんなところ?

看護師寮、と聞くと、みなさんはどのようなイメージを持ちますか? ひと昔前は寮母さんがいて、食事付きでお風呂・トイレは共用、共同で使うスペースがある物件が多くありました。

しかし、今では大きく変わり、アパートやマンションを借り上げているため、外見からは寮だとわからないことがほとんどとなっています。では、職場が用意している看護師寮とは、いったいどのようなところなのでしょうか?

看護師寮は「福利厚生」の一つ

人は労働によって報酬を得ますが、職場によっては賃金以外に、金銭以外で報酬を支給するものがあります。それが「福利厚生」です。

福利厚生は職場によって多種多様です。中には地元の野球チームの観戦チケットが安くなる、家族旅行の一部を負担してくれるなど、様々なものがあるようですが、福利厚生として一般的なものの一つ、それが「寮」です。

福利厚生は全ての職員を対象としていることが多いのですが、寮については「独身である」「入職〇年以内である」など、職場によって入寮に条件を出していることがほとんどです。
従って職場が定めている条件をクリアしているのならば、ぜひ利用したい福利厚生の一つといえるでしょう。

寮は東京など都市部が多い!?

看護師寮については、よく「東京など、都市部では寮の割合が高い」という話を聞くのですが、実際はどうなのでしょうか?

9月現在、ナース人材バンクにて公開されている求人のうち、地域ごとの「寮or住宅補助付きの求人」がどれくらいの割合があるのかまとめてみました。

北海道 19.7
宮城 21.8
東京 15.0
愛知 10.9
大阪 10.3
福岡 6.5

こうしてみてみると、公開されている求人においては、東京や福岡に比べ北海道や宮城での割合が高くなっており、東京に寮が集中しているとは言えないことがわかります。大都市で見ると西に行くほどその割合は下がるようです。全体の求人数で見ても寮や住宅手当がついている求人は多くないと言えるでしょう。

そのため、寮があることを条件に職場を探すとなると、その時点でかなり数は絞られてしまう、ということになります。

寮のポイントは「病院から徒歩圏内かどうか」

寮があることを条件として職場を探す場合、ぜひ寮についてチェックしていただきたいポイントが、「病院から徒歩圏内かどうか」という点です。「病院の寮なのだから、寮は敷地内にある」と思いがちなのですが、寮には様々なタイプがあります。

実際に私が新卒で入った寮は、3つの系列病院が合同で同じ寮を利用しており、階数によってどの病院に所属しているのかわかる仕組みでした。寮の場所も3つの系列病院の間を取った場所にあったことから、通勤にはバスと電車が必要で、通勤に30分以上かかりました。

このように寮でも通勤に時間がかかってしまうケースもあるのです。寮の場所については、人によっては「職場からより遠く、生活圏が離れているほうがいい」という方もいらっしゃるかと思います。

入寮を希望している場合には、「寮があるかどうか」という点の他に、「病院から徒歩圏内にあるのかどうか」という点もポイントとなります。

気になる家賃は月給から天引き?

寮について、場所の他に気になるのが「家賃の支払い方法」です。

私自身計3つの病院の寮を利用しましたが、いずれも家賃は月給からの天引きでした。入寮経験のある友人にも訪ねましたが、いずれも月給からの天引きだったとのこと。全ての職場とはいえないかもしれませんが、月給から天引きを採用している職場が多いということはいえそうです。

賃貸物件の場合、意外と多いのが「家賃を振り込み忘れてしまう」こと。看護師寮に住むことで、家賃が月給から直接天引きされていれば、振り込み忘れもなくて、安心ですよね。

2. 看護師寮のメリットって?

福利厚生の一環である、看護師寮ですが、実際に看護師寮にはどんなメリットがあるのでしょうか? 様々な視点から考えてみました。

一人暮らしをしたい

学生時代に比べ、社会人になることで一人暮らしを検討している方は多いと思います。実際に私も、社会人になると同時に看護師寮に入寮し、一人暮らしを始めました。

看護師寮は賃貸物件とは違い、入寮時に敷金や礼金がないため、初期費用がかかりません。一般的に一人暮らしをする時は引っ越し費用や必要なものを買いそろえなくてはいけないため、出費がかさみますが、初期費用がかからないのはとても大きなメリットとなります。

看護師寮の中には家具家電が備え付けのところもあり、この場合は自分の身の回りのものだけを運べば引っ越し完了となるため、さらに経済的といえます。

また看護師の多くは女性であるために、寮のセキュリティにも力を入れているところが多くなっています。私が卒後入った寮ではオートロックがついており、管理人さんが常駐していたため、親も安心し、一人暮らしの許可を出してくれました。

このように、看護師寮を利用することで経済面、また防犯面でも一人暮らしがしやすくなります。

家賃が高いので、安く住みたい

一人暮らしするにあたり、問題となる家賃。看護師寮は福利厚生の一環であるため、家賃は病院にもよりますが、周囲の賃貸物件の相場よりもかなり安くなっています。

例えばワンルームであっても家賃が7万円を軽く超えてしまう、都内の一等地であっても、看護師寮であれば1~2万円でセキュリティもしっかりしているところに住むことができるのです。

都心部に職場がある場合、駅から近くの物件そのものが少ない中、相場よりもかなり安価で住めるというのは、看護師寮に入寮する上で大きなメリットではないでしょうか。

職場近くに住み、病院への通勤時間を減らしたい

全てではありませんが、看護師寮の多くは職場の近くにあります。そのため、朝の通勤ラッシュや渋滞に合うこともなく、すぐに出勤することができます。

少しでも多く家で過ごす時間をとりたい方。通勤に時間をかけたくないという方にとって、職場から看護師寮までの寮の近さはとても魅力的です。

私自身、徒歩5分以内にある寮に住んでいた頃は、勤務が終わるとすぐに自宅に帰ることができ、くつろぐことができたので、とてもありがたかったです。

3. 看護師寮に住むことによるデメリットとは?

ここまで看護師寮に住むことのメリットを紹介してきましたが、もちろんデメリットもあります。次からは、そんなデメリットについてご紹介していきましょう。

寮でのトラブルがそのまま職場に反映されてしまう

寮では、住民はみんな同じ職場の看護師となります。そのため、夜間の騒音やごみの分別など、寮内でトラブルが起きた場合、その影響がそのまま職場に反映されてしまうことがあります。

私が当時住んでいた寮は男性を入れてはいけないという決まりだったのですが、男性を入れてしまった看護師さんがいました。するとその現場を目撃した同じ寮に住んでいる看護師が職場に報告し、寮に入っていた人は部長より厳重注意されました。

厳重注意されたことで、彼女には「ルールを守れない人」というレッテルが張られてしまい、職場でも居づらくなってしまったのか、間もなく彼女は職場を辞めてしまっていました。

このように、寮のトラブルがそのまま職場にも反映されてしまう、というデメリットがあります。

生活圏内が病院近隣となるため、プライベートがなくなりやすい

寮は職場近隣にあることが多いため、必然的に看護師寮に入ると生活圏も職場近隣となり、通院や入院している患者さんと同じ生活圏内で生活することになります。それに伴い「プライベートがなくなってしまう」というデメリットがでてきてしまいます。

実際に以前、病院から徒歩圏内の看護師寮に住んでいた際、とてもラフな格好でコンビニへ買い物に行ったところ、偶然以前担当していた患者さんと鉢合わせになりました。

すると患者さんから「看護師さんは、このコンビニに来ているんだ! 知らなかった」と話され、その後も会う度に病気についてなど、いろいろと話さなくてはいけない状態になってしまいました。

仕事とプライベートを完全に分けたい方にとっては、患者さんと生活圏が同じになるという点は大きなデメリットとなりえます。

寮への選択肢が少ない

よほど大きな職場でない限り、寮の数はとても限られているため、入寮については自分の希望が反映されにくい傾向にあります。中には何個か寮はあるけれど希望は一切取らず、職場側が人数に応じて割り振る、ということもあります。

そのため、「綺麗なあの寮だったら入寮したい」と考えていても、実際に入寮が決まったら全く違う、年季の入った寮だった、というケースもあります。自分で自由に選択できないという点も、看護師寮においてのデメリットといえます。

より良い寮への引っ越しを検討するための転職もあり!

「寮に入りたいけれど、せっかくなら条件がいい寮に入りたい」という方もいらっしゃるかと思います。そのような時、ぜひおすすめしたいのが、転職サイトを利用して、寮を用意している複数の職場を比較することです。

HPや求人票に「綺麗な寮あり!」と書いてあったとしても、先ほどお話ししたように、綺麗な寮はすでに満員で、年季の入った古い寮しか空いていない、ということもよくあります。

転職サイトを使い、事前に「寮の条件が良いところ」と伝えておけば、あなたの希望にあった転職先を、専門のキャリアパートナーが見つけ出してくれます。寮はあなたの生活の場です。
少しでもよい条件の寮を探すためにも、転職サイトを利用してみてはいかがでしょうか?

4. 寮完備の職場は意外と少ない! それでも入寮したいときは転職も視野に入れて。

寮は初期費用がかからなくて、職場から近い場合もあり、メリットも大きいですが、プライベートがなくなってしまうなどのデメリットもあります。それでも寮に入るメリットを重視する方は、転職も視野に入れ、寮完備の職場を探すという手もあります。

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この記事を書いた人
りこママ
看護師、地方糖尿病療養指導士の資格を生かし、2014年よりライター業を開始。
看護系以外にも経験を活かし、育児、病気、介護など、幅広い分野の執筆を手掛けている。
ライター業の傍ら、0歳と1歳の年子、犬二匹、夫(医療従事者)1人の世話にも追われる日々。

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