看護師のリーダー業務が辛い時の解決策3選。メンバーが求める理想像は?

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リーダー業務を任されたにも関わらず、うまくいかずに「辛い」、または「自分にはできない」と悩む看護師に向けた解決方法を解説。リーダーに求められる役割やスキル、マネジメント方法を理解してリーダーシップを身につけましょう。

看護師のリーダー業務とは

看護師のリーダー業務とは、病棟全体の業務が効率的に行われるよう取りまとめるチームマネジメントの業務を指します。一般的には3〜4年目からリーダー業務を担当するケースが多く、病院によっては2年目から任されることもあります。

また、夜勤と日勤で段階的にリーダー業務を任される場合もあります。2年目から夜勤リーダー・3年目になってから日勤リーダー、あるいは3年目に日勤リーダーに慣れて4年目で夜勤リーダーというケースも珍しくありません。

看護師のリーダー業務に関する4つの役割

看護師のリーダー業務には大きく4つの役割があります。具体的な役割と仕事内容を理解して、リーダーシップを発揮しましょう。

役割1:タスクの割り振りなど病棟の取りまとめ

  • 各看護師の受け持ち決め
  • 入院・手術・検査・処置などの緊急対応・担当決め
  • インシデント・アクシデント対応
  • 急変対応
  • クレーム対応

チーム内の各看護師の実力や負担を考慮し、担当患者やタスクを割り振ります。状態が悪化しやすい患者やケアの必要量が多い患者を中心にメンバーのスキルや業務量とのバランスを鑑みて適切にタスクを配分することが重要です。

緊急対応に備えるためにメンバーの状況はこまめに確認しましょう。インシデント・アクシデントや急変が発生した際の指示出しも取りまとめ役としての業務のひとつです。

役割2:他病棟や他職種との調整

  • 医師から看護師へ指示追加や変更の連絡対応
  • 看護師から医師へ指示を求める場合の連絡対応
  • ベッドコントロールが必要な場合の連絡調整
  • 手術や検査など他部署との時間調整対応

自分の所属する病棟と他病棟や他職種をつなぐ調整役としての役割も求められます。リーダー看護師はその日のチームの代表として、スケジュール調整や医師への報連相などを担当します。

ベッドコントロールや検査の時間調整のように交渉が必要な場面があれば、相手側の事情も考慮しながら病棟側の理由も的確に伝え、双方の業務に支障がないよう適切にコミュニケーションをとることが大切です。

役割3:後輩看護師の指導

  • 個人が達成すべき目標を設定する
  • 目標を達成するための具体的なプランを立てる
  • 目標の進捗状況を定期的にフォローする

リーダー看護師は、プリセプターと協働しながら後輩看護師の指導役も担います。後輩看護師は日々目の前の業務をこなすことが精一杯で、看護師としての目標を見失うことがあります。リーダー看護師として、定期的に目標設定やその進捗について話し合う場を設けるようにしましょう。

目標が明確になることで、リーダー看護師自身もサポートがしやすくなります。後輩看護師が目標意識を持って仕事に取り組むことができると、病棟メンバー全体のモチベーションやスキルアップにもつながるでしょう。

役割4:メンバーのサポート

  • メンバーが多忙なときのタスク調整
  • 業務が予定通りに進行しないメンバーのフォロー
  • インシデント発生時のフォロー
  • 患者・家族からのクレーム対応フォロー
  • 緊急対応のフォロー

リーダー看護師には、メンバーが困ったときのサポートという役割もあります。一人ひとりの進捗状況を確認し、その日のタスクのなかで見直すべきことや分担すべきことを検討・相談します。

また、新人や若手看護師の中には困っていても自分から相談できない人もいます。メンバーの様子に注意を払い、こまめに声をかけるように意識することが大切です。メンバーの精神面での支えになることで、チーム全体がポジティブに日々の業務を進められるでしょう。

看護師のリーダー業務に求められる5つのスキル

看護師のリーダー業務には、多くのスキルが求められます。ここでは、リーダーに求められる主な5つのスキルについてチェックしていきましょう。

スキル1:医療・看護技術の知識

メンバーへ適切な指示や緊急時の判断、患者の安全確保のためには看護の基礎知識は欠かせません。後輩やチームメンバーの指導にもあたるため、常に知識をアップデートする必要があります。

看護協会では、疾患やケアに関するものからチーム業務のあり方まで、リーダー向けの研修も多く行われているので積極的に活用しましょう。なお、知識向上のためには勉強会に参加してインプットするだけでなく、わからないことをその場で調べて解決するというリサーチ力も求められます。

スキル2:広い視野での観察力

リーダー看護師は、自分ひとりの担当業務をこなすだけでなく、チームが効率的に業務を進められるようにメンバーをまとめながら他部署・他職種と連携する必要があります。各看護師の力量や伸びしろに見合った割り振りや、他部署と相互に納得のいく落としどころを見極められるよう、広い視野を持って周囲を観察することが重要です。

スキル3:アセスメント能力

チームで担当する全患者の情報を把握し、各患者にどのようなケアが必要なのか、アセスメントするスキルも欠かせません。チームカンファレンスにおいても、どの患者の看護計画を優先的に見直すべきかを分析してチームに共有しましょう。自分一人だけでなく、チームメンバーの意見やアセスメント結果を取り入れることも大切です。

スキル4:コミュニケーション能力

リーダー看護師は、チームへの情報共有や他部署との連携、後輩看護師への指導など、コミュニケーションの多い役割です。自分の意見を的確に伝える力や、相手の意見を傾聴して話を引き出すなどのコミュニケーション能力も磨くとよいでしょう。

スキル5:チームメンバーとの協業

リーダーだからといって一人で多くの業務をこなす必要はありません。業務過多になれば医療ミスのような重大な事故に発展する可能性もあります。1人で抱え込まずに、チームメンバーと協業するなど、頼ることも大切な選択肢のひとつです。

各看護師の得意分野を活かしてチームをまとめることができれば、チームメンバーそれぞれが日々の業務によりやりがいを見いだせるはずです。

リーダー業務が「できない」「辛い」と感じた時の解決策

チーム全体をマネジメントするという重要な役割を担うリーダー業務は、やりがいもありますが、責任やプレッシャーも大きく「辛い」と感じることもあるでしょう。そのような時にこそ客観的に現状を整理することが大切です。リーダー業務がうまくできない、辛いと感じている人は下記の解決策を参考にしてみてください。

解決策1:完璧なリーダー像にとらわれない

完璧なリーダーはいません。理想像にとらわれず、時には自分自身を許容することが大切です。

周囲の期待に応えたいという思いから業務過多になるリーダー看護師は多いですが、理想を追求しすぎると心身ともに疲弊してしまい、結果的にチーム全体のパフォーマンス低下にもつながります。リーダーも人間であることを忘れず、時には休息やストレス解消のための時間を作ることも必要です。

解決策2:辛いと感じる原因を明確にする

リーダー業務が辛いと感じる場合、その原因を明確にすることが大切です。業務の負担や時間的な制約、人間関係など、様々な要因があるはずです。原因を特定したらチームメンバーと積極的に話し合い、適切な解決方法を考えましょう。業務の分担や改善点などを共有することで、リーダー業務の負荷を減らすことができるかもしれません。

解決策3:場面に応じて周囲に相談する

リーダー業務が辛くなったとき、周囲の看護師や医療スタッフに相談することも効果的です。自分とは異なる新たな気づきを得られることがあります。

例えば、リーダー看護師としてクレーム患者に対するコミュニケーションに苦手意識がある場合には、患者とのコミュニケーションに長けた先輩看護師に相談し、場合によっては対応を代わってもらうことも大切です。

先輩看護師の対応から学び、次の機会に活かせるようにしましょう。周囲に相談することでより安全で効率的に業務を回せるようになるだけでなく、自らのスキルアップにもつながります。

リーダーシップを磨く方法

看護師がリーダーシップを発揮することは、職場内のチームワークや患者への安全なケアにとっても重要です。リーダーシップを発揮するためにどのようなスキルを磨くべきかを解説します。

リーダー業務を担当する先輩看護師を模倣する

まずはリーダー業務経験が豊富な先輩看護師を模倣することから始めてみましょう。先輩看護師のマネジメントやコミュニケーションスキルなど、自分に足りない部分やより伸ばしていきたい部分に注目して模倣しているうちに、「自分だったらこうしたい」「私にはこの方が向いているかも」といったような自身がリーダーとして大切にしたい軸が生まれてくるはずです。先輩看護師の良いところを取り入れながら、自分らしいリーダー像を追求しましょう。

業務に優先順位をつける

リーダーシップを発揮するためには、業務に優先順位をつけて効率的に作業を進めることがチームにとって重要です。例えば「医師への報告は、メンバーが患者対応から戻ってからにする」と決めておくだけでも、どのタイミングで報告するか頭を悩ませる必要がありません。ほかの重要なタスクに集中できるようになり、チーム全体の効率性を高められるでしょう。

方針や意見を明確にしてチームで共有する

チームとしての方針や意見を明確に伝えて共有することで、チームメンバーや医療スタッフとのコミュニケーションが円滑になり、誤解やトラブルを未然に防ぐことができます。時には自身の方針や意見を伝えることが心理的に怖いと感じることや、遠慮してしまうこともあるでしょう。

しかし、リーダーとして考えたことをメンバーに明確に伝えてチーム内で共有し、行動に移すことができれば、生産性や業務効率の向上も見込めます。チームの士気が上がり、メンバーからの信頼も高まるはずです。

問題解決する意思と姿勢を表現する

医療現場では予期せぬトラブルが起こることがあり、放置すると患者に重大な影響を与える可能性があります。問題が起こったときは迅速かつ適切に対処、なぜトラブルが起きたのかを明らかにし、同じ問題が起きないように対策を考えなければなりません。

そのために、リーダーとして問題を解決するという意思と姿勢を表現して行動する必要があります。それによってインシデントが起こった場合でも、再発防止のために迅速かつ幅広い情報収集やチームメンバーとのコミュニケーションを欠かさないようにしましょう。

メンバーが求めるリーダー看護師像

メンバーがリーダーに求めるものは、決して専門的なスキルや完璧なリーダーシップ能力だけではありません。むしろ、コミュニケーション能力や共感力、チーム全体のバランスを考えた判断力などを重視しています。

メンバーは、自分たちと同じように失敗や不安を感じ、一緒に考えてくれることを求めているのです。メンバーが求めるリーダー看護師像の共通点を紹介します。

メンバーの役割や能力を理解している

リーダー看護師が各メンバーの得意分野や課題や経験を理解して、業務負担が偏ることがないよう適切な役割分担を行うことで、それぞれが最大限の力を発揮することができます。各看護師の役割や能力を理解することは、メンバーのやりがいや、個人のスキルアップにも繋がる重要な要素です。

メンバーの長所を見つけてくれる

リーダー看護師がメンバーの長所を認め、それを伸ばす指導を行うことで、自己評価が高まり自信を持って業務に取り組むことができるようになります。メンバーのモチベーションも向上し、チームの士気も上がり、より良い看護の提供につながるでしょう。

不安や苦しみに共感して理解を示してくれる

メンバーは、看護業務や人間関係などでストレスやプレッシャーを感じていることがほとんどです。それぞれの気持ちに耳を傾けて共感し、適切なサポートを行うことで不安を和らげることができるでしょう。

メンバーに平等な態度で接してくれる

個人的な選り好みをせず、すべてのメンバーに対して平等に接することは社会人として当然のマナーです。分け隔てなく接することで信頼関係構築につながります。リーダーが一部のメンバーだけを贔屓するような態度をとると、チームの協調性が損なわれ、不満や対立が生じる可能性があります。

リーダーとしてのスキルを身に着けマネジメントに活かす

看護師のリーダー業務には、病棟の取りまとめや他部署との調整などがあります。また、後輩指導やメンバーサポートなどのマネジメントの役割も担います。それらを遂行するには、医療・看護の知識やアセスメント力、コミュニケーション力などのスキルが必要です。

もしリーダー業務の責任が大きく、自分にはできない、辛いと感じる場合には、その要因を明確にして周囲に相談しながら解決策を見つけることが大切です。

リーダーを任されたからといって、一人で責任を感じ業務を抱えこむ必要はありません。時には周囲のメンバーのサポートを受けながら、スキルアップをしてリーダー業務をこなせるようになりましょう。

引用・参考

1)教育計画に掲載している研修(2023年度)|日本看護協会

村上舞
この記事を書いた人
村上舞
帝京大学医療技術学部看護学科を卒業後、医療法人徳洲会 湘南藤沢徳洲会 整形外科病棟勤務に勤務し、整形・脊椎外科の急性期看護を経験。以降は、循環期病棟、呼吸器内科病棟、回復期病棟で勤務。出産を機に退職し、特養やデイサービス、クリニック、健診センター等など幅広い施設での経験を活かし、ライターとして活動中。

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