先輩看護師からいじめを受けたときの対処法は?【新人ナースさん諦めないで】

新人看護師にとっての最初の試練は、先輩看護師からのいじめや厳しい指導ではないでしょうか。いじめと厳しい指導の線引きは、曖昧な部分も多いもの。しかし、あまりに理不尽な内容の指導やいじめによって、体を壊してしまう人も少なくありません。

看護師の皆さんに聞いた「怖い先輩」についてのアンケート結果がこちら。

怖い先輩、職場にいますか?


出典: 「いない」職場なんてあるの・・・? ナースの職場につきものの、○○ | ナース専科

そんな先輩いないと答えた人が12%に対して、半分くらい・ほとんど・みんなそうの人は合わせると18%と、どの職場にも怖い先輩はいる方が圧倒的に多いようです。新人時代は特に、先輩に対して萎縮してしまいがち。怖くても愛のある先輩ならいいのですが、必ずしも、そういう先輩ばかりではないのが現実です。

いじめをする先輩看護師のタイプ


では、先輩看護師のいじめからどうやって自分を守ればいいのでしょうか。まずは、どのような先輩看護師からいじめがあるのか、なぜいじめが起こるのかを考えてみたいと思います。

気分の浮き沈みが激しい先輩

忙しいときや、なにか嫌なことがあるときに、後輩に対して八つ当たりや無視をする先輩がいます。この場合はグレーゾーンですが、相手の気分を伺いながらの仕事はかなり神経を使います。特に新人のうちは、まだできない仕事も多くペースも遅いため、先輩の機嫌が悪くなる確率が高いです。

言葉責めや無視、人格を否定する先輩

とにかく口が悪い先輩っていますよね。「バカじゃないの?」「看護師辞めたら?」「邪魔!」。新人の人格を否定するような物言いや無視が多いです。これは指導ではなく、完全に言葉による暴力。パワハラともいえます。

しかも厄介なことに、一対一のときにだけこうした発言をする人もいます。なので、周りのスタッフには気づいてもらえないのです。

物理的ないじめをする先輩

やらなくてもいい仕事を押し付けられたり、処置の多い患者さんを毎日担当させられたり、他の人のミスをなすりつけられることもあります。これも立派なパワハラです。先輩という権力を使って、拒否できないような状況に追い込むやり方です。

また、ロッカーの中の白衣やナースシューズを捨てられる・隠される・傷つけられるといった、小学生のようないじめも実際にあるようです。このタイプのいじめも周りのスタッフは気づきにくいようで、新人が一人で抱え込んでしまう状況になりやすいです。

周りを巻き込んだり、上司に告げ口をしたりする先輩

患者さんや他の看護師・スタッフの前で、大声で怒鳴り、罵倒するようなやり方、いわゆる公開処刑です。本人は指導のつもりでいる熱血タイプなのかもしれませんが、周りもその勢いになにも言えないことが多いです。

せめて後でフォローできればいいのですが、「あの人を敵に回したらやばい」と感じることも多く、関わりたくないと傍観者になってしまうこともあります。この手の先輩看護師は、主任や師長といった管理職に告げ口。新人のイメージをさらに悪くさせるなど、負の連鎖を招く可能性が高いです。

どういうときに新人に対してイライラするのか


では、先輩看護師から見て、新人に対してイライラするのはどのようなときなのかを考えてみましょう。

まずは、看護師の職場はストレスが多いというのが大前提です。日々の業務で常に緊張感を持っていなければならないことや、業務量の多さ、医師や患者さんとの関係など、さまざまなストレスがかかるでしょう。そして、ただでさえ忙しいのに、新人指導なんてしている余裕がないということもあげられます。

特に新人の頃は仕事のペースが遅く、先輩看護師に負担をかけることもしばしばあります。たいていの先輩看護師は「新人とはそういうもの」、「自分も新人のときは何もできなかった」と理解していますが、自分のことは棚に上げて「自分の新人の頃はもっとできた」という人もいます。経験年数が多い看護師ほど、新人時代の苦労などを忘れてしまっているので、イライラしやすいかもしれません。

また、単に仕事ができない新人がいじめられやすいのかと思っていたら、一概にはそうではないようです。逆にできがいい新人や、医師から気に入られている・仲が良いといった新人は、嫉妬心からいじめられることもあるようです。いわゆる、若さへの嫉妬でしょう。

いじめられやすい新人看護師の特徴

いじめられやすい新人にはいくつかの特徴があることがわかりました。

あいさつができない
「おはようございます」、「お疲れさまです」などのあいさつだけではなく、何か教えてもらった時には「ありがとうございます」、ミスをしてしまったときには「すみません」。当たり前のことですが、できていない新人も現にいるのです。
やる気が感じられない
予習してくるべき処置を、まったく勉強していない。指導中もメモを取らずに、あとで同じことをいろいろと聞いてくる。処置を覚えたいという意欲が感じられないと、教える側としてもやる気がなくなります。そこまで新人に時間を割いている時間や余裕はありません。
休みが多い
突然の休みが多く、休み明けに勤務を変わってくれた先輩に対して一言もない。礼儀がなっていないと感じることもあります。
仕事が遅い
これは新人なら仕方ない部分もありますが、あきらかに効率が悪い、無駄なことが多いとイライラが増えてきます。
反応が薄い、暗い、おとなしい
新人の中でも、ハキハキと言いたいことを言うタイプより、反応が薄い・暗い・おとなしいタイプの方がいじめの標的になりやすいようです。周りに告げ口をする可能性が低いといった理由からでしょうか。
きれいで若い、仕事ができる
先ほどもあげたように、嫉妬心からいじめられてしまうようです。時には「あの医師と不倫している」など、ありもしないうわさをたてられることも。極端に仕事ができるというのも大変なようです。

実は結構いる?! つわもの新人! 先輩は先輩で、困り果ててる場合も…

がんばれよ☆というと、お前もな☆という新人。

いなくなっちゃう人。あれ? さっきまで此処に居たよね? 何処行った? って探さなきゃなんない人。

先輩看護師のあら探しをする新人。

素直でない人もいやです。聞くから答えると誰だれさんはこう言っただって、、、、、、、、、

うまく血圧測れず泣く、物品を取ってくるように言われて思い出せず泣く、採血を練習させてもらい「痛い」と言われて泣く

出典:こんな新人は嫌だ! | ラウンジ | ナース専科

人として、社会人としての常識とマナーは、しっかり身につけておきましょう。

いじめが起きやすい職場とは

新人やいじめている先輩看護師だけでなく、周りのスタッフ・病棟の雰囲気・主任や師長といった上司にも問題がある場合もあります。というのも、いじめの標的になりそうな新人や気の強い先輩看護師がいても、周知してフォローし、声掛けができていればいじめは続かないからです。

では、いじめが起きやすい職場とはどのようなものかを考えてみましょう。

ルールや方針があいまいな職場

いじめが起きやすい職場の特徴の一つとして、職場の理念や方針、ルールが曖昧であることがあげられます。独自ルールや暗黙の了解といった、マニュアルで整理されていない仕事が多いと、看護師それぞれの経験や考え方が統一されていないことも多いです。

中堅の看護師の転職であれば、そこまで気にならないかもしれません。けれど、右も左もわからない新人にとっては、慣れるまでが余計に大変でしょう。そのため、このような曖昧なルールの中で働く看護師は、残業が増えたり、ストレスを抱え込んだりしやすくなります。

やりがいを感じにくい職場


看護師は、努力しても評価が上がりにくい職業。賞与や昇給、それ以外の面においても、正当な評価を得られないと、やりがいを感じられなくなることもあります。

やりがいが感じられなくなると、仕事に対して一生懸命になるよりも、新人をいじめることで優劣をつけ、自分の存在価値を見出すようなやり方に走ってしまう可能性があります。

そのため、看護師は努力して当たり前という風潮は、少しずつ変えていかなければいけません。ただでさえ辛い仕事なのですから、やりがいやモチベーションを上げるような工夫があるべきです。このままでは、いじめだけでなく、慢性的な看護師不足や定着率の悪さは改善されないでしょう。

上司がワンマンな職場

さらに、上司によっても職場の雰囲気がかなり左右されるでしょう。看護師長や主任、医師が感情的でえこひいきが激しいワンマンタイプだと、下で働くスタッフの人間関係がギスギスし、ストレスが溜まりやすくなります。そして、いじめなどが起こりやすくなるようです。

そのような職場はいじめが起きた時にも、うまくフォローしたり、職場の雰囲気を良くしたりしようとする働きかけがしにくいです。そのため、いじめが慢性的に続くことも考えられます。

いじめを受けてしまったときの対処法

新人のうちは、先輩から怒られたり、注意されたりするのもよくあることです。しかし、中にはまだ経験したこともない、一人立ちしていない処置を一人で任されたり、委員会や病棟イベントの雑用など新人の仕事とは関係ない理不尽な内容であることもあります。その線引きはかなり難しいですが、まずは自分が何について怒られたのか考えてみましょう。

いじめかも? と気付くことから

処置や記録のやり方が間違っていた。優先順位を間違えてしまった。仕事に関する内容で、すぐに原因が思い浮かぶものであれば、理不尽な言いがかりではなく正しい指導であることが多いと思います。しかし、言い方が威圧的・暴力的で、恐怖を感じた場合には少し話が違ってきます。

「いじめかも?」という違和感に、自分ひとりで気づくのは難しいです。一番分かりやすい方法は、他の人に相談することです。

友人や家族に相談する

他の人に相談する方法で一番スムーズなのは、友人や家族への相談です。この場合、「相談相手が同じ職場ではない」ということがポイントになります。まずは、客観的に判断してもらいましょう。

病院で働いていると、「このくらいの厳しい指導は当たり前」という風潮もあります。看護師によっては、甘えているのではないかと思う人もいるかもしれません。そのため、まずは第三者の意見を聞いてみましょう。

重要なのは、実際に自分が取った行動と、先輩看護師の言葉や行動についてといった、事実のみを伝えるということ。自分がどう考えたか、どう思ったかなどの感情的な部分を一緒に話すと、同情されやすくなってしまいます。

そこで「それはいじめだよ」「そのやり方はおかしい」などと指摘してもらえるかもしれませんし、自分が偏った考え方をしていたと気づけるかもしれません。

病院専属のカウンセラーに相談する

大きな病院であれば、専属のカウンセラーが常駐していることもあります。カウンセリング内容は、他のスタッフにはわからないような仕組みになっています。病棟名や職種などの個人情報は言わなくてもいいことが多いので、情報が外部に漏れることはありません。

専門家のカウンセリングを受ければ、いじめにどう対応したらいいか、自分の気持ちのコントロール方法がわかり、気持ちがかなり楽になると思います。

職場で信頼できる先輩や上司に相談する

もし、友人や家族に相談していじめではないかとなった場合。次にすべきことは、信頼できる職場の人への相談です。ここが一番難しく、相談する人を間違えると、すぐにうわさが広がってしまったり、ありもしないうわさを立てられたりする可能性があります。十分に注意しましょう。

一番相談しやすいのはプリセプターではありますが、プリセプターがいじめの加害者であることも。その場合には、その上にあたるシニアプリセプターや主任に相談しましょう。いじめの加害者よりも経験年数や役職が上の人に相談しなければ、問題の先輩に注意することもできません。

しかし、ここで問題なのは、シニアプリセプターや主任、師長も一緒になっている場合も少なからずあります。
その場合には、口が堅く、親身に相談に乗ってくれそうな信頼できる先輩に相談しましょう。

いじめの内容によっては、看護部長や院長まで報告する可能性もでてきます。その結果いじめの加害者が異動になる場合もありますが、その後も同じ病棟で一緒に働くことになるかもしれません。覚悟の上で相談しましょう。

公的機関を利用して解決する場合

長期的にいじめを受けることで、心の病気になって仕事を続けられなくなり、休職することもあります。病院内の相談だけではどうにもならない場合には、公的手段をとることも一つの方法です。

公的機関というと裁判を想像しますが、裁判はいじめを証明できるもの(メモやボイスレコーダー、目撃者など)が必要となり、時間もお金もかかってしまいます。裁判までしなくても、いじめを解決する方法はいくつかあります。

個別労働関係紛争の斡旋制度
労働局総務部企画室、労働局相談コーナーへ相談すると、斡旋員と呼ばれる専任スタッフが当事者双方から事情聴取をしてくれます。そして調整・具体案を提示し、その具体案に双方が合意すれば解決。裁判よりもお互いの負担が少なく済みます。
労働組合
所属している病院の労働組合には、パワハラに関する相談窓口や内部通報制度が置かれています。それらを活用すれば、労働組合が問題解決のために動いてくれるでしょう。流れとしては個別労働関係紛争の斡旋制度と似ていますが、より病院への影響力が強いです。最後の手段としても使えるでしょう。

最後に


このような先輩からのいじめは、看護師だけにとどまらず社会全体でも問題になっています。特に看護師は、業務上厳しい指導を受けやすく、ストレスが溜まりやすい労働環境に置かれています。その分、他の職業よりもいじめがひどくなっていく傾向があるようです。

まずは、自分はどのような内容で怒られているか、それは本当に自分に非があるものなのかをきちんと見極めることが必要です。しかし、社会人に出たばかりの新人には難しいことでしょう。そのようなときのために、プリセプターとよばれる少し上の先輩がいます。

上司のように年が離れてしまうと、「いまどきの新人は」と片付けられてしまうことも少なくなく、経験年数の近いプリセプターだからこそ、より親しみやすく、相談しやすい立場であると思います。まずは、「今日○○先輩からこのように注意されました」と小さなことから報告していくことが大切です。

「こんなこといちいち言わなくても」という出来事でも積もり積もって、いつか爆発してしまうこともあります。まずは自分の状況を伝えてみる、知ってもらうことから始めましょう。どうか自分を責めすぎたり、一人で抱え込んだりしないでください。

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この記事を書いた人:ゆみかおる
看護師10年目。小児科、整形外科病棟、保育園などでの経験あり。
現在はフリーランスとしてクリニック、健診、ツアーナース、医療系ライターとして活動中。
家族構成は父母に妹一人。

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