「正規職員」と「非正規職員」の違いとは?雇用形態の基礎知識

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「正規職員」と「非正規職員」の違いとは?雇用形態の基礎知識

看護の仕事は勤務時間が不規則なうえ、体力的にもハードです。結婚・出産・子育てなどのライフイベントを経験した女性看護師は、一度や二度は「仕事と家庭の両立」に悩むのではないでしょうか。今回は、働き方に悩む看護師さんに向けて、多様な雇用形態の種類と、それぞれの特徴・メリット・デメリットを紹介します。

正規職員の特徴と働き方

一般的に、看護学校を卒業し看護師国家試験に合格した後は、「正職員」として病院に勤務することが多いと思います。正職員は「正規雇用」として採用される職員のことで、基本給・賞与・昇給・社会保険などの待遇が手厚く、経済的な安定が見込める雇用形態です。

ほかにも、提携施設や保養所を格安で利用できたり、経験年数やスキルに応じて昇格が期待できたりと多くのメリットがあります。

一方で、「正職員で働くには夜勤が必須」「勤務時間外の委員会活動」など、正職員ならではのデメリットもあります。ある程度の経験年数になると責任ある立場を任さることも多く、結婚や出産のタイミングで「仕事と家庭の両立がむずかしい」と退職する女性看護師が多いのも事実です。

近年は、夜勤をしない「日勤常勤」や、後ほど紹介する「短時間正職員」などの新たな働き方も注目されていますが、導入する施設は一部にとどまっているのが現状です。

非正規職員の特徴と働き方

正職員以外の働き方を「非正規職員」と呼び、その種類はさまざまです。看護師は非常にやりがいのある仕事ですが、頑張れば頑張るほどライフワークバランスを保ちにくいという問題があります。プライベートの時間を犠牲にしたり、健康を損なったりする前に、自分に合った働き方にシフトすることが大切です。

パート・アルバイト

パートやアルバイトは、非正規職員としてもっとも一般的な働き方です。正職員に比べて労働時間が短く、家庭の事情に合わせた働き方ができる一方で、収入減が避けられず、福利厚生も正職員ほど充実していません。

しかし、夜勤や委員会が基本的に免除されるため、「子育て中でフルタイムは無理だけど、看護の仕事は続けたい」「久しぶりの職場復帰なので、まずは短時間勤務から始めたい」という方に人気の雇用形態です。

契約職員

就業先と労働者の間で労働契約を結び、あらかじめ決められた期間(契約期間)に働く雇用形態です。雇用期間の終了を迎えると同時に、労働契約も自動的に終了する仕組みになっています。

1回の契約につき雇用期間の上限は原則3年で、専門的な知識を有する労働者や、満60歳以上の労働者との契約においては最長5年と定められています。契約期間中は、やむを得ない理由がある場合を除き、不当に労働者を解雇することは禁止されています。

また、契約期間中の賞与・契約終了時の退職金の支払いは職場によって異なるため、契約職員に適用される就業規則や、労働契約等で確認するとよいでしょう。

派遣職員

就業先が労働者を直接雇用するのではなく、労働者が人材紹介サービス・派遣会社などに登録し、「派遣会社の職員」として病院や施設に出向する働き方です。月々の給与や社会保険は、就業先の施設ではなく派遣会社が負担します。

派遣職員のタイプには「紹介予定派遣」と「代替派遣」があり、前者は一定期間就業した後、就業先と労働者が合意すれば「正職員」として直接雇用に移行する仕組みです。一方の代替派遣は、産休や育休中の看護師に代わって一定期間のみ就業します。

契約職員と派遣職員は、「雇用期間(就業期間)が決まっている」という点で共通していますが、就業先と直接雇用契約を結ぶ契約職員に対し、派遣職員は派遣会社の職員として出向するという違いがあります。また、紹介予定派遣は「正職員への移行を前提とした派遣」であり、一定期間内の就業を通して、職場の雰囲気や業務内容などを把握できる点がメリットです。

慣れない人間関係や職場環境で働くことになっても、就業期間が決まっていれば「終わりがある」と割り切ることで精神的負担を軽くできます。デメリットとしては、契約職員・派遣職員のいずれ場合も「期間限定」の働き方であるため、リーダーや管理職としてのキャリアアップはむずかしくなるでしょう。

新たな働き方として注目!「短時間正職員」とは?

近年、ライフワークバランスを保つために推進されているのが「短時間正職員制度」です。通常のパート勤務と異なり、正職員でありながら短時間のみ働く雇用形態です。賞与・社会保険・育児休業の取得といった待遇面や、昇格・昇給の機会も従来の正職員と同等に与えられます。

勤務時間が短くなることで多少の収入減はあるものの、基本的には正規雇用の職員と同様の給与体系であるのも特徴です。現在、短時間正職員制度を導入している医療機関は約2割程度と言われていますが、ライフワークバランスの確保・仕事と家庭の両立のためにも、さらなる普及が期待される働き方です。

正規職員で働くメリット・デメリット

正規職員として働くメリットは、主に「安定」「やりがい」「キャリアアップ」の3つではないでしょうか。正職員の場合、基本給・賞与・各種手当てなど、経済的な安定が確保されます。厚生年金に加入すれば、将来の老後資金も期待できるでしょう。

また、チームリーダーや主任などの責任ある立場を任せてもらえるのも、正職員に限定されます。与えられたポジションで確実に結果を残していけば、将来は役職に就くことも夢ではないでしょう。管理職や特定分野でのエキスパートを目指すことで看護師としての新たな目標設定にもなり、昇格すれば年収アップも期待できます。

一方で、正職員として働き続ける場合、覚悟しなければならないデメリットもあります。それは、「安定」や「やりがい」のために、より多くの責任を負わなければならないという点です。正職員であることによって、夜勤・委員会活動・部署内で任された役割など長時間労働が常態化しやすく、仕事とプライベートの両立がむずかしくなるかもしれません。

仕事とプライベートのバランスを考えて、ベストな働き方を選ぼう!

さまざまな雇用形態がありますが、どの働き方も一長一短があります。「自分にとって理想の働き方は?」「人生において何を大切にしたい?」など、自問自答しながら、理想の生き方・働き方を見つけていきましょう。プライベートを重視したい方、家庭を優先させたい方は、仕事とプライベートのバランスを考えた上で、自分にとってベストな雇用形態を選択することが大切です。

■この記事を書いた人:遠藤愛(えんどうあい)
関東の病院で外科・内科・地域包括ケア病棟、地域連携室に勤務。
その後、介護施設、訪問看護に従事。看護学校での外科看護臨時講師の経験あり。

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