宮崎県では、近年、急速に高齢化が進み、医療を取り巻く環境が大きく変化していることを踏まえ、医療従事者の確保や地域を支える在宅医療・介護等のサービスが相互に連携して提供される体制の構築が求められています。
在宅医療と介護については、「入院・退院時」「療養生活期」「急変時」「看取り期」のそれぞれの場面に応じて多職種協働による在宅支援のチーム構築を推進しています。入院・退院支援として高齢者保健福祉圏域(8圏域)ごとに「入退院調整ルール」を策定しており、効果の測定や改善を支援し、圏域を超えた連携の推進に努めています。また、今後増加する在宅医療へのニーズに対応するため、県医師会や宮崎大学医学部と連携し、在宅療養支援病院・診療所の拡大や訪問看護、訪問リハビリテーション、ケアマネジメント等、在宅医療・介護を担う人材の育成・確保に努めています。
そのほかにも宮崎県では、県内の病院・診療所、消防機関などをインターネットで結び救急医療や医療機関の情報をインターネット上で提供する総合医療情報システム「みやざき医療ナビ」を運用しています。夜間や休日でも県民がインターネット上から医療情報を得られるだけでなく、病院間の連携が促進され、迅速かつ適切な対応をとることが可能となります。また、県民がいつでも医療相談できるという信頼感・安心感を高めるために、医療相談窓口の資質向上を目指しています。
このように高齢化の対応として、必要な医療関連情報の提供や、良質で適切な医療を受けられる体制を確立させるための取り組みを行っています。
出典:第7次宮崎県医療計画
宮崎県の看護師に対する支援・取り組み
看護師の県内定着を促進するための取り組みとして、卒業したあとも県内の特定施設にて看護師等の業務に従事しようとする方に対して、在学期間中に修学資金を貸与しています。卒業後1年を経過したら修学資金を返還することになりますが、要件を満たした場合は返還が免除されます。
団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、今後の医療を支えるために保健師助産師看護師法の一部改正によって、平成27年10月1日から「特定行為に係る看護師の研修制度」を開始しました。これは診療の補助のうち一定の行為を特定行為と定め、医師等が作成した手順書によって実施する看護師を養成する研修制度です。宮崎県では、この特定行為研修の受講費について、看護人材受入体制強化支援事業として、200床未満の病院などに対して補助を行っています。また特定行為指定研修機関、協力施設が研修を実施するための準備費用や運営費用の一部を補助し、高度なスキルを持つ看護師の育成のできる環境整備を促進しています。
そのほか、看護師の人材確保の促進を図るために、看護職の無料職業紹介事業、eナースセンターの運営、復職のための支援などさまざまな取り組みを行っています。また、今後の社会を支える学生に看護への理解と関心を深めてもらうために、関連機関と連携して看護進路相談会、出前授業や中・高生を対象とした「ふれあい看護体験」などを開催しています。
出典:宮崎県看護師等修学資金
特定行為にかかわる看護師の研修制度