【男性看護師と結婚したナースが語る】彼の年収・将来性・今後のキャリア事情は?

結婚して実感した「男性看護師ならではの事情」

看護師である夫と結婚してもうすぐ3年。私と夫はそれぞれ別の病院に勤務していますが、夫を通して「男性看護師は女性看護師とはまた少し違う、さまざまな悩みがあるんだ」ということを日々実感しています。

そこで今回は、妻であり看護師でもある私が感じる「男性看護師ならではのさまざまな事情」について、お話ししていこうと思います。

1. 男性看護師の「年収」事情

結婚し、二人で家庭を築いていくにあたって、大切なことの一つに「経済面はどうするか」という問題があります。

当時、夫と私は同じ職場に勤めていた同期同士だったので、お互いだいたいどれくらいの年収があるかは把握していました。

私は結婚後、家庭をある程度優先したいので、急性期病院を辞め介護施設でパートをすると決めていました。経済面については、夫の収入をメインにしていくことになります。

後から知ったのですが、このとき夫としては「今後のためにも、年収を上げることはできないか」と考えていたそうです。

そして、たまたま参加した同窓会をきっかけに、衝撃的な事実を知ってしまうのでした。

男性看護師は年齢を重ねても、給料が上がらない!?

同窓会で久々に会った仲間たちと飲んでいた時のこと。一人が「正直、今の収入に満足している?」と聞いてきたそうです。

周囲が「まぁまぁ満足かな」「マイホーム買っちゃったから、いくらあっても足りない」と話す中、共通していたのが「これからの昇給に期待している」という点でした。

夫としては、年齢を重ねるごとに大きく昇給している実感はありませんでした。そのため、これからの昇給に期待する、という気持ちも全くなく、「他の職種では、そんなに昇給できるものなのか?」とびっくりしたそうです。

実際に、平成28年度に行われた厚生労働省の調査によると、男性の平均賃金は50代をピークとして上昇を続けます。
一方、男性看護師の平均賃金のピークは40代であり、その伸び率も男性全体の平均賃金に比べると、非常にゆるやかとなっています。

このように、男性看護師の賃金は男性全体の賃金に比べると「あまり昇給を期待できない職種である」ということがいえるのです。

参考:厚生労働省 平成28年度 賃金構造基本統計調査

将来、家族を養っていけるのか不安に

また、こんなデータもあります。
日本看護協会が調査した結果によると、看護師の平均年収は非管理者で481万円です。
この金額だけを聞くと、「看護師は年収が高い!」と思いがちですが、大手転職サイトが発表した「職業別年収ランキング」に当てはめてみると、順位は86位中40位という結果でした。

厚生労働省の調査によると、男女平等が叫ばれている昨今においても、性別による賃金の差は未だに大きくなっています。
「看護師は給料がよい」と世間一般には言われていますが、それはあくまで「女性の職業としては」であり、決して「職業全体で見ても給料がよい」とは言えないのです。

今まで漠然と「看護師は給料がいいって言われているから、家族を養うくらい問題ない」と考えていた夫ですが、「男性としては、看護師は決して賃金の良い職業ではない」という事実を知り、将来がすごく不安になってしまったのです。

参考:日本看護協会 2012年 病院勤務の看護師の賃金に関する調査報告書
DODA「平均年収ランキング 2016」

年収を上げるには夜勤しかない?

男性看護師は、給料は他職種に就いている男性と比べて決して良いとはいえない。この衝撃的な事実を知ってしまった夫。

そんな中どうすれば家族の大黒柱として収入を上げることができるかを考えた結果、たどり着いたのが「夜勤を積極的に行う」ということでした。

夜勤を一回でも多く行うことで、年収そのものを上げようと考えたのです。特に休日や大型連休時には自ら手を挙げて夜勤に入っていたため、連休に夫婦でそれぞれの実家に帰省する、なんてことは皆無でした。

たまには休みを合わせてどこか旅行に行きたい、と思ったこともありましたが、収入が下がってしまうのも困ってしまうので、黙っていました。

しかし目いっぱい夜勤を行う日々を過ごした結果、夫は体調を崩してしまい、数日間の入院が必要となってしまいました。

このように、男性看護師が仕事量を増やすことで年収を上げようすると、無理がたたって心身を壊してしまう怖さを、強く感じました。

2. 男性看護師の「将来性」事情

30代も半ばになってくると、将来のことがいろいろと気になってきます。子供はいつ作るか、家は買うべきか、それとも賃貸でいくか……。

それと同時に、「看護師として今後どうしていくか」ということも少しずつ考えてくる頃です。それは女性に限らず、男性看護師である夫にとっても同様でした。

男性看護師は出世しにくい??

看護師としての出世とは、まずは役職に就くことが考えられます。では実際に、男性看護師の出世事情はどうなっているのでしょうか?

日本看護協会にて男女別の役職の割合について調査したデータはありませんが、複数の男性看護師の声を集めてみると、意外なことがわかってきました。

それは、「男性看護師が出世するかどうかは、上司にある人がいるかどうかによって大きく左右される」ということです。

職場に男性看護師が役職についているかどうかがカギ

医療の現場は、一般的な社会に比べて時代遅れと言われることも多い職場です。古い風習をいつまでも残しているという職場も少なくありません。そうした看護の職場において、「前例がない」というのはとてもネックです。

そのため、過去に役職についた男性看護師がいない場合、新たに男性看護師が役職に就くのは、すでに役職についた男性看護師がいる職場に比べて難しくなってしまっています。

夫の場合も、当時男性看護師で役職に就いた人がいなかったため、同期の中では一番遅く役職に就きました。評価はいつも高かったのですが、師長や部長からは「男性が役職に就くとなにかと気を使うから、もう少し今の現場で頑張ってね」と言われていたそうです。

夫以外にも、「同期に比べて役職に就くのが遅かった」と話す男性看護師は多いようです。
以前より男性看護師の割合が比較的高い精神科や整形外科といった診療科ではまた事情が違ってきますが、一般的に男性看護師が役職に就く場合には、「前例があるかどうか」を確認しておくとよいでしょう。

男性看護師が多く在籍している職場は将来性もあり?

男性看護師は看護師全体の約6%というデータがあるように、まだまだ男性の割合が低い看護師業界。その中で、男性看護師が将来性を見出しやすい職場の条件として挙げられるのが、「男性看護師が多く在籍している職場」です。

男性看護師が多く在籍しているということは、それだけ男性看護師に対する理解もあるということ。実際に出世にしやすい環境である可能性も高くなります。

夫の知り合いの男性看護師に話を聞くと、男性看護師が多く在籍している病院へ転職したら、仕事がしやすくなり、福利厚生も充実していた、という意見もあったほどです。

3. 男性看護師の「将来のキャリア」事情

今まで男性看護師のさまざまな事情についてお話ししてきましたが、男性看護師として将来のキャリア像はどのように描いていくべきなのでしょうか?

男性看護師として働き続けるためには、女性とはまた少し違った視点が必要になってくるんです。

男性看護師として「生涯働ける職場」を見つける

女性の場合、結婚・出産・子育てなどによって、仕事を変える必要が出てきます。一方、男性看護師の多くはそういった必要はないため、一か所の病院に長く勤めがちとなっています。

しかし、勤めている中で給料がなかなか上がらない、人間関係が悪いなど、さまざまな問題も出てくるでしょう。

そういった時、確認したいのが「今の職場は本当に生涯働ける場所なのか」という点です。
今はいいとしても、3年先・5年先・10年先も、今と同じ条件で働けるとは限りません。

家庭を持ったり、子供が生まれたりしたら、もっと収入を増やす必要もある一方で、今まで通り夜勤を増やしたり、休日や大型連休に連続して勤務するのも難しくなってきます。

そういったことも踏まえ、今の職場が本当に「生涯働ける職場」なのかを考える必要があります。

男性看護師が役職に就くと給料が下がる!?

「看護師は役職に就くと給料が下がってしまう」という話を聞いたことがありませんか?

実際に役職についたある男性看護師は、役職に就く前は夜勤や休日出勤を積極的に引き受け、同じく看護師である奥さんに比べ、常に給料は高い状態でした。

しかし、役職に就くと、病棟を管理する業務がメインとなってしまい、夜勤回数は大幅に減ってしまいました。その上役職に就くと残業手当がつかなくなり、役職手当も微々たるもの。結果として、給料が下がってしまいました。

彼は、なるべく使わずにいた有給を年度末に買い取ってもらい、ぎりぎり奥さんの給料よりは高い給料を維持していたそうです。

このような、役職に就いたことでかえって給料が減ってしまうという現象は、まさに夜勤手当で給料額が大きく変動してしまう看護師ならではといっていいでしょう。

男性看護師だからこそ、看護師+αの資格を目指そう!

役職に就くとむしろ給料が下がってしまうことがある。では、確実に給料を上げるためにはどういったことが必要なのでしょうか?

それはずばり、「看護師に+αできる資格を取得する」ことです。

専門学校・短大卒の場合は、通信などで看護大学卒業の資格を取得することで、「3年過程」よりも数万円高い「大卒」の給与が計算されます。

他にも、自分が今まで経験した診療科に応じて取得できる資格を探し、その資格を取得することで、その診療科のスペシャリストになれます。

そうすれば、仕事にやりがいが生まれますし、転職をする際にも「この資格を取得しています」アピールでき、採用率が上がり、ひいては希望の診療科に配属されやすくなります。

実際に私自身の転職時には、認知症ケア専門士の資格を取得していたことが役立ちました。介護施設のパートとして、ほぼ希望通りの条件で働けています。

職場に対して希望がある場合には、資格を取得するというのも一つの方法なのです。

男性看護師に対して理解のある職場に転職を検討する

今まで、男性看護師としてのキャリアや将来像などをご紹介してきました。ここで再度検討したいのが、「今の職場は本当に生涯働ける環境なのか」という点です。

男性看護師が女性看護師と同等に扱ってもらっているか、昇給は確実にできるか、自分の希望通りの働き方ができているか。

これらを総合的に判断して、もし自分の中で疑問に感じる点がある場合。ぜひおすすめしたいのが、「転職サイトで自分の希望通りの職場があるかどうか、相談してみる」ということです。

転職サイトでは、自分の希望を伝えるだけで、あなたに代わって希望通りの職場を探してくれます。「相談したら絶対に転職しなくてはいけない」ということではありませんし、相談料金も発生しません。

もし自分の希望に沿っていない、やっぱり今の職場でしばらく頑張ってみようと思った場合には、紹介を断ることも可能です。

そして、もし転職すると決めた場合には、面接日や見学日などをセッティングしてくれるだけでなく、履歴書の書き方や現職のスムーズな退職方法などの相談にも乗ってくれるんです。

転職によって収入と休日数がUPした夫の場合

かくいう私の夫も、転職によって収入と休日数をUPさせた男性看護師の一人です。

それまでは地域の二次救急で主任として働いていましたが、役職に就いたことで夜勤回数は少なくなり、残業代も出なくなってしまいました。

夫は患者さんと触れ合うことが何よりのやりがいだったことと、年収に対して不安を感じており、「このままこの病院で働き続けていいだろうか」と不安だったそうです。

そこで「今以上にいい条件の職場があるかどうか探してみたい」という軽い気持ちで転職サイトに登録してみたのです。そうしたら、取得していた「認知症ケア専門士」の資格が生かせる、認知症をメインに治療している、精神科の単科病院を紹介されました。

それまで精神科の経験はありませんでした。けれど、給与の額がUP、男性看護師も多く在籍している、何より月10日の休みに有給消化率100%。経済的にも精神的にも前職に比べて良い条件であるとわかり、転職を決めました。

そして現在、夫は職場の補助を受けて、認知症の認定看護師の資格取得を目指し勉強中です。

転職をきっかけに、さらなるキャリアアップができたこと、そして家族の時間が増えたことを、とても嬉しく思っています。

男性看護師としてさらに活躍するために、あなたも一度、転職サイトへ相談されてみることをお勧めします!

この記事を書いた人:りこママ
看護師、地方糖尿病療養指導士の資格を生かし、2014年よりライター業を開始。
看護系以外にも経験を活かし、育児、病気、介護など、幅広い分野の執筆を手掛けている。
ライター業の傍ら、0歳と1歳の年子、犬二匹、夫(医療従事者)1人の世話にも追われる日々。

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