看護師研修やセミナーでスキルアップできる?院内研修と院外研修の違いは?特定行為研修制度とは?

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1年間に、院外セミナーに何回くらい参加していますか?

出典:1年間に、院外セミナーに何回くらい参加していますか?:結果 | 投票・アンケート | ナース専科

看護師として病院で働いていると、せっかくの休日に研修に参加しなければならないなんて…とがっかりすることもありますよね。特に若いうちは、研修やセミナーに参加する意味って何だろう? と考える人がいるかもしれません。

でも、それは非常にもったいないことです。研修やセミナーは看護師がスキルアップできる貴重な機会。復職をしたいと考えている看護師に向けたセミナーもあります。研修やセミナーってどうも面倒、と思っている若手看護師さんに向けて、どのような研修やセミナーに参加すればよいか、どんな魅力があるのかについて、紹介します。

1. 興味のある看護師研修やセミナーに参加する


あなたが看護師を続けている理由は何ですか? 看護師の仕事はしんどい、きつい、など色々あると思いますが、やっぱり仕事が「好き」だからではないですか?

人は楽しい、好き、と思う分野であれば、少々の苦労は乗り越えられます。興味があれば、必要なことをどんどん吸収して成長していけるものですが、興味のない分野ではなかなか進歩しないものです。

研修やセミナーでも同じです。看護の分野は幅が広いので、興味のない分野のセミナーに行っても苦痛なだけです。また、一度そのような研修にあたってしまうと、「研修とはつまらないもの」という思い込みができてしまいます。

ある程度、病棟での経験を積んで、研修の機会が出てきた時には、どのようなことなら進んで勉強してみたいか、日ごろから少し考えておくといいでしょう。そして、機会があれば、看護師長や先輩看護師など経験の豊富な人に自分の興味のある分野について話しておくと、研修がある時に、声をかけてもらえます。せっかく行くなら興味のある分野のセミナーに行きましょう。そうすると講義内容が比較的にスムーズに頭に入ってきます。

2. 自分のレベルにあった看護師研修に参加する

最近では、クリニカルラダー、キャリアラダーという、看護師のスキルをレベルに分けて考える医療機関が増えてきています。ラダーとは英語でladder「はしご」という意味で、1段、2段、3段とはしごを上るように、スキルアップをしていくイメージをするためと思われます。

研修も同じで、自分に合ったレベルの研修に参加することはとても大切なことです。新人で、まだ先輩の助けが必要なレベルなのに、ベテラン看護師が参加する研修に参加しても、苦痛なのは安易に想像できますよね。

しかし、クリニカルラダーとはまだ新しい試みのため、ラダーの区分け内容については統一されておらず、医療機関によって異なっているのが現状です。2016年には看護師協会版のクリニカルラダーが発表されているので、将来的には統一されていくでしょう。今のところは、研修の内容を見て、それが自分に合ったレベルかを確認する必要がありそうです。

3. 目的を持って看護師研修に参加する

自分で選んで研修に参加する場合は、自分で参加費用を払うのですから、しっかりとした目的をもって参加する看護師がほとんどだと思います。しかし、場合によっては半強制的に病棟の代表として研修に参加をしなければいけないこともあるでしょう。

特に若い世代は、そのような研修が面倒に感じるかもしれませんが、どちらにしても参加しなければならないのなら、有意義なものにしなければ、研修時間が無駄になります。事前に研修の目的をきちんと理解をして、どのような内容が予定されているのかを見ておく必要があります。

そこから、研修ではどのような話があるのかを想像してみましょう。疑問や質問があればメモしておくと、研修によって答えやヒントがわかるかもしれません。事前に少し準備をしたり、研修の目的を頭に入れたりしておくだけで、研修内容がよりスムーズに理解できるものです。研修の時間が無駄にならず、楽しいものにもなることもありますよ。

4. 看護師の院内研修と院外研修の違いとは?

看護師の研修にも病院内で行われる研修と病院外で行われる研修があります。それぞれについて、どのように考えればよいでしょうか。

まず、病院内で行われる研修の多くは、新人や経験の浅い看護師に向けたものになります。または、病院内で共有しておきたい院内感染や事故などについての研修でしょう。どちらにしても、若い看護師には魅力的な内容には感じにくいかもしれません。しかし、その病院で看護師として仕事をする以上は、理解をしておかなければいけない内容であるはずです。

一方で、院外で行われる研修は、基本的に強制ではありません。興味がある看護師だけが参加する形になっているので、看護師の興味をひく研修であり、内容も吟味されているはずです。費用を自己負担して、休日に参加をする看護師がほとんどですから、支払った金額や費やした時間に見合うだけの見返りを求めます。だからこそ参加をためらう、不安なる気持ちもよくわかります。

まずはそれぞれの研修の特徴を理解して、未知への恐怖はなくしておきましょう。

セミナー参加に対して不安に思うこと、参加をためらうことは何ですか?

グループワークがあると躊躇してしまう。

演習やディベート・ディスカッションのある、参加型のセミナーは、人見知りなので嫌いです。

講師への不安はないけど、お金の事が一番。不安っていうより、その月の経済的負担がきつい。田舎だから交通費もバカにはならないし。

場所が遠い、値段も高い、内容が自分で理解できるか、勤務上無理がある。

子供が心配(保育園から連絡があったら?)。地元でやってくれない

出典: セミナー参加に対して不安に思うこと、参加をためらうことは何ですか?:結果 | 投票・アンケート | ナース専科

5. 看護師に向けた院外研修セミナーで習得できるスキルとは?


看護師に人気の高い研修というと、やはり「すぐにでも使えるスキルが習得できる!」ということに尽きるのではないでしょうか。

受講できる研修にはさまざまあります。心電図、救急看護、小児看護、化学療法、褥瘡についてなど、多数あります。そのような看護ケアに直結するものから、コミュニケーション能力やメンタルケアに関することなど看護師以外の人にも役立つような研修まであります。

自分の興味のある研修内容を選べば、明日にでも活かせるスキルを習得できるでしょう。

参加費用については、高く感じるか、安く感じるかは、個人差があります。仕事に直結するスキルを習得できる可能性が高いので、研修後には仕事がより気持ちよく行え、スムーズに業務をこなせるようになると考えられます。仕事のモチベーションを維持することにもつながるでしょう。

もちろん、看護師向けの研修セミナーに参加しなくても、本を開いて自分で勉強し、スキルアップを図ることも可能です。しかし研修では、ポイントを押さえて効率よくスキルが習得できるように工夫されていることが多いので、時間を有効に使いたい看護師にはおすすめです。

6. 看護師研修セミナーの後のレポートが大変?

病棟や病院を代表して研修や学会に参加した場合は、参加費用は病院が負担してくれます。しかし、院内又は病棟内で研修内容を発表したり、レポートにまとめて提出したりすることが求められるケースも多いでしょう。面倒だと思うかもしれませんが、研修で学んだことを復習し、活かすには実は一番の方法なのです。

ただ研修で講義を受けるより、研修後に内容を振り返って復習をする方が、はるかに習得できることは多いでしょう。と、頭ではわかっていても、簡単ではありませんよね。なかなか進んでできる人はいませんが、レポートの提出などがあれば、復習ができると喜ぶべきです。

よいレポートに仕上げるコツは、研修から時間を空けずにレポートを書くことです。研修や学会に行ったその日にまとめてしまうのがベスト。後で作成しようと思っても、記憶は曖昧になってしまいます。聞いた、勉強になった、気づいたことは何でもその日のうちに書き残しておきましょう。その作業の中で、改めて疑問がでてきたら、印をつけて後で調べるようにします。

とにかく、研修や学会で得た知識はその日のうちにまとめてしまうのがポイント。きれいに、レポートとして整えるのは、翌日や数日後でも問題ありません。

一度、復習をすると、かなりの内容が脳に残るので、発表がある人は特にこの方法をおすすめします。

7. 違う病院に勤める看護師と情報交換するには研修がぴったり

研修やセミナーの大きなメリットはスキルの習得だけではありません。研修の内容によっては、全国から看護師が集まります。中には看護師だけでなく、他の医療関係者が集まっていることもありますが、多くは看護師に向けたものです。集まっているのは100%看護師だとすると、絶好の意見交換の場であると思いませんか?

研修内容に沿ったものから、病院のアプローチの違いなどを話してみると、面白いことに気がつくかもしれません。一生涯を一つの病院で勤めあげる人もいますが、違う病院のシステムを知ることは非常に勉強になります。看護師としての視野も広がるものです。

研修やセミナーは他の病院の情報が得られるいい機会なのです。気が合う人が見つかれば、研修内容に限らず、さまざまなことに関して生の看護師の声を聴けることになります。

看護師として働いていると、さまざまな悩みがあるのは当然です。それらの解決につながるような情報を得られるかもしれません。転職を迷っている人は、なかなか職場では相談できずに一人で抱え込んでしまいがちですが、第三者の貴重な意見に背中を押されるかもしれません。

研修やセミナーは違う病院に勤める看護師の集まりです。セミナーの休憩時間を利用して、積極的に看護師仲間の輪を広げてみるのも仕事のメリットとなりますよ。

8. 看護師のための特定行為研修制度とは?

高齢化に伴い、患者さんのニーズも大きく変わってきています。個々のニーズに合わせた医療を的確に提供するために、新たに「特定行為研修制度」が、国の制度として厚生労働省から指示のあった医療機関で行われています。

この研修制度を修了した看護師は、医師の手順書をもとに特定行為をしても良いことになっています。具体的には、人工呼吸器の設定の変更や離脱、気管支カニューレの交換、ペースメーカーの調整、ドレーンチューブの抜去、IVHの除去、褥瘡や慢性創傷における壊死組織の除去、インスリン投与量の調整などです。医師に手順書を記入してもらう必要がありますが、現場では、患者さんを待たせずにスピーディにケアが行えるメリットがあります。

詳しい研修内容については、受講する医療機関によって異なるので、それぞれに問い合わせをする必要があります。医療機関によってはeラーニングで受講できる所もあります。

研修を修了すると修了証明書は発行されますが、特に資格が得られる制度ではありません。ただし、医療を受ける側から見ても研修を受けた看護師とわかるような配慮をすることが望ましいとされています。訪問看護や在宅医療の分野などでは特に重宝されそうです。

9. 看護師研修セミナーは現役看護師だけのものじゃない

看護師をいったんお休みしているという人、実はとても多いのです。働いているときには1、2年ゆっくり休みたいと考えているのに、いざ休んでみると、看護の仕事が恋しくなる人も少なくありません。そのように、少しお休みしている看護師にも研修やセミナーは有効です。

研修費用は全額自分で負担することになりますが、自分への投資だと思ってみてはいかがでしょうか。勤務表を調整してもらう必要がないので、参加してみたい! と思うセミナーに参加するのはあなた次第です。

研修やセミナーを通してさらに自分なりに学習を深めることも可能です。現役で働いていると、なかなか思うように時間が作れないという悩みがあるかもしれません。せっかく現役から離れているのですから、お休みしている時にしかできないことをしてみるのも研修やセミナーを有効に使う方法です。

10. 復職者対象の看護師研修セミナーについて

もちろん、現役の看護師が参加するセミナーに参加して、最先端のケアの知識を習得することも楽しいでしょう。しかし、実際にいざ復職をするとなると、まず気になるのが、看護技術かもしれません。5年、10年とブランクがあると、医療器具も以前のものとは変わっていることが予測されます。年々改良されて、良いものが導入されていますから、できれば事前にアップデートしておきたいですよね。

復職者向けの研修やセミナーも看護協会をはじめ、多くの医療機関で実施されています。自分の経験によって、不安な分野やブランクがあっても自信のある分野は違ってくるでしょう。そのため、研修内容を見て、自分のニーズを満たしてくれそうなセミナーを探しましょう。1日で終了するものもあれば、数日かけて行うものもあります。現在は看護師が不足しているので、参加費用が無料である場合もあります。

基本的に医療業界全体として看護師が不足しているので、医療機関はブランクのある看護師を再度、活躍させたいと考えています。したがって、研修内容も充実していることが期待できます。案ずるより産むがやすし! 少しでも復帰したいという気持ちがあるなら、まずは参加してみることをおすすめします。

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この記事を書いた人:マーシー
日本でナースとして働き、長年の夢であったオーストラリア移住を夫婦で果たす。
オーストラリアで3人の子供を出産し、今はライターとして、健康記事や美容記事を中心に執筆活動中。

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