看護師に向いてるひと、向いてないひと ~ 看護師に必要な適性とは? ~

大変な仕事だと言われる看護師の仕事ですが、最近では社会人を経験して看護師になる人も増えています。そんな看護師とはどんな人が向いているのでしょうか。看護師の適性について解説します。
一番最後に、現役の看護師が自分は看護師に向いていないと思ったことがあるのか、アンケート結果があるので、興味がある方は最後まで是非読んで下さい。

1. 看護師を目指す人はどんな人?

看護師を目指すきっかけは? という質問は採用試験などでは定番ですが、その内容は様々です。

  • 自分や家族が入院をきっかけに看護師の働く姿を見て目指した人
  • ドラマなどで働く看護師の姿に憧れて目指した人
  • 家族に看護師がいる人
  • 就職や将来のことを考えて看護師を目指した人
  • 国家資格が取得したかった人

など、聞けば色々な返事が返ってきます。

それぞれの理由はありますが、多くの場合に共通して聞かれる答えが、人のための仕事がしたかったという意見です。看護師は患者に対して、治療のサポート、ケア、看護を実践することが仕事です。その全ては患者のための仕事であり、代表的な人のための仕事と言えるのです。一方で、最近増加しているのが、就職や将来を考えて看護師を目指したという人です。看護師という国家資格を、就職や将来を考えて取得することは間違ってはいません。

しかし、人のための仕事がしたいという思いよりも、メリットのある資格だからと看護師を目指す人には違和感を感じてしまうこともあります。看護師の仕事は決して簡単な仕事ではありません。看護師の資格を目的として看護師になった人は、結果的にこんなはずではなかったと、看護師の仕事を辞めてしまう人も少なくありません。看護師という仕事を十分に理解し、その結果選ぶ資格であれば良いのですが、資格優先での職業選択は危険な場合もあるのです。

危険な理由は看護師の仕事が大変だという背景にあります。

2. 看護師の仕事は何が大変!?

看護師の仕事は漠然と「大変なもの」というイメージがあるかと思いますが、実際に何が大変なのでしょうか。

変則的な勤務時間

看護師が大変な仕事と思われる最も大きな理由の1つには、不規則な交代勤務が関係しています。
病院には24時間患者が入院しています。そのため、看護師も24時間病棟に配置されなければなりません。通常の日勤業務に加えて、夜勤という勤務をしなければならないのです。

最近では2交代の夜勤が主流となっていますが、3交代勤務が一般的な時代もありました。2交代とはその名の通り、日勤と夜勤との2つの勤務で24時間対応する勤務です。16:30から翌朝の9:00までが一般的な勤務となっています。
3交代では、日勤、準夜、深夜の3つの勤務で24時間対応する勤務です。準夜は16:30から0:30まで、深夜勤は0:30から9:00までが勤務時間となります。3交代の勤務は、2交代に比べて勤務時間は短い為、楽な勤務なのではと思われるかも知れませんが、その過酷な勤務のため、今では2交代夜勤に変更している施設が増えてきています。

具体的には、日勤で働いて一旦帰宅、その後翌日となる深夜勤務で出勤するという「日勤深夜入り」と勤務が良い例です。また準夜後に帰宅して、次の日勤で勤務するという、「準夜日勤」と呼ばれる勤務もありました。定時に業務を終われて帰宅できたとしても、次の勤務までの時間が短く、十分な休養をとる事なく次の勤務に向かわなければならないのです。このような複雑な勤務が看護師の仕事は大変であると印象付けてしまう要因といえるでしょう。

この勤務体制については、日本看護協会としても業務負担を軽減する目的で、夜勤の業務軽減を提案し、推奨しています。2交代の勤務であっても勤務時間が12時間を超えないように配慮する、変則2交代勤務や3交代から2交代への業務変更など、看護師の業務負担の軽減に努めています。

看護師の仕事は3K?

勤務形態の他にも、看護師の仕事が大変だと思われる要因は、患者さんの命と向き合う仕事であるという事です。
看護師の仕事は人の生き死に直面する仕事です。また、その業務内容からミスが許されない、責任の重い仕事でもあるのです。責任の重さから、大変な仕事であるというイメージがあるのかも知れません。

その他にも、重労働、危険な仕事、排泄物の処理など、色々と大変な仕事というイメージを植えつけてしまう内容はあります。また、看護師の仕事は人のための仕事です。看護師のおこなう全ての業務は、患者のためでなければなりません。重い責任を負い、患者の命と向き合う仕事であるという事、また勤務時間や業務内容から、看護師の仕事は大変な仕事であるというイメージを持たれてしまうのではないでしょうか。実際に看護師の仕事は大変な仕事だと、看護師である私自身も思っています。

3. 看護師に向いている人、向いていない人

看護師に向いている人

看護師は患者のために働く仕事です。そのため、人のために仕事がしたいという人にとっては、魅力ある仕事になると言えるでしょう。また大変な仕事の中に、やりがいを感じたり、様々な知識や技術を身につけて、スキルアップしたいという人にもオススメの仕事です。

最近では、ドラマなどでも看護師が活躍する医療関連のドラマも多くあります。そんなドラマに憧れて看護師を目指す人もいますが、看護師の働く姿に魅力を感じるのであれば、看護師の仕事に向いていると思います。ドラマの世界は、実際の臨床の現場とは違う部分も多くありますが、看護師に魅力を感じるということが最初の看護師としての適性であると言えるのです。

また看護師の仕事に終わりはありません。日々進歩する医療や看護の知識や技術を習得し、看護師として成長していくということは、看護師として働く以上、継続し続けなければならないのです。そのため、自己研鑽できる人、看護師としてだけでなく、社会人、医療人として成長し続けたいという人にとっても向いている職業と言えるでしょう。

患者の命と向き合う仕事である看護師には、大きな責任が伴います。責任感が強く、責任を果たすための努力が継続できる人にも、看護師という仕事は向いていると言えます。人のために働きたい、自己研鑽ができる、責任を果たす努力ができるということなどが看護師に向いている人と言えるかと思いますが、これは看護師として働き出してからでも実践できることです。それよりも看護師の仕事に魅力を感じ、自分の意志で看護師を目指すという人が最初の基本的な適性をクリアーしている人ではないかと思います。これがなければ、看護師として働くことは難しいと言えるのかもしれません。

看護師に向いていない人

一方で看護師に向いていない人としては、まず血を見るのも苦手という人には、辛い仕事になってしまうかも知れません。最初はそうであっても、時間を掛けて克服できるという人はいます。しかし、絶対に無理という人にはオススメできません。

次に、人と関わる仕事はしたくないという人にもオススメできません。看護師の仕事は100%人と関わる仕事です。人と関わる仕事をしたくないという人にはそもそも無理な仕事だと言えるでしょう。

責任を負いたくない人にも向いていないでしょう。継続した自己研鑽したくない人、努力したくない人にも向いていない仕事ではありますが、これらの理由はどんな仕事をするにしても、必要となることではないでしょうか。患者の命と向き合うということは、簡単なことではありません。看護師という仕事を知り、自分には絶対にできない、無理だと考えるだけの人では務まる仕事ではありません。しかし、自信はなくてもそれを補う努力ができる人は、看護師としての適性はゼロではないと言えます。大切なのは、看護師という仕事に魅力を感じ、患者の命と向き合う覚悟があるかどうかということが大切なのです。

結局のところ

看護師に向いている、向いていないは、実際にやってみないとその適性を最終的に判断することは難しいです。私自身、長年看護師をやっていますが、自分自身が本当に看護師に向いているのかということは、分からないままいます。しかし、私は看護師という仕事が好きです。看護師に魅力を感じ、看護師を目指したい、頑張りたいと思う人は、看護師に向いていると言えるのではないでしょうか。

さて突然ですが、近年はある層の人が看護師になりたいという気運が高まっています。

4. 社会人が看護師を目指す

近年、社会人を経験してから看護師を目指すという、社会人看護師が増加しています。厚生労働省による平成28年度の学校養成所入学状況によると、看護師養成学校3年過程の総入学者数は27,694人で、20歳以上入学者は6,018人となっています。看護師を目指す時は、3年過程の看護師養成学校、4年過程の看護大学を卒業し、国家試験に合格しなければなりません。20歳以上の入学者となれば、高校を卒業後に就職している人や、一旦進学するも再度看護師を目指すと言った経過になります。6,018人全てが社会人経験者ということではありませんが、この20歳以上の養成学校入学者数は年々増加しているのです。

大変な仕事というイメージを持たれている看護師の仕事ですが、社会人を経験した人がなぜ目指すのか。それは国家資格であるという事と、現在の社会情勢が大きく関係しているのです。国家資格である看護師免許を取得すれば、日本全国どこでも仕事をすることができます。そして、その国家資格は永久に使うことができるライセンスです。日本全国、どこでも働くことができる永久ライセンスが国家資格である看護師の資格なのです。この点だけでも大きなメリットはありますが、一般的に看護師は給与面も良いと言われています。厚生労働省が実施した「平成27年度賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は、38.2歳で約478万円と報告されています。月額給与の平均は329,200円、年間賞与は832,700円となります。一般的には決して安い給与ではありませんが、業務内容から考えると、安いと考える看護師も少なくありません。この様に給与面でも看護師の仕事はメリットがあると考えられているのです。

さらに看護師の仕事は、看護師不足、高齢化社会という社会情勢により、その存在が優遇され、就職面でも苦労することのない仕事であると考えられます。一般的に看護師は、病院やクリニック、老人福祉施設、介護施設など、様々な分野で働くことが可能です。そしてこれらの施設の多くが看護師不足という問題を抱えている場合が多いです。

看護師が不足しているということに伴い、各施設独自に、看護師獲得のために様々な条件を整え、看護師にとっては働きやすい職場環境作りに取り組んでいます。例えば、施設内保育所や、職員寮の整備、奨学金制度、ワークライフバランスを重視する取り組み、時間外労働の削減や、有給休暇の取得率向上などの取り組みなど、働く労働者にとっては有難い内容となっています。さらに最近では、ワークライフバランスの向上を目的として、短時間勤務など、自分のライフスタイルに合わせて働き方を決めることができる時代になってきています。子育てや家庭を優先するために、一日数時間の勤務、土日祝日は休み、曜日指定での勤務、夜勤なしや夜勤専従などの勤務など、働く看護師が働く時間を決めることができるのです。自分で働く時間を決めることができる職業はなかなかありません。

今後益々、高齢化社会が進めば、さらに看護師が不足することが考えられ、看護師の需要は高まると予測されます。看護師という仕事は大変だというイメージを持たれながらも、その他の様々なメリットを優先し、目指す人が増加しているのです。社会人を経験した人も、これらの看護師という職業のメリット、デメリットを理解した上で、看護師という仕事を1から目指そうと考えるということなのです。

こういった状況があるため、看護師に向いているひと、向いていないひとについてまとめてみました。今、社会人でこれから看護師を目指そうと思っている人もいるでしょう。きっと今から看護師を目指して大丈夫なのか、看護師に向いていないんじゃないかという不安があると思います。
患者に向き合って、看護師として成長しようという意欲があれば、わたしは大丈夫だと考えています。

5. まとめ

看護師という仕事は、一般的なイメージ通り簡単な仕事ではありません。それは看護師という仕事が、患者の命と向き合う仕事だからです。命と向き合うという責任を果たすために、看護師は患者に対して最良の看護を提供することを目指し続けなければいけません。そう言ったことを実践する覚悟があるかということが、看護師にとって必要なことなのです。

資格として看護師の仕事を選ぶことは、決して間違ったことではありません。今後の高齢化社会において、看護師の需要やその役割は益々大きくなります。しかし、看護師の仕事というものを十分に理解し、看護師という仕事を向き合うことができるかどうかという事を忘れてはいけません。看護師という仕事は、実際に看護師になってみないと、向いているか、向いていないかということは判断出来ません。その答えは、看護師として働き続けても見つけられないかも知れません。しかし看護師という仕事は素晴らしい仕事であるということも事実です。看護師に魅力を感じたことがあれば、それこそが看護師に向いているということでもあるのです。

6. 【アンケート】現役の看護師たちは自分が看護師に向いていると思っているのか?

現役の看護師たちから取った看護師に向いていないと思ったことはあるかアンケートを取りました。

看護師に向いていないと思ったことはありますか?

出典:看護師に向いていないと思ったことはありますか?:結果 | 投票・アンケート | ナース専科

こうみると、向いている! とはっきり思える人は少ないようです。特にミスが合った時や落ち込んでいるときほど、「自分に看護師は向いていないんじゃないか・・・」と思う傾向が伺えます。

もし、今自分が同じことで悩んでいるとしたら、それは他の看護師も一緒なのです。看護師の仕事に魅力を感じ、看護師として成長したい意欲がある限り、向いていないなんてことはないと私は思います。

このアンケートの回答の中にステキな言葉があったのでご紹介します。

「向いているか向いてないかよりも、好きか嫌いかじゃない? あなた、看護師好きそうだし楽しそうに仕事してるわよ。それでいいんじゃない?」

尊敬していた師長に言われました。向いてると思ったことはないですが、この仕事は好きなので、いつも切磋琢磨、試行錯誤していたいです。

この記事を書いた人:永島直俊
看護師として17年臨床勤務。
看護管理、院内感染、医療安全、救命救急、手術室、病棟看護経験あり。
管理職(看護部長の経験あり)として、各種管理、病院経営、職員教育の実戦経験あり。
現在はフリーランスとして医療関連、看護関連の執筆、記事監修などをおこないながら、次なる目標を求めて自己研鑽中。

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