看護師の「退職できない」を円満に解決する方法

辞めたい、職場が怖いんです。と訴えてもアパート(借りてる賃貸が病院の裏です)に教育担当の課長が迎えに来て病棟に連れて行かれます。
今週末にはハッキリと「辞めさせてください。」と伝え最後まで意思を曲げませんでしたが休み明けには仕事に行くことで決まってしまいました。
行けなかったら課長が迎えにくると…もう恐怖しかありません。

よく新人で3ヶ月でやめました。など書き込みをみたりしますが皆さんどうやって退職の意思を伝えているのでしょうか?
全部自分のせいだと理解してます。私が仕事が出来ていればこんなに迷惑もかけなかったし、こんなに苦しい思いもしないで済んだんです。でももう無理です…
出典:皆さんどうやって仕事を辞めたのでしょうか? | ラウンジ | ナース専科 (一部抜粋)

上記はナース専科に投稿された新人ナースの方からの訴えです。

「もう無理!!」「今すぐ辞めたい!」

看護師をしていると、一回ぐらいは、そう思った経験があるのではないでしょうか。しかし、看護師不足の今は、なかなか病院が辞めさせてくれないこともしばしば…。また新人の頃は、「自分が甘いのでは?」「別の職場にいっても、同じことになるかも…」と、なかなか退職に踏み出せないこともあるでしょう。

そこで今回は、円満に退職する方法や、退職後の生活やお金、税金のことなど、退職を考えている看護師の方々にとって、きっと役に立つ情報をまとめてみました!

今すぐ退職したい人も、いつか退職するかもしれない人も是非ご一読下さい!

1. 退職した方がいい?しない方がいい?

退職したいと思っても、その後の仕事への影響などを考えると悩んでしまうものですよね。給与が未払いであるとか、労働基準法違反レベルの超過勤務、体に異常が出るくらい負担がかかる勤務形態を無理強いされる場合などは、無理せず辞めても良さそうですが、新人看護師の方や人間関係で悩まれている方は、自分の我慢がたりないだけなのか、退職せざるを得ない状況なのか判断に迷うこともあると思います。
今の職場を辞めるべきか、耐えるべきかの判断をみんなはどのようにつけているのでしょうか。

新人看護師の場合

日本看護師協会が調べた「新人看護師の離職理由」の1位は「基礎教育終了時点の能力と現場で求める能力とのギャップが大きい」というものでした。覚えることも多い、上手くできない自分がイヤになる、そして先輩も怖い…と、ほとんどの看護師が理想と現実とのギャップに悩まされるものです。

出典:新人看護職員の離職理由 – 厚生労働省

この先も看護師としてやっていきたいと思うのならば、入職後の3年は1つの病院に留まった方が、その後のキャリアも作りやすくなるでしょう。というのも、新人看護師の3年間は、現場経験を通して看護師としての基本と土台を積み上げていく大切な時期だからです。この時期に学ぶべきものを習得していないと、看護師として基本的なことがわかっていない人という判断をされてしまいます。看護師の中途採用を行っている職場では、3年以上の経験を求めているところが多く、次の職場を探すときの選択肢が狭まってしまう可能性があります。

でもそれは、ほとんどの新人看護師がわかっていることだと思います。それでも、「やっぱり無理」という場合は、「自分がこの職場でやれるだけの努力を全てやったかどうか」ということを振り返ってみてください。この時、大切なのは、「他の人がどう思うか」ということは考えずに、自分ととことん向き合ってみることです。退職した後、「あの時、もうちょっと頑張ればよかった」ではなく、「限界までやったから良し!」と思えるようだったら、次の職場にうつっても自信を持って前向きに働くことができるはずです。
また、第二新卒を歓迎している職場もあります。そのような職場は教育体制も整っている場合が多いのが特徴です。

人間関係で悩んでいる場合

【勤務先で人間関係のトラブルありますか?】

出典:勤務先で人間関係のトラブルありますか?:結果 | 投票・アンケート | ナース専科

どこの職場にも相が合わない相手はいるものですが、自分がいじめや悪口の対象であったり、直属の上司にあたる人と折り合いが合わなかったりすると、毎日職場に通うことが苦痛になることもありますよね。「勤務先で人間関係のトラブルはありますか?」というアンケートでも、過半数の看護師の方が「ある」と回答しています。しかし、その一方で、約20%の人が、「以前はあったが今はない」と回答しています。「以前はあったが今はない」と回答している人のコメントを見ると

「就職間もない頃、私のことを良く思っていなかった人がいましたが、今は良き理解者になってくれています」

出典: 勤務先で人間関係のトラブルはありますか? | ナース専科

と、いうように状況は変化していくものなので、もう少し耐えてみるべきと言う人もいるでしょう。しかし、「人間関係VS高収入…ナースはどちらを選ぶ?」という別のアンケートでは70%以上の人が、「人間関係の良い職場のほうを選ぶ」と回答しています。

【人間関係VS高収入…ナースはどちらを選ぶ?】

【和やかだけど安月給な職場を選んだ人のコメント】

人間関係がよくなければ給料高くても続きません。

継続は力なり。続かないと仕事が覚えられないので。

人間関係も悪かったら1年間続けることも困難です。精神的安定はお金に変えられないと思います。

出典: 人間関係VS高収入…ナースはどちらを選ぶ? | ナース専科

給与は働く上でのモチベーションにつながる重要な要素であるにもかかわらず、人間関係を重視する人が多いという結果となりました。看護師の仕事は患者の健康や生死に係わる仕事であるため、「精神的安定はお金に変えられない」というのはもっともですよね。

また、状況の変化を待ってみよう、自分で働きかけて人間関係を良くする努力をしてみようと思う場合は、「1年だけ」「半年だけ」と自分で期限を決めると良いかもしれません。

それでも、耐え難い人間関係のトラブルに悩まされている場合には、思い切って転職してみるのもひとつの手です。他の職種に比べ看護師を求める職場は少なくないので、思ったよりも早く自分と相性のいい職場をできるかもしれません。
人間関係や職場の雰囲気については個人で調べるには限界がありますが、転職コンサルタント(キャリアパートナー)なら、様々な職場に内情に詳しいので、自分に合った職場を探したい時には転職エージェントに相談してみましょう。

2. 基本的な退職手順と注意点

退職する意思が決まったら、その次はいかにスムーズに、そして円滑に退職できるかが鍵になります。退職後、残された同僚や上司に迷惑がかからないようにすることは、もちろんのこと、転職を予定している人なら退職日が想定していた時期とずれてしまったり、入職先に提出するべき必要書類が揃わなかったりということがないように心がけましょう。
退職を申し出る前に、一般的な退職の手順と注意点を確認しておきましょう。

一般的な退職の手順

[手順1] 家族の同意を必ず得る

退職は、生活の基盤となる収入や居住地に大きく係わってくるイベントです。結婚している人はもちろんのこと、独身である場合も、パートナーやご両親など、生活していく上で何かしら共有している人、また経済的に支援や援助、協力などの関係にある人には真っ先に相談するべきです。
ここで忘れてはいけないのが、職場や上司などよりも先に家族に退職の意思を伝えることです。家族の理解が得られないまま、退職に踏み切ってしまうと、結果として精神的にも安定せず、転職先の選定や退職後の生活などにも大きな負担が伴ってきます。実際に、内定後に家族の反対によって入職を断念される方も数多くいらっしゃいます。
退職をよりよい選択であるようにするためにも、家族の同意は不可欠です。

[手順2] 社則をチェック

みなさんが働いているほとんどの職場には社内規定があり、退職に関する規定もそこに記載されています。退職を考えているならば、この「退職に関する規定」を必ずチェックしましょう。退職規定には退職の意思表示から実際の退職日までの期間や、退職金に関する職場独自のルールが記載されています。中には、退職の意思表明から退職までに数ヶ月かかる職場もあるので、退職後の計画を立てる前に、必ずチェックしましょう。
また、規定はあるものの、慣習による退職手順や引継ぎ期間が存在する場合もあります。揉めずに円満退職を目指す場合には、そのような慣習についてもリサーチしておくと安心です。

[手順3] 退職の意思表示

職場に退職の意思表示をする際には、まず、直属の上司に口頭で伝えるのが無難です。また、上司に伝える前に、同僚や親しい先輩などに話してしまうことは、思わぬトラブルの元となるため、避けた方がよいでしょう。

[手順4] 退職スケジュールの決定

退職スケジュールについては、社内の退職規定に準ずることが原則です。「退職日の●ヶ月前に退職の意思を伝えること」などの記述が就業規則に書いてあるのであれば、それに従いましょう。また、退職に関する規定が特にない職場の場合は、退職したい日を上司に伝え、引継ぎなどを考慮しながら相談して決めるのが一般的です。尚、退職日は一般的に月末に設定される場合が多いです。

[手順5] 退職願の作成と提出

退職する日が決まったら、退職願を作成し職場に提出します。職場によっては、専用の用紙が用意されている場合もありますので、その場合は、社内のフォーマットを使用します。
自分で退職願を作る場合は、手書きが基本となりますが、PCで作成したものでもかまわないという職場もありますので、書き方については上司や人事担当に確認した方が確実です。
退職願を提出する際には、白封筒に封入し、表に「退職願」裏に所属部署と名前を明記します。郵送の場合はさらにひとまわり大きい封筒を用意し、白封筒に封入した退職届を入れて送ります。

【退職願と退職届の違い】

退職願
  • 退職について職場と協議する意思を伝えるもの
  • 退職の意思を後から撤回できる
退職届
  • 退職について職場の合意に関係なく確固たる意思をしめすもの
  • 退職の意思を後から撤回できない

上記のように、退職願と退職届は似て非なるものです。円満退職を目指すなら、退職願を提出し、退職日や退職までのスケジュールなどを上司や人事担当と話し合いましょう。

[手順6] 引継ぎ

退職日が決まったら、退職日までにやるべきことなどについて上司に指示を仰ぎましょう。特に後任への引継ぎが必要な場合は、業務の手順やマニュアルなどをしっかり用意しておくことをオススメします。残されるスタッフが困らないようにすることは、社会人としての当然のマナーです。面倒でも「飛ぶ鳥、後を濁さず」の精神で引継ぎには万全を期するようにしましょう。

[手順7] 荷物整理

退職日が近くなったら、荷物の整理を少しずつ始めるとよいでしょう。私物を持ち帰ることは当然のことですが、職場に返却するべきものについて、しっかりと返却することが大切です。特に、職場のセキュリティーに係わるカードキーや、資料などは、いつ誰に返却したのか記録しておくことをオススメします。また、貸与された白衣などは、クリーニングして返すのか、そのまま返すのかなど、職場によって返却方法が違いますので確認しましょう。また、保険証も職場に返却しなければなりません。退職前に残った有給を使うなどの理由から、退職日よりも最終出社日が早い人は注意が必要です。返却する前にコピーをとるなどして、控えを手元に置いておくとよいでしょう。退職から間を空けずに転職する場合、次の職場から求められる場合があります。

【返却物まとめ】
保険証・職員証・備品・資料・カードキー・貸与されている白衣やユニフォームなど

[手順8]必要書類等の受け取り

退職すると元の職場の社会保険から脱退することになります。退職後に加入する国民健康保険や社会保険の手続きなどに必要な書類は、退職する職場から発行されるのもがあります。退職後、慌てないためにもしっかり確認しておきましょう。

(1) 雇用保険被保険者証・雇用保険被保険者離職票
退職後、ハローワークで失業給付金の手続きをするときに必要となります。
また、再就職や転職する際にも、次の職場で求められる場合もありますので、ハローワークで求職をする予定のない人も大切に保管しておきましょう。
尚、雇用保険に入っていない人の場合は対象外です。

(2) 年金手帳
年金加入対象者1人ひとりに一冊ずつ発行されています。入職する際、職場が退職まで預かっている場合が多いので、返却されていない場合は、退職前に返却してもらいましょう。こちらは、国民年金の切り替えや次の職場や、配偶者の年金に切り替えるときに年金手帳に記載された基礎年金番号が必要となります。尚、年金の切り替えは退職後2週間以内にしなければならないので、退職日当日になっても返却されない場合は、早めに返却日を問合わせることをオススメします。万が一、紛失してしまった場合は、再発行の手続きをとる必要があります。再発行の方法は下記を参照してください。

年金手帳を紛失又はき損したとき|日本年金機構

(3) 健康保険資格喪失証明書
国民健康保険や新しい職場で加入するその他の健康保険への切り替え手続きで必要となります。こちらの手続きも退職後2週間以内に行わなければなりません。

(4) 源泉徴収票 → 直ぐ欲しいといえば、対応してもらえるはず!(法律)
転職する際には新しい職場で年末調整をする際に、転職・再就職しない場合も、その後の確定申告などで必要となる場合がありますので、大切に保管しましょう。
原則として、職員が退職した場合、職場は1ヶ月以内に源泉徴収票を発行しなければならない決まりとなっています。

【所得税法 第二百二十六条】

居住者に対し国内において第三十条第一項(退職所得)に規定する退職手当等(第二百条(源泉徴収を要しない退職手当等の支払者)の規定によりその所得税を徴収して納付することを要しないものとされる退職手当等を除く。以下この章において「退職手当等」という。)の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、その年において支払の確定した退職手当等について、その退職手当等の支払を受ける者の各人別に源泉徴収票二通を作成し、その退職の日以後一月以内に、一通を税務署長に提出し、他の一通を退職手当等の支払を受ける者に交付しなければならない。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
参照: 所得税法

もし、勤めていた職場が倒産したり、その他の理由で源泉徴収票が発行してもらえない場合は、税務署で「源泉徴収票の不交付の届出書」を提出し、相談に乗ってもらうことができます。

3. 退職させてもらえない!という場合の対処法

退職の際は3か月前に申し出なければいけないという規定があるのですが、 師長に話があるので時間を作ってほしいといっても、私は話すことはないとか、人数みて考えてからいって等といわれ、退職の話に応じてもらえません。なかなか新人ははいってこず、3ヶ月で退職した子もいるため人数が増えません。退職希望者がたくさんいるため、順番待ちになっています。私も退職して、彼とは遠距離な為、彼の所にいき、結婚したいと考えてるのですが、看護師不足のために退職できないんです。他の病院もこのような状況なのでしょうか?
出典:退職できない | ラウンジ | ナース専科

看護師不足といわれているこの時代、退職したいのに退職させてもらえないという看護師の声を良く耳にします。誰でも円満に退職したいと思うものなのに、なかなかそうはいかない職場も多いようです。社会人のマナーとして職場の退職規定に則し、無理な退職はしないが基本ですが、それは、あくまでも相手が常識的な対応をしてくれる場合に限ること。退職の相談をしてもウヤムヤにされたり、退職願をだしても、ロッカーのなかにもどされていたり、中には「あんたはこの辺りでは二度と就職できないからな」と脅されたというケースもあるようです。

このような、退職意思を取り合ってもらえない場合はどうすればいいのでしょうか。実は、職場の承認を得なくても退職することは可能です。

【民法 第六百二十七条】

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
出典:民法

労働者は雇用主に対し「いつでも解約の申入れをすることができ」、退職届などでその意思を伝えてから「二週間を経過することによって」退職することができます。口頭で退職の意思も伝えても法的には有効ですが、あとから、言った、言わないともめると困るので、退職届を出した方がよいでしょう。また、退職届を上司や職場が受け取ってくれない場合、内容証明付で郵送するという手段もあります。
でも、これは本当に最終的な手段です。「ちょっと引止めがしつこいな…」という程度であれば、結婚、介護、転居など家庭の事情や、次の入職先が決まっているなど、相手が納得せざるを得ないことを退職理由として示すのも1つの手です。ここで、注意しなければならないのは、絶対に、職場環境や待遇への不平や不満を退職理由しないこと。相手に、「改善する」「希望の給与額に引き上げる」「異動させてあげる」と言われてしまったら、「それでも退職したい」とはなかなか言いだせないもの。退職したいという気持ちに揺らぎが無いのであれば、「どうしようもない」事情を話しましょう。

4. 残ってしまった有給は?

上司に退職時の有給消化は認めないと言われています。一生懸命働いたのに悲しいです。どうしたらいいでしょうか?
出典:退職時有給消化 | ラウンジ | ナース専科

姉妹サイトのナース専科には、このような投稿が多く見られます。有給がとりにくいという看護師は少なくなく、実態をみてみても有給を思うように使えていないことが分かります。

出典:有給消化率は、時代とともに増えた?それとも減った? | ナース専科

また、退職前の有給消化についても、

前回、退職した時は有給消化については師長から一方的に決定されました。(7日間有給を流しました)。正直、不満はありましたが円満に退職したかったのでそれについて意見をする事はしませんでした。

去年総合病院を退職しましたが、退職した日は準夜勤でした…。そして、人手不足で有給がつかえず、残り40日分ありましたが全部捨てましたね。最後までこき使われた感じ?ま、辞めてせいせいしましたが(笑)。

出典:退職時の有給の消化について | ラウンジ | ナース専科

というコメントが散見されます。ちなみに、有給が40日未消化であった場合は、60万円以上の損となるようです。
また、管理者の立場からは

人手不足で私は毎月週休も半分しか取れません。スタッフには休みきちんとあげようと思ったら自分が出勤するしかないんですよねー。人手不足なんとかならないですかねぇ…。

スタッフからみると有休付けてくれないのはおかしいと思われるかもしれませんが、人員不足になると7対1とかとってると今後のことにも関わってくるので最低限しか付けることしかできません。

と、有給を消化させてあげたいという気持ちと、人手不足の狭間での苦悩が訴えられています。このようの状況を見ると、円満に退職をしたいと望むなら、有給を捨てるしかないと思う人がいるのも頷けます。
しかし、有給は労働基準法で定められた労働者の権利であり、労働局のサイトにも下記のように記されています。

Q3.退職間際の労働者から、残った年休を退職日までの勤務日に充てたいといわれたら、拒むことはできませんか?
A.
年休は労働者の権利ですから退職間際の年休の申請に対して拒むことはできません。
実際上、退職前の業務の引継ぎなど必要がある場合は、退職日を遅らせてもらうなど、退職する労働者と話し合ったほうがよいでしょう。
出典:東京労働局

どうしても有給を取得させてもらえない場合は、労働監督署に相談してみるのもひとつの手段です。
また、下記の記事にも、あまった有給を使い切るコツが紹介されていますので、是非参考になさってください。

5. 気になるみんなの退職金

退職金の支給は、法で定められているものではなく、それぞれの職場の規定によるものなので、退職金の支給額はもちろん、支給の有無も勤め先によって変わります。
退職金の出る職場では、基準となる金額に勤続年数をかけた金額を支給するところが多いため、1つの職場で長く働いた人ほど、高額になる傾向があります。
ナース専科には、大学病院8年で500万以上と高額なものから、何十年働いても一律10万円の個人病院など、様々な退職金事情が投稿されましたが、勤続5~6年で100万円くらいが一般的な相場のようです。

出典:切実!ナースの退職金事情 | ナース専科

6. 退職後に忘れてはならないこと

退職後は転職活動、結婚・出産などのライフイベントで忙しくなる人も少なくありません。しかし、退職後は、公的給付金の手続きや健康保険の切り替えなど、今後の生活ためにやっておかなければならないことがあります。退職後の開放感を満喫するのは、各種手続きを終えてからにしましょう。
一般的に必要となる手続きは主に、年金の切り替え、健康保険の切り替え、雇用保険に入っていた人は失業保険の受給です。その他、状況によって確定申告や住民税の納付などが必要になる場合もありますので、所管の市役所や区役所、税務署などに問合わせてみましょう。

【住民税・所得税については注意が必要!】
住民税は、前年度の年間所得を元に算出され、一度算出された住民税は年間を通して変わることが無いため、退職後も年度内分の納付が義務付けされています。そのため退職後、無職であっても納付しなくてはなりません。また所得税も、在職中は給与から天引きされ、職場の年末調整で還付金が戻ってくる仕組みになっていましたが、しばらく離職する予定の人は自身で確定申告を行わないと、還付金を受け取ることができなくなってしまいます。
退職後の所得税・住民税については、自己責任で住民税の支払いや手続きを行わなくてはならないという自覚が必要です。

各種手続きの問合せ先
国民年金
健康保険の切り替え
住民税について
所管の市役所や区役所
失業保険の受給について 所管のハローワーク
所得税・確定申告について 所管の税務署

 
【離職時等の看護師協会への届出】

しばらく仕事をしない人や看護職以外の仕事をする人は、看護師協会へ離職したことを届け出ましょう。

2014年6月の医療介護総合確保推進法成立に伴い、「看護師等の人材確保の促進に関する法律(人確法)」の改正が2015年10月に施行されました。施行後、看護職は離職時などに住所、氏名、免許番号などの事項を都道府県ナースセンターへ届け出ることが努力義務化されました。また、届け出の方法については個人で届け出るだけでなく、離職時の勤務先(病院、介護施設など)が離職者の同意を得て代行し届け出ることもできます。
離職時などに届け出た看護職の方へ都道府県ナースセンターが離職等の状況に合わせた支援を行うことで、看護職としての切れ目のないキャリアを積むことができるよう支援を行います。
出典: 離職時等の届出制度| 日本看護協会

離職時等の届出については、あくまでも努力義務であり、強制ではありませんが、今は「看護師なんてコリゴリ」とおもって辞めた人でも、将来、また看護師に戻りたいと思う可能性がないとは限りません。看護師協会に離職したことを届け出ることで、看護師協会とのつながりを立つことなく、いざという時に、復職やスキルアップなどを支援してもらうことができます。

7. 退職後、失業中の公的給付金について

退職後、しばらく仕事をしない人は、失業中の生活費のことが気になりますよね。「しっかり貯金をしているのから大丈夫!」という人もいるとは思いますが、すこしでもお金に余裕が出ると、この先色々と安心です。そこで、活用したいのが、失業保険に代表される公的給付金です!ここでは、失業時に受け取ることのできる主な公的給付金と、受給の条件などご紹介したいと思います。雇用保険に入っていなかった人でも、受給できる給付金もありますので、要チェックですよ!

【知ってた?退職時、失業時に受け取れる公的給付金】

(1) 失業保険

前の職場で雇用保険に6か月以上加入かつ1か月の出勤日数が14日以上で、働く意欲があり、就職活動をしているのに就業先が決まらないに受給資格が発生します。また、妊娠や出産、病気など、直ぐに働けないという状態であっても、受給対象となる場合がありますので、自己判断で諦めたりせず、ハローワークに確認してみましょう。
受給できる金額や受給期間など、失業保険についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も参照してみてくださいね

【失業保険に関する記事一覧】

 
(2) 失業保険受給資格者が利用できるその他の公的給付金

失業保険は主に、離職した日の直前の6か月、毎月決まって職場から支払われた金額を元に、年齢や就業期間などから算出した基本手当を受給額の主軸としています。しかし、雇用保険に加入し受給資格のある人は、基本手当以外にも、より積極的に再就職しようという意思のある場合の支援や病気などで働けない人のための救済措置とも言える手当がつくことがあります。下記に状況によって付帯される手当を記載しましたので、是非ご参考になさってください。

技能習得手当 技能習得手当は公共職業訓練等を受けるための条件を整え、公共職業訓練によって習得した技術を活かした再就職を促すための制度です。離職中、積極的に公共職業訓練等を受ける意思があり、定められている条件を満たせば基本手当とは別に、技能習得手当を受給することができます。
寄宿手当 遠方で行われる公共職業訓練等を受けるために、家族と別居し訓練所近隣に寄宿する必要がある場合、一定の条件を満たせば、月額10,700円の寄宿手当が需給できる制度です。尚、家族と別居して寄宿していた日数のみが支給対象となりますので、受講期間中、家族と同居している日がある場合や、支給対象とならない日がある場合は日割りで減額されます。
傷病手当 ハローワークに求職の申込みをした後、病気や怪我のために15日以上引き続いて就業できない状態にある場合、一定の条件を満たせば、失業保険の基本給付に代わるものとして傷病手当を受給することができます。
高年齢求職者給付金 65歳以上の方に支給される給付金です。短期雇用特例被保険者や日雇労働被保険者ではないこと等の一定条件を満たせば、雇用保険に加入していた期間をもとに算出された、基本手当日額の30日分又は50日分に相当する給付金を受給することができます。

ハローワーク – 基本手当について

その他、失業保険受給期間中に安定した仕事について場合に支給される「再就職手当」や受給期間中にパート・アルバイトなどで就業し、一定条件を満たした場合に支給される「就業手当」、ハローワークからの紹介による遠方での面接などで、かかる交通費や宿泊費を支援する「広域求職活動費」、ハローワークからの紹介で就業する際に引越しが必要な場合に支給される「移転費」などがあります。

失業保険の受給資格がある方は、その他にも対象となる制度等があるかもしれませんので、ハローワークの窓口に相談してみることをオススメします。

 
(3) 失業保険がもらえない人にも、別の公的給付金があります!

職場の事情や、非常勤などの働き方などの理由から、雇用保険に加入していなかった人や、加入期間や就業期間が足りず失業保険が受給できなかった人もいると思います。
そういう方は「求職者支援制度」を利用してみてはいかがでしょうか?

【求職者支援制度とは】

失業保険を受給できない人でも、受講者本人の収入や世帯収入、資産要件などの一定の支給要件を満たした上で、求職者支援訓練を受講する場合は、給付金を受給することができます。求職者支援制度は、職業訓練の受講期間中、生活を安定させ訓練を受講しやすくするための制度となっており、訓練が無料受講できるだけではなく、ハローワークによる就職支援を受けることができます。
出典: 求職者支援制度のご案内 |厚生労働省(一部抜粋)

もちろん、失業保険を受給した人も受給期間終了後に利用することができます。新しいスキルを身につけながら、給付金を受け取ることができます。また、求職者支援制度を利用している人は、状況によって寄宿手当の対象となる場合もあります。

「求職者支援制度」を活用して「公的職業訓練」を受けるために、家族と別居して、訓練所近くに寄宿する必要が場合、一定条件を満たせば月に10,700円の「寄宿手当」を受給することができます。
出典:求職者支援制度に寄宿手当ができました!

各種手当の受給条件などについては、1人ひとりの状況によって判断が異なってきますので、詳しくはハローワークに相談してみましょう。

8. 転職を考えている人へのアドバイス

【転職がすでに決まっている方へ】
退職時には、すでに次の職場が決まっているという方もいると思いますが、退職する職場に転職先を伝えることで、同僚の反感を買ってしまったり、思わぬトラブルに発展してしまったりすることもあります。上司に次の就業先を聞かれる場合もありますが、基本的に退職者が元の職場に対し、転職先を伝える義務はありませんので、明言は避けた方がよいでしょう。
但し、国立病院機構の病院から、同機構内の病院に転職するなどの場合、転職ではなく、異動扱いとして、勤続年収を引き継げるように配慮してもらえる場合もあります。転職先が、そのような制度の対象となるか、就業規則などを確認してみることをオススメします。

【これから転職先を探される方へ】
転職先を探す際に、一番気になるのが給与という方が多くいらっしゃいます。誰でも、転職先医には前の職場よりも良い給与をもらいたいと思うものですよね。実際に面接や、転職支援会社のコンサルタント(キャリアパートナー)から、必ず希望年収や給与を聞かれると思います。

ここで注意したいのが、手取り額と年収・給与の違いです。「希望年収」を聞かれたときに前職で銀行に振り込まれた金額を伝えてしまうと思わぬ損をすることになってしまいます。

年収は、1年間分の月給と賞与、各種手当を合算した支給金額になります。

(年収)=(月給) × (12ヶ月分)+(賞与)+(各種手当の合計)

 
実は上記の「月給」や「賞与」は「額面」と呼ばれるもので、「額面」には、社会保険や年金、雇用保険、所得税や住民税といった、支給時に天引きされる金額も含まれています。口座に振り込まれる金額は月給から、天引きされている金額を差し引いたものになり、「手取り額」と呼びます。

そのため、「希望年収」を聞かれたときに、振込み額だけで計算したものを回答してしまうと、そこから天引き分を差し引かれた金額しか受け取れないという事態になってしまいます。これから転職する人は、額面年収と、年間の手取り額の合計に、どのくらいの差が有るのかなど、確認しておくようにしましょう。
ちなみに、求人票などに書かれている「月給」や「賞与」の金額は「額面」での表記であることが一般的ですので、手取り金額はそれよりも低くなります。

気になる求人で、実際どのくらいの手取り額がもらえるのか知りたい方は、ナース人材バンクのキャリアパートナーにお問合せ下さい。また、ナース人材バンクでは、希望される条件や手取り額にそった求人や、円満な退職に向けてのサポートも行っておりますので、退職される前のご相談も歓迎しております!


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