看護師って大変!? 壮絶な現場を経験した私がそれでも看護師を続けている理由

看護師としてある程度経験を積んできましたが、今まで壮絶な場面に遭遇して、自分の看護観が変わったり、看護師を辞めたいと思ったりしたことが何度かありました。今回は、看護師として働くなかで、これは辛かったなと思う壮絶な現場についてご紹介していきたいと思います。

1.常に緊張感を保っていなければならない現場

急性期の病棟に限らず、現場では常に神経をとがらせて、異変がないか、何かあってもすぐに対応できるような態勢でいることが多いです。

新人の頃はなかなかその感覚がわからず、ただ先輩や医師に怒られないように、おびえながら仕事していた記憶があります。看護師ならば、誰でもこの現場に入ってからのギャップという壁にぶち当たるのではないでしょうか。

インシデントが続き看護師を辞めてしまった同期

緊張感が続く現場で、心が折れてしまう同期もいました。もともと気持ちの優しい子で、仕事も丁寧にやっているイメージでした。

しかし、一度点滴量のインシデントを起こしてしまい、そのショックから仕事を1週間ほど休んでしまったのです。私や先輩も心配で様子を見に行きましたが、その後復帰しても上の空。今までのように関わりを持とうとしても、笑顔も表情も全くなかったのです。

それから少しして、その同期は2回目のミスをしてしまいました。インシデント手前で先輩が気づいたのですが、そのミスを期に同期は仕事に来なくなりました。

私にもインシデントがなかったわけではありません。すごく落ち込んで、食事がのどを通らないこともありました。しかしきちんと反省し、今後繰り返さないよう工夫をして、少しずつ乗り越えていきました。

プリセプターの先輩や上司が、私を責めるようなことは特にありませんでした。周りのサポートがとても重要だと、今になってよく思います。あの時、同期にもう少し声を掛けて、話を聞いてあげていれば、また違った結果になったのではないかと後悔することもあります。

新人だけとは限らず、中堅看護師にもインシデントを起こしてしまう可能性は大いにあります。むしろ、経験を積んでからのインシデントの方がショックは大きいかもしれません。

こうしたインシデントが原因で、神経をすり減らしてしまう看護師も少なからずいました。

【インシデント実例】

暴れる患者さんのルート取った時、気を回した介助スタッフが接続をしようとして、針ボックスに入れるタイミングと重なり刺してしまった。

導尿の定期時間を忘れていた

抗生剤投与忘れ

出典:仕事を抱え込んでしまい、ミス連発。そこで私がとった対策は… | ナース専科

患者さんの小さな変化に気づけるか

私が看護師になって4~5年経ち、後輩も何人かでき、ある程度一人で仕事ができるようになったときのことです。退院調整をしているような、落ち着いた状態の患者さんがいました。1か月ほど入院していたのですが、いつもにこにこ穏やかな患者さんでした。

しかし、ある時受け持ちとして朝の挨拶に行くと、患者さんが目を閉じて横になっています。いつもなら元気よく挨拶してくれるのに、どうしたのだろう? と思いました。

「○○さん!」と声をかけると、薄っすら目を開けるものの、ぼんやりしてどこか目の焦点が合わない様子でした。何かおかしいと気づき、すぐにナースコールで応援を呼びました。いろいろと調べてみると、実は軽い脳梗塞を起こしていたことがわかりました。

こうした「何かおかしい」という看護師の勘は、偶然気づくものではありません。常に患者さんの特徴や生活パターンなどを把握し、小さな変化も見逃さずに拾っていかなければいけないと思います。

しかし、同時に常に気を張っていなければいけない状況になり、看護師の疲労やストレスになるともいえるかもしれません。

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2.医療職種との人間関係

看護師は、女性中心の職場。女性特有の人間関係作りの大変さ、嫌な先輩がいるなどの悩みを持つ人も多いもの。時には、仕事にまで影響するような事態に発展することもあります。人間関係のトラブルと看護師の悩みは、切っても切れない関係のようです。

毎年のように新人いびりをする先輩看護師

新人の頃は覚えることが多く、仕事も思うようにできないことが多いので、先輩から注意を受けたり、怒られたりすることも多かったと思います。しかし、中には度を超えたものもあります。

難しい処置は、一度で覚えきれないことも多いです。それを確認したり、もう一度指導をお願いすると、「なんでできないの?」と怒られたり、ひどいときには「看護師に向いていない」と人格を否定されることもありました。

私が2年目になると、今度は新しく入ってきた後輩に対して行われるようになりました。指導や注意が逆効果になることもあるようで、上司にとっても悩みの種だったそうです。このように日ごろのストレスを後輩にあたる先輩は、どこにでもいるような気がします。

若い看護師に当たりが強い中堅医師

若い看護師はまだスムーズに仕事が行えないことも多く、医師をイラつかせてしまうこともあります。特に処置の介助についているときなどは、先輩のようにテキパキ動けないことも多いです。

そのようなときに、「早くしろよ」「何やってんだよ、先輩呼んで来い」と怒鳴られたり、足蹴りされたりすることもありました。今となっては、その中堅医師もバタバタして余裕がなかったのだと思います。けれど、当時は先輩に怒られることよりもショックで、その医師の指示を仰ぐときなどは冷や汗が出るほど緊張していました。

このように、怖いのは看護師だけではなく、医師である場合もあります。医師と看護師は特に日ごろから関わる機会も多いので、悩みもさまざまあるようです。

【看護師の声 苦手な医師】

気管切開やIVH挿入の時など簡単な介助をするんですが、ドクターによって手技手順は違うし、気を遣います。正直、見ていてイライラするドクターもいるし、オペ室勤務なんてとんでもないな…と思いますww

仲良くなった医者ならいいけど、医者によっては気分屋な人や、小さい声でボソボソ何言ってるか聞こえにくい人、物品を準備していて待たせている時の威圧感…。
そしてわたしも小心者だし、勉強不足、不器用、要領悪いしで、怒られるんじゃないかとビクビクして緊張するし焦る…。だから苦手です!

お互いに緊張していて、その緊張感がつらい。とにかく、心の中では”早く終われ!!”と願うばかりです。でも、下手な先生に当たると、30分も1時間もかかったりして…もはや、緊張感よりも変なドキドキ感がするくらいになります。笑

出典:私、実は…〇〇が苦手なんです!!~対人物編~ | ナース専科

職種間の人間関係の問題

友人が、介護施設の看護師として働き始めた頃の話です。看護師は一人で、普段は介護士などのスタッフがケアにあたっているようなところでした。

そこには経験豊富なベテラン介護士が何人かいて、友人が「○○さんの水分はトロミにした方がいい」などとアドバイスをしても全く聞く耳を持とうとせず、自分勝手に判断して処置することが続いたそうです。

施設長である上司に相談してもなかなか改善されず、しまいにはその介護士との関係が苦痛になり、友人は介護施設を辞めてしまいました。

このように、違う職種との関係性はデリケートな部分も多いもの。お互いに歩み寄っていく必要がありますが、なかなか難しいようです。

3.困った患者さん

病院などで働いていると、看護師同士や医師との関係と同じくらい、患者さんとの関係に悩むことがあります。患者さんは病気で入院しているからと頭で思っていても、それが受け入れられないような理不尽な出来事も多いものです。

なんでもクレームをする患者さん

高齢者が多い病棟には、頑固な方も入院されることがあります。ある時、些細なことでもクレームをつける高齢の患者さんがいました。

クレームの内容は「食事のお茶がぬるい」「ナースコールを呼んでもすぐに来ない」「入浴時間を早くしてくれ」「なんでトイレに便座拭きがないのか」「退院させろ」など、多種多様です。

中にはもっともなこともあるのですが、こうしたことで毎回看護師や師長を呼び出し、説教をしていました。

いわゆる対応注意な患者さんということで、看護師間でも問題にはなっていました。医師に相談しても、医師の前では大人しいので、なかなか理解してもらえませんでした。

若い看護師の中には、クレームを受けてショックで泣いてしまった看護師もいました。看護師と医師とで態度が変わるこのような患者さんは、なかなか難しいものです。

認知症・不穏の患者さん

高齢者病棟には、認知症や不穏患者さんが多いです。注意しても、その数分後には忘れてしまうので気を抜くことができません。

大事な点滴やドレーン類を抜かれないよう、固定の仕方を工夫したりしますが、最悪の場合には抑制で対応することもあります。しかしそれでもすり抜けてしまい、ドレーン類を抜かれてしまうと、時にはストレスを感じることもあるのではないでしょうか。

また、昼夜逆転してしまい、夜に大声をあげたり、衣服を脱いで裸で廊下をうろうろしたりすることもあります。

さまざまな制御がきかないことが認知症や不穏患者さんの特徴ではありますが、対応が人それぞれ違うこともあり、かなり神経を使う場面です。

患者さんだけではない、困った家族

困った行動は、患者さんだけではない場合もあります。患者さんは特に問題ないのに、家族が過敏になってしまい、いろいろな要求をしてくることがあります。

中には転院させたくないからと、患者さんを誤嚥性肺炎にするために、無理やり食事や水分を取らせた家族もいました。こうしたトラブルはすぐに判断するのが難しく、さらに逆上されてしまうケースもあるので、対応が難しい部分でもあります。

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4.患者さんがつらい状況のなかで看護するとき

病棟で勤務していると、患者さんの死やつらい闘病生活と関わることも多いでしょう。そんなときに患者さんからきつく当たられると、どう言葉を返したらいいのかわからないこともあります。こうした状況は、看護師にさまざまな心の変化が起こる場面であると思います。

患者さんの死と向きあう

診療科によっては、患者さんが亡くなることも少なくないと思います。看護学校時代には終末期医療の実習や勉強をしましたし、実習中に亡くなってしまった患者さんも見てきました。

しかし、自分の目の前で患者さんが息を引き取ることや、その家族への対応といった一連の流れを、学生時代に経験することはほとんどありません。そのため、初めて自分の担当した患者さんをおみとりしたときには、この上なく心が締め付けられました。

時に、家族の前で泣いていいのだろうか、もう少しできることはなかったのだろうかと葛藤することもあります。

特に年齢が若い患者さんほど、家族は最後の希望まで捨てずにいるもの。看護師や医師に泣きついて「どうにかしてほしい」と訴えてくることもありました。看護師として自分ができることの少なさや未熟さを痛感し、落ち込むことも多かったです。

【泣く=プロ失格?】

沢山の思いが溢れてのことですよね?その亡くなられた方の家族であったら、泣いてくださる看護師さんがいても嬉しいと思います。

患者さんのご家族から『こんなばーちゃんになっても家族以外に泣いてくれる人がいる。ありがとう』と言われたことが印象に残っています。もし自分の身内が亡くなったとしても、看護師さんが涙して下さったら、大切に看ていただいたんだなと感じると思います。

恩師に「熱い心と冷たい頭」が大切と言われたことがあります。ご遺族となる方々への配慮や、その時間、頑張っている他の患者さんへのケアに責任を持たなくてはならないのも、また私たちです。泣きながら、でも心を奮い立たせて…私たちはその繰り返しなのでしょうね。だからこそ、このように共感できる場があることは大切なのだと思います。

出典:同じ職場の方を看取りました。 | ラウンジ | ナース専科

重度の障害を負った患者さん

患者さんの死と同様に、つらい状況は他にもあります。

たとえば不慮の事故で下半身不随になってしまった患者さん。介助がないと日常生活さえままならない状況で自暴自棄になり、「もう死にたい」「死ぬことさえも自分でできない」が口癖に。検査や食事、面会なども拒否して、全く手が付けられないようなこともありました。

こうした状況のなかで、どのように患者さんと関わっていくか、患者さんが現状を受け入れるためにどう手助けしていくかなど、答えが出ない葛藤が続きます。いつも「本当にこれが正しいのか」と自問自答しながら関わることも少なくありません。

5.自分のやりたい看護との差があるとき

私が最初に働いていたところでは、医師がとても親身になって患者さん家族へ接していて、看護師に対してもとても丁寧な対応をしてくれました。小さなことでもやり方に疑問があれば、看護師長にすぐに相談し、みんなで対応を変えていくという雰囲気がありました。

しかし、転職をした後の病院ではまるで雰囲気が違いました。私がいつも寝たきりの患者さんに対し、もう少しリハビリで車いすに乗るなどの時間を作った方がいいのではないかという提案をしたときです。
「この人は認知症がひどくて、車いすに座ったら暴れて大変だから寝かせている」というのです。それはまるで「看護師の都合」で患者さんが寝たきりにされていると感じました。

どうにかしたくて、他のスタッフの賛同をもらうために必死でした。すると担当のリハビリスタッフが、リハビリの時間であれば、車いすに乗っても注意して観察することができると、少しずつ車いすへの移乗を増やしていくことができました。

こうした上司や病院の考え方や雰囲気によって、自分の看護の幅を狭めてしまうことはとてもつらいことです。

6.それでも看護師を続けている理由

以上のように、看護師は壮絶な現場で働いています。これ以上につらいことや悲しいこともたくさんあるでしょう。しかしそれでも看護師を続けている人には、さまざまな理由があると思います。

大変なことも喜びも人一倍
患者さんと関わる機会が多いのは、看護師です。そのため大変なことも多いですが、治療で病状が回復し、元気になって退院してくれることが一番のやりがいではないかと思います。

患者さんから「ありがとう」と感謝されることも多く、看護師をしていて良かったとモチベーションが上がる瞬間です。看護師によってやりがいや喜びの場面は違うと思いますが、自分のやりがいを見つけることが仕事をする上で大切なことだと思います。

経験を積んで苦難を乗り越えるたびに、自信がついてくる
看護師を目指したきっかけはそれぞれ違いますが、大変な学校生活、新人時代のつらい経験があったからこそ、今の自分があると強く思います。

失敗して泣いたこともたくさんありました。しかしそれでも看護師としてやってこられたのは、周りの看護師やスタッフと共に乗り越えてきたから。つらいのは私だけではないと気づき、一緒に奮闘してくれる仲間がいることが一番大きいと思います。

私自身、看護師は知識や技術が身につけば一人前とスキルにこだわることもありましたが、看護師にとって大切な部分は「患者さんに寄り添うことができるか」にあると思います。しかし、今まで大変だった経験を糧に前向きに頑張れるか、後ろ向きで後悔ばかりになってしまうかによって、自分の看護の厚みは変わってしまうでしょう。

私は周りのサポートもありましたが、大変なこともあったからこそ、初心にかえることができ、患者さんに対してより親身に接することができると思っています。

大切なのは、一人で抱え込まないで人に相談する・頼るということ。そして、自分が看護をする上で大事にしているものを忘れずに頑張ってほしいと思います。
辞めたいと思ったときやなにか壁にぶち当たったときは、自分を変える・成長させるチャンスでもあります。勇気を出して、自分の看護観を見つめ直してみましょう!

この記事を書いた人:ゆみかおる
看護師10年目。小児科、整形外科病棟、保育園などでの経験あり。
現在はフリーランスとしてクリニック、健診、ツアーナース、医療系ライターとして活動中。
家族構成は父母に妹一人。

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