【看護師のリアル転職体験談 87】総合病院の看護師から大学病院の看護師へ

1.上司のパワハラに耐えられずに転職

大学を卒業して念願の助産師免許を取得したのですが、実際の勤務は想像以上に過酷なものでした。実習をした大学病院への就職も考えましたが、将来的なことを考えて、大学病院よりも、将来の選択肢が広がりそうな総合病院へ就職することを決めました。産婦人科に配属されたところまでは自分の描いた人生設計通りでしたが、勤務が始まってからが大幅に違いました。

病棟の上司がとても厳しい人で、病棟内のいろいろなことに口を出すタイプの人でした。上司自身が自信に満ちあふれたキャリアウーマンタイプの人だったので、じっくりとよく考えてから行動したいタイプの私のやり方が気に入らず、イライラしたのかもしれません。

目を付けられた私は、いじめの対象にされました。患者さんや妊婦さんの目の前で罵倒されることなど日常茶飯事です。実習でお世話になった大学病院で指導を受けた助産師さんはとても尊敬のできる方だったのですが、まるで考え方の違う先輩が多く、戸惑うことばかりでした。

師長だけでなく、そのほかのスタッフからも辛く当たられる毎日。新人のときには、病棟内が落ち着いている状況でも仕事を与えてもらえずに、やることもなくオタオタしている私を見かけて、師長に怒鳴られることがたびたびありました。仕事がないのは私自身の責任だと言うわけです。

逆に忙しいときには、経験のしたことがないような介助を言い渡されます。助けて欲しいことを伝えると、あからさまに嫌な顔をしてくるような状況でした。ときには、私のそんな様子をみて、入院患者さんが嫌がらせをすることもありました。同じことがほかのスタッフに起こると問題視されても、私の場合は、私の対応が悪いと私が責められ、本当に悔しかったです。

そんないじめに加え、気になったのが慢性的な人手不足です。看護師さんたちも同じ病棟で働いていましたが、分娩を担当することはありません。したがって、分娩は助産師だけで何とかしなければいけないのです。ときには、2つの分娩を担当したり、分娩の合間の時間で産後の指導を行ったり、しなければいけません。

ふと、就職前に自分なりに描いていた理想の助産師を思い出し、涙がこぼれてしまいました。いじめにあいながら、機械のように仕事をしている自分自身は何なのだろうと思ったのです。その日にきっぱり仕事を辞めてきました。とうぜん文句も言われましたが、看護部長に直談判を行い、口外しない約束で退職を認めてもらいました。

そして、実習をした大学病院に中途採用をしていないか、問い合わせました。とにかく電話をしてみたのです。たまたま募集があったのかもしれません。履歴書を送付したところ、面接をしてもらえることに。そして運よく採用に至り、今は精神的な苦痛を感じることなく仕事ができています。

2.前の医院を退職してから、大学病院に転職するまでの流れ

STEP1:退職することを口頭で伝える

突然、思いがあふれてしまい、そのまま仕事を辞めることにしました。看護部長に直接長いお話を聞いてもらい、気持ちはすっきりとしました。残っていた年休を処理してもらうことで、実際の退職は1か月先となりました。もっと早くに病棟外の人に相談すれば良かったと思いました。

STEP2:希望の大学病院へ電話

インターネットでチェックしたときには、中途採用の募集はないということでしたが、諦めずに電話で連絡をしてみました。すると、履歴書を送るように指示されたのです。たまたま退職する人がでたのかもしれません。どちらにしてもラッキーなことでした。

STEP3:履歴書の送付

指示通りにメールで履歴書を送付しました。すぐにいただいた返事には、面接の日取りが書いてありました。

STEP4:面接

面接時には当然退職理由を聞かれます。パワハラやいじめのことは一切伝えませんでした。話をしたところで、私自身にも問題があると思われるかもしれないからです。人間関係については触れずに、嘘にならない前向きな内容の転職理由をあらかじめ考えておきました。

STEP5:採用

既に仕事は辞めていましたが、大学病院には1か月先が退職日だということを事前に伝えていたので、採用をいただいてからもスムーズに仕事を開始できました。

3.転職してみて感じたこと

医療機関で働くうえで、人間関係の良さは絶対に必要だと思いました。特に、配属されてすぐの新人には、先輩ナースの手助けは不可欠です。そんな状況でいじめを受けたことは、とても辛いことでした。私の受けたいじめは主に言葉の暴力でしたが、言葉はときに人を精神的に追い詰めます。なるべく、気にしないようにして耐えていましたが、もっと早くに転職をしていれば良かったと思いました。

転職後は嘘のように仕事が楽しいです。最初は転職をしてもやっぱりいじめられるかもしれない、とビクビクしていました。でも、スタッフの人たちは快く私を迎えてくれました。周産期医療について勉強することが山ほどありますが、先輩方の指導のおかげで順調に仕事を覚えることができています。

あの辛い経験も今になって思い出すと、人間として成長できたと思えます。ただし、同じような経験は二度としたくありません。新人や後輩を指導する立場になってきましたが、絶対に人を傷つけるような言い方はしないと心がけています。

4.転職してみて「良かったこと・悪かったこと」まとめ

◎良かったこと(1):人間関係が良くなった

転職初日はとても緊張しました。病院はもともと、女性の多い職場です。どこでもある程度のいじめのようなものがあるのではないか、と心配したものです。でも、今の職場は向上心の高い人が多く働いていて、いじめのようなことをする人は誰もいません。とても働きやすいです。

◎良かったこと(2):キャリアアップができた

いじめという過酷な職場から逃げるため、という転職理由は後ろ向きでしたが、運よく助産師としてのキャリアをあげる転職ができました。辞めると決めた時点で前向きに考えるようにすると、キャリアアップに十分につながることを確信しました。

◎良かったこと(3):給料が上がり待遇も良くなった

公務員扱いになるので、待遇や給料があがりました。その点に期待して転職先を探したわけではありませんが、やはり嬉しいものです。自分の能力を正当に評価してもらえるとも感じています。

◎良かったこと(4):休日が増えた

待遇が良くなったことと似ていますが、休日も増えました。週休2日分のお休みを必ず確保できるので、仕事はハードですが、休みでしっかり体力を回復できます。

△悪かったこと:プライベートの時間が減った

高度な医療に対応するために、頻繁に勉強会が開かれます。休みの日も自主的に勉強をしなければいけないことが少なくありませんし、研修会に参加することもあります。仕事をしているという幸福感で、今は忙しい状況ですら楽しんでいる自分がいますが、プライベートの時間は少なくなったことを感じています。

5.いじめで悩んでいるなら思い切って転職を

いじめは、どんな状況でもいじめる側が絶対に悪いです。でも、できてしまったその関係は、普通に改善されることはほとんどありません。そうであれば、できるだけ早く、あなたが異動をするか転職をするかしか解決策はありません。どうして助産師に(看護師に)なりたかったのかを思い出してみてください。

いじめの被害にあった期間が長ければ長いほど、精神は不安になっていきます。そうして結局、助産師や看護師を辞めてしまう人がいると聞きました。そこまで重症にならないうちに、さっさと異動か転職を選びましょう。新しい職場は完全に新しいスタッフです。きっとうまくいくはずです。ただし、転職理由について前向きなものを用意しておきましょう。


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