事前に退職の意向を伝えてから転職活動をスタートさせる場合もあれば、内定をもらってから現職に退職意向を伝える場合もあるでしょう。
いずれにしろ、転職先が決まったら、いよいよ本格的に退職に向けて動き出す必要があります。一方で、一筋縄ではいかないケースが多いのが看護師の退職交渉です。
円満退職をするために、内定から入職までの流れとチェックポイントをご説明します。
1. 内定から入職までの流れ
①内定
内定通知を受け取り、承諾の意向を伝えましょう。
雇用条件を再確認し、必要書類の提出を行います。
②退職手続き(入職予定日1ヵ月~6カ月前)
現職に退職の意向を伝え、退職日を調整します。
③退職(入職予定日1ヵ月前~)
業務の引き継ぎと、関係者への挨拶を行います。
④入職前準備(入職予定日1週間前~)
必要があれば転居の準備や、健康診断を行います。 必要書類の準備も忘れずに。
⑤入職
初出勤日には必要な手続きを行います。
2.退職手続きのチェックポイント
現職の契約内容を確認
現職の就業規則や、雇用契約書を事前に確認する2週間~1ヵ月前の退職予告期間を設定されている事業所が多いですが、まれに、1ヵ月以上前に退職予告を設定している事業所もあるのでご注意ください。
退職意思の伝達
退職意思は直属の上司に伝える- 最初に退職意思を伝える相手は直属の上司にしましょう。同僚などへ先に伝わってしまうと、後々感情的なしこりが残り、退職手続きがスムーズに進まなくなるおそれがあります。
- 円満退職のためには、現職への批判や不満などを退職理由としてあげるのではなく、ポジティブな理由で退職する意思をお伝えすることをおすすめします。
退職日確定
人事や上司と相談し、退職日を確定- 最終出勤日と退職日は異なりますので、ご注意ください。
- 最終出勤日:タイムカード打刻を行い実動勤務する最終日
- 退職日:現職を退職する日
- 退職日から逆算して有給消化のスケジュールも調整しましょう。
退職届提出
退職届は勤務先によって指定のフォーマットがある場合は、そちらで提出します。
ただし指定の書類を受け取ることに時間がかかり、退職期間が延びてしまうような場合は、いったん自身で作成・提出し、受理をしてもらいましょう。
3.退職日のチェックポイント
必要書類の受け取り
離職時の必要書類は勤務先によって異なるケースもありますが、概ね以下のような書類です。
- 雇用保険被保険者証
- 雇用保険被保険離職票
- 健康保険・厚生年金保険資格喪失証明書
- 源泉徴収票
- 看護師資格証原本
- 退職証明書
関係者への挨拶
円満退職のためにも、職場でお世話になった方々には最終日に挨拶をしましょう。
4.【退職交渉の進め方】よくある質問
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いつ頃から退職手続きを開始すればいいですか?
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退職希望日の3~6ヵ月くらい前がベストです。
「言いづらい」や「早く伝えると働きづらい」からといって、直前まで隠しておくと、逆に今の職場と新しい職場の両方に迷惑をかけてしまうことになるので、正直にすぐ話しましょう。 -
最初に退職の意向を伝えるのは誰がいいですか?
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必ず直属の上司に伝えましょう。
同僚やさらに上の上司へ先に伝わってしまうと、感情的なしこりが残り退職手続きがスムーズに進まなくなる恐れがあります。 -
現職場から強い引き止めを受け、全く退職の話が進みません。どうしたらいいですか?
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円満退職をしたくても、「上司が退職願を受け取ってくれない」「話をしたいのに面談の時間をくれない」などの場面に出くわしてしまったら、以下の方法も検討してみましょう。
- ①就業規則等で退職予告期間が定められていることがありますが、もしそれを過ぎてしまっても、法律上は2週間前に申し出を行うことで退職は可能です。
就業規則よりも法律が優先されますので、退職を決定しているという強い意思を伝えましょう。 - ②口頭で退職意向を伝えても受理してもらえない場合には、「退職届」を提出しましょう。このとき、意向を伝える「退職願」ではなく、退職を通告する「退職届」の提出が必要です。
基本的には直接提出することがマナーですが、受け取ってもらえない場合には、郵送やメールで送付することも有効な手段です。 - ③上記においても退職交渉が難しいと感じられる際には、「労働基準監督署」という厚生労働省の関連機関に相談をすることも可能です。対面だけではなく、電話での相談も可能です。
ご自身の気持ちをしっかり整理した上で、退職についての意思が変わらない場合には、上記のような手段を検討してみましょう。 - ①就業規則等で退職予告期間が定められていることがありますが、もしそれを過ぎてしまっても、法律上は2週間前に申し出を行うことで退職は可能です。
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有給休暇は消化はできますか?
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有給休暇の消化は出来ます。
ただし有休を消化することにより退職予定日が延び、転職先の入職予定日に影響を与えぬようにご注意ください。
できるだけ早い段階で上司に相談してスケジュールを調整し、それにあわせて引き継ぎも済ませておくことが大切です。
5.【退職交渉の進め方】まとめ
医療介護の現場は人手不足の職場も多く、特に看護師の退職交渉は難航するケースが多いです。
一方で現職が引き止めを行う理由には、あなたが今までその職場で頑張ってきたことを認めているからこそ、という側面もあると思います。
せっかくこれまで頑張ってきた職場だからこそ、双方が気持ちよく次に進めるような円満な退職ができるといいですよね。
やむを得ない理由で退職することになったものの、退職交渉が思うように進まないことで、現職へ抱いていた感謝の気持ちや良い思い出が、残念な気持ちへと変わってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
転職に関するお悩みがありましたら、まずは「相談」だけでも大歓迎ですので、今のご状況について転職のプロであるナース人材バンクのキャリアパートナーに、ぜひ一度ご相談下さい。