看護師の平均年収は?男女や地域・年齢からキャリア別の給料事情

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看護師の年収は地域や性別、働く施設の規模といった条件によって変化します。今回は看護師の平均年収とその内訳にキャリアパスによる給与の変化から医療・福祉業界から他業種の年収までをそれぞれ比較しながら解説します。

看護師の平均年収を解説。条件別に比較する給料事情

世間では看護師は高給与だといわれることがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。現場では、あまりそのような実感は湧かないかもしれません。病院や施設などで働いていると、資格手当や夜勤手当がついているので、年収としては高く感じそうです。しかし、看護師の業務量やその責任の重さから、給与が少ないと感じ、他の職種に比べても本当に高いのか、それとも低いのか、いまの自分の給与が相場と比べてどうなのかもよくわからないことがあるかもしれません。実際に看護師の平均年収と、医療・福祉業界、その他さまざまな業界の年収を比較してみましょう。

看護師の平均的な年収の推移

過去10年にわたる、全国の看護師全体の平均年収の推移です。

年収
2020年 492万円
2019年 483万円
2018年 480万円
2017年 478万円
2016年 481万円
2015年 478万円
2014年 473万円
2013年 472万円
2012年 471万円
2011年 475万円

これらは基本給以外にも夜勤手当や残業代、通勤手当、年間賞与などを含んだ総額で手取り額ではありません。こうしてみると、徐々に年収はあがりつつ、この10年では約17万円近くあがっています。大学卒の看護師が増えていることが関係しているかもしれません。なかでも2019年~2020年では10万円近く上がっていることがわかります。新型コロナウイルスによる感染拡大の影響で病院経営が赤字となり、賞与カットなどがあったにもかかわらず、増えているこの状況。コロナ禍の影響で業務のしわ寄せや、コロナ病棟やワクチン接種などの求人では人材確保のために高時給・高給与の待遇であったため、それらが影響しているかもしれません。

看護師の平均年収は約492万円で中央値の年収は479万円

令和2年賃金構造基本統計調査によると、看護師の平均年収は4,918,300円(平均年齢41.2歳、勤続年数8.9年)です。しかしデータの分布の中央にあたる中央値としては、少し年収額は下がり4,797,700円(平均年齢42.6歳、勤続年数8.8年)となっています。

大卒と高卒+3年課程新卒の給料の差は?内訳を解説

2020年の賃金構造基本統計調査では、看護師の平均年収は約492万円であることがわかりました。その内訳は、2020年病院看護実態調査によると、以下の通りです。

 

2020年度の新卒看護師の初任給、平均基本給与額
平均基本給与額 平均税込給与総額
高卒+3年課程新卒 202,289円 262,277円
大卒 208,918円 270,292円
勤続10年・非管理職 244,587円 318,916円

参考:看護職の仕事と給与の特徴(日本看護協会)

※税込給与総額には通勤手当や住宅手当、家族手当、夜勤手当を含みます。時間外手当や新型コロナウイルスに係る危険手当等は除きます。

基本給は職場によっても大きく変わってくるところです。看護師は最終学歴により、平均して6,000円程度、基本給に差があります。勤続10年の非管理職で基本給は35,000円程度あがっているため、1年で3,500円程度、昇給する計算となります。

 

平日に行う夜勤に支払われる1回あたりの平均手当額
手当 平均手当額
準夜勤手当(三交代) 4,154円
深夜勤手当(三交代) 5,122円
夜勤手当(二交代) 11,286円

参考: 2020年 病院看護実態調査 (5)夜勤手当 p.19(日本看護協会)

例として、三交代で月に4回ずつ準夜勤と深夜勤をした場合(計8回)は37,104円、二交代で月に4回夜勤をした場合は45,144円の夜勤手当となります。年間にすると約45~54万円の夜勤手当という計算です。看護師の年収の内訳としては、この夜勤手当の割合は大きいものです。

 

残業代(時間外手当)
月平均超過勤務時間は4.4時間
例)超勤1時間2,500円計算で、およそ月1~1.2万円の残業代

業務前の準備や片付けなどは前残業、後残業として、研修なども業務とみなされるようになり、時間外手当を付ける必要があります。しかし、知らずにサービス残業している場合や、職場によっては残業代をきちんとつけられるところばかりではないため、どこまで正確に申請されているかは疑問が残るところです。実際の残業時間については、ブラックボックス化されやすい部分です。

 

賞与(ボーナス)
年間平均賞与は85万円

年俸制ではないところでは、基本的に夏と冬に賞与が出ます。年間平均賞与からみて、夏と冬それぞれで約40~45万円(基本給の2か月分前後)が支給されるイメージです。国公立病院など職場の母体によっては、賞与は夏と冬だけではなく、3月頃には業績に応じて支給される決算賞与(または臨時賞与、年度末手当、特別賞与などともいう)もあります。毎年同じ額がもらえるとは限りませんが、年収にも大きく影響してきそうです。

 

キャリア選択で変わる看護師の平均年収

日本看護協会が紹介する賃金体系モデル例(複線型人事制度と等級制度による賃金体系モデル)では、専門職群(ジェネラリスト)と管理・監督職群(マネジメント)、高度専門看護師群(スペシャリスト)と分けたうえで等級制度を組み合わせ、個々の看護師が担っている役割や専門性による貢献に応じて賃金を決定する仕組みです。

しかし、等級や人事制度の方針は施設によってさまざまで、看護師の賃金が頭打ちになるといわれるのは、実際には国家公務員の看護職員に適用される医療職俸給表(三)の影響により、師長以上にならないと昇格しない仕組みが影響していることもひとつの理由です。特に看護部の人数規模に対してもポスト数が少なく、主任や師長になったことで管理職手当がついても、夜勤の回数が減る、残業代がつかないことにより、給与が大して変わらないという声もあります。

 

看護師が年収1000万円を目指すには

2012年『病院勤務の看護職の賃金に関する調査』によると、看護部長相当職(専任)のうち平均基本給月額は42万7,573円でした。次いで副看護部長相当職は40万5,373円で、看護師長相当職は37万949円、副看護師長相当職は35万882円、主任相当職は32万7,143円でした。また、管理職ではなく、認定・専門看護師などの専門性を生かした業務役割を持つ専門職は32万5,692円でした。副院長相当職の基本給月額の平均は、専任の副院長相当職が65万5,071円、看護部長兼任の副院長相当職が平均52万6,212円となっています。

イメージとして、看護部長相当職の平均基本給を40万円とし、月の手当を5万円、賞与を4か月分とした場合、単純計算で年収は720万円となります。また、副院長相当職を例として、平均基本給を65万とし、月の手当を5万円、賞与を4か月分とした場合、単純計算で年収は1,120万円となります。こうしてみると、看護部長クラスでも年収1,000万円越えは簡単ではないことがわかります。

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地域別の看護師の平均年収ランキング

順位 都道府県 平均年収
1位 青森県 540,5万円
2位 岐阜県 530,4万円
3位 神奈川県 521,8万円
4位 東京都 519,1万円
5位 埼玉県 516,0万円
6位 秋田県 515,4万円
7位 富山県 515,3万円
8位 静岡県 513,9万円
9位 石川県 513,3万円
10位 愛知県 510,4万円
11位 京都府 506,8万円
12位 福井県 504,6万円
13位 茨城県 504,5万円
14位 徳島県 504,3万円
15位 奈良県 504,2万円
16位 山梨県 501,9万円
17位 兵庫県 501,2万円
18位 大阪府 498,4万円
19位 鳥取県 496,7万円
20位 栃木県 496,6万円
21位 千葉県 496,5万円
22位 和歌山県 495,6万円
23位 宮城県 495,5万円
24位 滋賀県 495,3万円
25位 広島県 493,6万円
26位 山口県 492,0万円
27位 新潟県 490,1万円
28位 北海道 485,5万円
29位 長崎県 482,3万円
30位 島根県 476,4万円
31位 長野県 476,2万円
32位 三重県 473,8万円
33位 香川県 468,1万円
34位 岩手県 466,6万円
35位 福岡県 463,3万円
36位 山形県 460,0万円
37位 岡山県 458,7万円
38位 福島県 457,1万円
39位 宮崎県 454,9万円
40位 沖縄県 453,8万円
41位 佐賀県 451,1万円
42位 群馬県 445,6万円
43位 愛媛県 444,3万円
44位 鹿児島県 444,0万円
45位 高知県 440,7万円
46位 熊本県 424,4万円
47位 大分県 405,0万円

参考資料:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

都道府県別の年収ランキングは毎年変わりますが、上位にあがるのは首都圏や大阪、愛知などの都市部が多く、四国や九州地方は低い傾向があることがわかります。1位の青森と47位の大分では、135万円程度も差があり、月では11,000円程度の差になります。

看護師の全国で統計をした平均給与に関してはこちらも参照ください。
看護師の平均給与(ナース人材バンク調べ)

20代の年収は?年代別・男女別の看護師の平均年収

年齢 男性 女性
20~24歳 349万円 352万円
25~29歳 418万円 404万円
30~34歳 451万円 421万円
35~39歳 466万円 442万円
40~44歳 492万円 469万円
50~54歳 566万円 517万円
55~59歳 545万円 533万円
60~64歳 521万円 462万円
65~69歳 390万円 404万円
70歳~ 457万円 374万円

全体では男性看護師の平均年収は約506万円、女性看護師は約490万円となっています。男性看護師のほうが16万円ほど高いことがわかりますが、女性は出産や子育てなどで働き方を変える人が少なくないことや、男性は夜勤を多くしたり、家族手当などがついたりすることが影響しているのではないかと考えられます。20代は約350万円ほど。そこから年収のピークを迎えるのは男性は50~54歳で年収が566万円。女性は55~59歳が533万円となっています。

施設規模別の看護師の平均年収

職員10~99人 職員100~999人 職員1000人~
456万円(平均年齢46.6歳) 479,7万円(平均年齢42.6歳) 521,5万円(平均年齢37.3歳)

参考資料:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

総合病院や大学病院などの施設規模が大きいほど、年収が高い傾向にあることがわかっています。看護師は規模が大きい施設から転職をして、規模が小さいところへ移る傾向があるためか、施設規模が小さくなるほど、平均年齢は高くなる傾向があるのではないかと考えられます。

条件別の看護師の平均年収

 

経験年数別の平均年収
経験年数 男性 女性
0年 307万円 310万円
1~4年 400万円 397万円
5~9年 456万円 426万円
10~14年 490万円 450万円
15年~ 540万円 508万円

参考資料:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

経験年数4年頃までは年収における男女差はほとんどありませんが、経験年数5年目以降になると、年収に差が出てきます。これは結婚や出産、子育てなどにより、日勤のみの勤務になったり、非常勤に切り替わったりと働き方が変わることなどが考えられます。


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看護師と他職種の平均年収を比較

 

看護師と近い職種と年収比較
職種 男性 女性
看護師 506万円 490万円
准看護師 429万円 411万円
看護補助者 329万円 309万円
保健師 476万円
助産師 570万円

参考資料:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

保健師は看護師の資格とダブル受験で取得可能ですが、企業や自治体などで働くこととなると夜勤がないため、その分年収は看護師より低めとなっています。反対に助産師は看護師の資格と1年以上の助産師教育課程を修了する必要があるため、ベースの給与は高めであることがわかります。

看護師と他業界の平均年収を比較

全職種の平均年収 全職種(女性) 看護師
487,3万円 381,9万円 492万円

参考資料:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

 

国家資格が必要な職業で比較
職種 平均年収
航空機操縦士 1,725万円
大学教授 1,440万円
公認会計士・税理士 958万円
小・中学校教員 714万円
高等学校教員 681万円
航空機客室乗務員 526万円
保育士 375万円
販売店員 347万円
理容師・美容師 330万円

他業界の職種と比べると、看護師の年収は平均より少し高めであることがわかります。これまでのデータでは平均より少し低めではありましたが、2020年はやや上回る結果となりました。女性の職種のなかではこれまでのデータをみても100万円以上高いことがわかります。また、国家資格が必要な職業のなかでは、決して看護師は高給与ではないこともわかります。さらに業界別に平均年収をみていきましょう。

 

業界別 女性
業界 平均年収
情報通信業 315,5万円
教育、学習支援業 306,9万円
学術研究、専門・技術サービス業 301,4万円
金融業、保険業 281,4万円
医療、福祉 263,0万円
建設業 251,2万円
卸売業、小売業 236,0万円
サービス業(他に分類されないもの) 228,5万円
生活関連サービス業、娯楽業 225,1万円
運輸業、郵便業 223,3万円
製造業 222,7万円
宿泊業、飲食サービス業 208,9万円

参考資料:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

 

業界別 男性
業界 平均年収
金融業、保険業 479,2万円
教育、学習支援業 429,4万円
学術研究、専門・技術サービス業 420,9万円
情報通信業 405,0万円
医療、福祉 354,5万円
卸売業、小売業 346,1万円
建設業 345,5万円
製造業 321,8万円
生活関連サービス業、娯楽業 300,7万円
運輸業、郵便業 285,3万円
サービス業(他に分類されないもの) 283,5万円
宿泊業、飲食サービス業 278,2万円

参考資料: 厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

男女別にみても、医療・福祉業界としての賃金水準は特別高いことはなく、真ん中あたりであることがわかります。

看護師の平均年収を医療・福祉業界で比較

 

医療従事者と比較
職種 平均年収
医師 1,440万円
歯科医師 788万円
薬剤師 565万円
診療放射線技師 549万円
臨床検査技師 493万円
看護師 492万円
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 419万円
介護支援専門員(ケアマネジャー) 399万円
栄養士 374万円
介護職員 360万円
歯科衛生士 356万円

参考資料: 厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」

医療・福祉業界の職種のなかでは、医師が飛びぬけて年収が高いことに対し、歯科医師、薬剤師、診療放射線技師に次いで、看護師は臨床検査技師と同じくらいの年収であることがわかります。医師と歯科医師、薬剤師は大学で6年間の教育を受ける必要があるため、給与が高いのは頷けます。

看護師の年収は地域や環境によって大きく異なるため、よく検討しよう

看護師の年収は地域や働く環境によって大きく異なることがわかりました。全体的にみても看護師の給与は全体平均よりやや高めではありますが、それは夜勤手当や残業手当が含まれてのこと。地域格差や手当に頼り、基本給が少ないという傾向があることは理解しておきましょう。自分のいまの給与や待遇がどの程度であるのかの指標として、転職の際には参考にしてみてください。

【参考】

  1. 令和2年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)
  2. 看護職の仕事と給与の特徴(日本看護協会)
  3. 2020年 病院看護実態調査(日本看護協会)
  4. (5) 主な産業別にみた賃金(厚生労働省)
  5. 2 短時間労働者の賃金(厚生労働省)


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白石弓夏
この記事を書いた人:白石弓夏
1986年千葉県生まれ。2008年に看護専門学校卒業、看護師免許取得。10年以上病院やクリニック、施設等で勤務。2017年よりライターとして活動。現在は非常勤として整形外科病棟でも勤務中。2020年11月には9人の看護師にインタビューした著書『 Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~(メディカ出版)』を発売。

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