看護師の面接では、マナーも選考のポイントです。看護師の仕事では、患者さんやその家族、医療チームとの信頼関係が重要なため、面接時の第一印象や立ち振る舞いの印象は特に重視されるでしょう。
この記事では、看護師面接に向けた事前準備や当日の流れ、押さえておきたいマナーについて詳しく解説します。
面接でよくある疑問や注意点についても触れるため、これから看護師面接を受ける予定がある方は、ぜひ参考にしてください。
看護師面接におけるマナーは、面接中だけでなく、事前準備から帰宅するまで一貫して意識することが大切です。
採用担当者は、面接を通じて応募者の人柄や看護師としての適性を判断するため、事前準備の段階からマナーを徹底し、第一印象を良くしましょう。
まずは、面接を成功させるために重要な事前準備のポイントを解説します。
看護師という職業柄、採用面接では清潔感と落ち着いた印象が求められます。適切な服装や身だしなみは、プロ意識の表れとして評価される重要なポイントです。
面接の服装は、基本的に黒、ネイビー、グレーなど落ち着いた色のスーツを選びましょう。
インナーは白いワイシャツやブラウスが適切で、ジャケットは必須です。
派手な柄や装飾のある服は避け、シンプルで上品なデザインを心がけてください。
スーツに合わせる靴は、ヒール3~5cm程度の控えめなパンプスがおすすめです。派手な色やデザインは避け、黒やベージュを選びましょう。
アクセサリーは結婚指輪や小ぶりなピアス程度に留め、大ぶりなネックレスや腕時計は控えたほうが無難です。
看護師面接では、長い髪は清潔感を出すためにまとめ、髪留めはシンプルなものを選びましょう。メイクはナチュラルで薄めに仕上げ、香りの強い香水は控えるようにしてください。
パートの看護師面接でも服装マナーは同じです。「パートだからカジュアルで良い」という考えは避け、正社員の面接と同じ基準で準備することをおすすめします。
服装については、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
関連記事:看護師の転職面接はスーツにすべき?転職面接の服装のポイント
履歴書、職務経歴書、資格証明書など必要な書類は前日に確認し、忘れ物がないよう注意しましょう。筆記用具やスケジュール帳を持参すると安心です。
面接当日は、会場への到着時間も重要です。面接開始の10~15分前に到着し、余裕を持って行動しましょう。
到着が早すぎても採用担当者に負担をかける場合があります。周辺のカフェなど、時間を調整できる場所を探しておくと良いでしょう。
遅刻を防ぐためには、事前に面接会場へのアクセス方法を確認し、公共交通機関を利用する場合は、乗り遅れても対応できる余裕を持つことが必要です。
面接会場に到着したら、受付での対応が第一印象を決める重要なポイントになります。
受付では、落ち着いて丁寧に挨拶をしましょう。面接開始時刻の5〜10分前に受付を済ませ、受付担当者へも丁寧に挨拶することを心がけてください。
【挨拶の例文】
「本日〇時に面接のお約束をしております、〇〇と申します。よろしくお願いいたします。」
待合室に案内された際にも、「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えると良い印象を与えます。
待合室では、面接前の態度や行動について、他の応募者やスタッフに見られている可能性があります。ここでも細かいマナーを意識しましょう。
私語や大声での会話は控え、周囲に配慮して静かに待ちましょう。
知り合いがいた場合でも、私語や大声でのお喋りはせずに、挨拶程度に留めてください。
スマホの電源は必ず切り、待機中や面接直前に触ることは控えましょう。
待合室はリラックスして過ごす方も多いですが、背筋を伸ばして座り、リラックスしながらも緊張感を保つことが重要です。だらしない姿勢は、面接官に良くない印象を与える可能性があります。
ここからは、看護師面接の第一印象を左右する「入室」のマナーについて詳しく解説します。
面接官が最初に目にするのは、入室時の行動や立ち振る舞いです。入室時のマナーをしっかり押さえて、好印象を与える面接のスタートを切りましょう。
入室前に行うノックは、礼儀を示す重要な行為です。必ず3回ノックを心がけてください。2回のノックはトイレなどの在室確認で使われるため、面接時には不適切とされています。
ノックをしたら、ドア越しに「失礼します」と一言添え、面接官の「どうぞ」という声を確認してからドアを開けます。
ドアを開けた瞬間から面接官と目が合った場合は、笑顔を意識して軽く会釈をすると好印象を与えられるでしょう。
ドアを閉める際には、面接官に背を向けず、軽く体をドアの方に傾けて丁寧に閉めます。大きな音を立てないよう、静かに行うのがポイントです。
部屋に入ったら、まずは立ったまま丁寧に挨拶とお辞儀をします。
挨拶の際には、はっきりとした声で自己紹介を行いましょう。
【挨拶の例文】
「〇〇〇〇と申します。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。」
聞き取りやすいトーンで、早口にならないよう落ち着いて話しましょう。
挨拶の際のお辞儀は30度程度が目安です。深すぎるお辞儀は不自然になりやすいため注意してください。
面接官が待合室や廊下に迎えに来た場合も、入室時と同様に立ち上がり、その場で挨拶とお辞儀を行うのがマナーです。
挨拶を終えた後は、面接官の指示があるまで座らないようにしましょう。
面接官から「どうぞお座りください」と促されたら、必ず「失礼します」と一言添えてから座ります。
椅子に座るときは、背筋を伸ばして深く腰掛けてください。足を組んだり、体を斜めにするのはマナー違反です。
鞄は、椅子の後ろか横(床)に置いてください。
面接中の態度や立ち振る舞いも重要です。第一印象を大切にしながら以下のマナーを押さえて、人柄や看護師としての適性をアピールしましょう。
面接中の姿勢は、面接官に与える印象を大きく左右します。姿勢を正して座ることは、プロ意識を伝える大切な要素です。
椅子には深く腰掛けすぎず、背筋を伸ばして姿勢よく座りましょう。
背もたれには寄りかからず、足を揃えて膝を軽く閉じるようにすると、清潔感と誠実さをアピールできます。
面接中に面接官の目を見ることで、誠実な態度や仕事への意欲をしっかり伝えることができます。
ただし、じっと見つめすぎると圧迫感を与える可能性があるため、適度に目線を合わせるよう意識しましょう。
目を合わせると緊張してしまう方は、面接官の鼻や眉間のあたりを見るようにするのがおすすめです。
面接官の話を聞くときは、軽く頷いたり、適度に相槌を打つことで、積極的な姿勢を示すことができます。
面接中に質問をされることがありますが、面接官の話を途中で遮って回答するのはマナー違反です。
途中で話を遮ると、落ち着きがない印象を与えてしまうだけでなく、相手の意図を正確に理解できない可能性もあります。
面接官の話を最後まで聞き終えた後、一呼吸おいてから回答すると、丁寧さと冷静さをアピールすることができます。
面接でよく聞かれる質問については、こちらの記事でまとめていますので、一緒にチェックしておくと安心です。
関連記事:看護師の転職面接でよく聞かれる質問は?回答例&対策ポイントを紹介
緊張すると早口になりがちですが、面接では面接官が聞き取りやすいように、大きな声でゆっくりと喋ることを意識しましょう。声のトーンはハキハキとした明るさを保ち、聞き取りやすさを意識してください。
ただし、あまりにもゆっくり過ぎる場合、「マイペースで周りに合わせられない人」と見られてしまう可能性もあります。
話すスピードは、面接官が話すスピードを参考にし、適度なテンポを心がけましょう。自分の考えを簡潔にまとめ、無駄な言葉を減らすことで、面接官に好印象を与えられます。
面接中の言葉遣いは、社会人としての常識やマナーを測る重要な指標です。
看護師として働くうえでの基礎力が評価されると考えておきましょう。間違いやすい敬語表現に注意し、正しい使い方を意識してください。
【間違いやすい敬語表現】
⦁ ×了解しました ×わかりました→〇かしこまりました
⦁ ×大丈夫です→〇問題ありません
⦁ ×こちらが履歴書になります→〇こちらが履歴書です
⦁ ×おっしゃられる→〇おっしゃる
例えば「了解しました」は、一般的に目下の人に使う言葉であり、面接の場では適切ではありません。「かしこまりました」や「承知しました」など、正しい敬語を使いましょう。
また、「大丈夫」は肯定にも否定にも捉えられる曖昧な表現なので、使わないほうが無難です。「おっしゃられる」などの二重敬語表現にも注意してください。
看護師の採用面接では、退室時にもマナーがあります。最後の行動まで丁寧さを保つことで、誠実な印象を与えることができます。
続いては、面接の退室時に意識したいマナーについて解説します。
退室の際には、面接官に対して感謝の気持ちをしっかりと伝えることが大切です。
立ち上がる前に、座ったまま丁寧に御礼の言葉を述べるのが基本的なマナーです。
【例文】
「本日はお忙しい中、面接の機会をいただき、誠にありがとうございました。」
面接官の目を見て伝えると、相手への敬意を示すとともに、あなたの誠実な人柄もアピールすることができます。
立ち上がった後は、椅子を静かに元の位置に戻し、ドアに向かいます。
ドアを開ける際は音に注意し、できるだけ静かに行動するのがマナーです。
ドアを閉める前には一度振り返り、「失礼します」と一言添えて深くお辞儀をしましょう。
面接全体を丁寧で誠実な印象で締めくくるために、最後の動作まで気を抜かないようにしてください。
面接が終了しても、緊張感を保つことが求められます。特にロビーや待合室で他の応募者やスタッフがいる場合には、面接の内容や感想を話すのはやめましょう。
「口が軽い」「配慮が足りない」といった印象を持たれてしまう可能性があるため、病院や企業を出るまでは、慎重な行動を心がけることが大切です。
ここからは、看護師の面接マナーについて、よくある疑問にお答えします。
応募先の病院を呼ぶ際には、「御院(おんいん)」という表現を使うのがマナーです。
企業の場合は「御社(おんしゃ)」と呼びましょう。「御院の理念に共感し…」や「御院での業務内容について伺いたいのですが…」といった使い方をします。
「〇〇病院さん」という呼び方は、看護師面接の場では不自然に感じられるため、避けるようにしてください。
また、履歴書などの文書では、「貴院(きいん)」や「貴社(きしゃ)」という書き言葉を使用します。
書き言葉と話し言葉の使い分けができていると、より丁寧な印象を与えられるので、覚えておくと良いでしょう。
応募先の看護師を指す場合、「看護師さん」という呼び方は避けましょう。
面接の場では、「職員の皆さま」や「スタッフの方々」といった表現を用いるのが適切です。
「職員の皆さまのチームワークに感銘を受けました」という表現は敬語として問題なく、丁寧な印象を与えます。
万が一、面接時間に間に合わない場合には、すぐに病院や企業に電話で連絡を入れましょう。
メールやメッセージではなく、直接電話で謝罪と理由を伝えることが重要です。
連絡の際には、自分の名前や面接時間、遅刻の理由、到着予定時刻、そして面接を受けることが可能かどうかを確認します。
【遅刻しそうなときの伝え方】
「本日〇時に面接の約束をしております〇〇と申します。現在、交通機関の遅延により到着が遅れる見込みです。大変申し訳ございませんが、〇時頃には到着できる予定です。面接を受けさせていただくことは可能でしょうか?」と丁寧に伝えましょう。
電話口では、以下の6つを伝えるようにしましょう。
謝罪をしっかり述べた上で、具体的な到着予定時刻を提示することで、誠実さをアピールできます。
また、「遅刻しても当然面接をしてもらえるだろう」といった姿勢は、相手に不快感を与えかねません。
面接を受けることが可能かどうかも、念のため確認するのが望ましいです。
看護師の面接の所要時間は、一般的に30~60分程度が目安とされています。
ただし、実際の時間は病院や企業の方針、面接の内容によって異なります。
二次面接や役員面接の場合、さらに時間が長くなることもあるため、スケジュールには余裕を持たせておきましょう。
看護師の採用面接では、社会人としての基本的なマナーを守ることが重要です。どれだけ自己PRが充実していても、マナーが欠けていれば採用に至らない可能性があります。
面接は事前準備から退室後に施設を出るまで、一貫して丁寧な対応を求められます。
特に入室時や退室時の立ち振る舞い、正しい言葉遣いは好印象を与えるポイントにもなるため、事前にしっかりと準備をしておきましょう。
面接時のマナーに不安がある場合には、ぜひナース専科 転職のキャリアパートナーに相談してくださいね。
ナース専科 転職は「ナース専科」の会社が運営する、看護師さん専門の転職支援サービスです。
ナース専科の歴史は、1980年に創刊した就職情報誌、看護専門誌から始まりました。現在まで約40年、就職・転職支援・看護知識の発信など3つのサービスを展開しています。 今までも、これからも、看護師の皆さんのどんな悩みにも応える存在でありたい。 ナース専科はそう考えています。
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