宮城県では、今後高齢化が進展し多様化する医療ニーズに対応するため、効率的かつ効果的な医療・介護サービスの構築が求められています。そのため、医療福祉情報ネットワーク利用の促進や在宅医療の提供体制の構築といったさまざまな施策・取り組みを推進しています。
例えば、医療福祉情報化の推進を行っています。東日本大震災の経験をもとに、ICTを活用した医療福祉情報ネットワーク構築の認識・活用への関心が高まり、「みやぎ医療福祉情報ネットワーク（MMWIN）」が整備・運用されています。これは、医療機関、薬局、介護保険施設等で情報を共有することで、大規模災害時でも医療の継続が図られることを目的としています。また、医療機関同士が緊密な連携を図り、診療の質向上、患者の負担軽減、医療費適正化の推進といった、更なる医療・介護サービス提供につながることが期待され、より多くの医療機関、薬局、介護保険施設および患者のネットワーク利用促進に努めています。
さらに、宮城県は在宅医療のニーズの増加に対して、在宅医療の提供体制の構築を推進しています。訪問診療を実施する診療所・病院、後方支援を担う病床を有する医療機関との連携を深め、在宅患者の急変時等に入院を含めた適切な対応が可能な体制を構築しています。
そのほか、医療安全対策の充実強化や大規模災害時の医療救護体制の強化の推進等、さまざまな施策・支援を行っています。
出典： 宮城県地域医療計画
宮城県の看護師に対する支援・取り組み
宮城県の人口10万人あたりの就業看護職員数は、全国平均を下回っており、高齢化の進展や人口減少に伴い、今後も看護師の需要が高まると考えられます。そこで宮城県では、看護師に対する支援・取り組みとして、看護師の県内就業の促進や看護師の資質向上と離職防止対策を行っています。
まず、看護師の県内就業を促進するため、将来宮城県内の医療機関等で勤務しようとする看護学生を対象に、修学資金を貸与する「宮城県看護学生修学資金貸付事業」を行っています。また、「看護学生・未就業看護師等病院就職ガイダンス」、「病院見学ツアー」、「病院紹介ガイドブックの作成」等を実施し、看護師の県内定着を促進し、地域偏在の解消に努めています。
看護師の資質向上では、認定看護師の資格取得支援といった看護師がキャリアアップできる体制の充実、在宅医療や訪問看護の推進を図るため、特定行為研修を受講する看護師に対する支援も行っています。
看護師の離職防止対策では、新人看護職員の資質向上や離職防止を図るための研修を実施した医療機関に対して、経費の補助、研修責任者研修、就労環境改善研修等を行っています。
また、子育てをしながら安心して勤務できる短時間勤務制度の導入や、院内保育の整備や運営の支援、医療業務補助者の配置補助など、勤務環境の改善を推進し離職防止を図っています。
このように、宮城県では高度化・多様化する看護需要に対応できるよう、看護師に対してさまざまな支援・取り組みを行っています。
出典：宮城県看護学生修学資金貸付事業