高知県では、医師や看護師などの医療従事者の確保や、在宅医療の推進に向けて多職種間の連携強化などに取り組むとともに、医療・介護サービスの提供体制を構築することが必要となっています。限られた医療資源の中で、質の高い医療を県民に適切に提供するために、患者に対して治療に関する情報提供や病期や病態に応じた医療の連携を行っています。
高知県では医療に関する情報提供において、医療法に基づく立入検査をはじめ、必要に応じて医療機関に対して必要性の周知と指導を行うなど「インフォームド・コンセント(チョイス)の推進」や医療機関がインターネット上から各医療機能情報を登録でき、県民がその情報を閲覧できるシステム「高知医療ネット」を平成22年から運用しています。
また、診療情報や画像の電子化、情報通信技術(ICT)を生かした遠隔医療の導入や多職種間での医療情報の共有など、医療の情報化が進んでいます。中山間地域が多く、高度医療機関が県中央部に偏在する高知県にとって、医療の情報化は非常に有効な手段であり、今後も拡大していくために、高知県医療介護連携情報システム、へき地医療情報ネットワークの推進が必要です。
そのほかにも、高齢化の進展に伴う在宅医療ニーズの高まりに対し、医療・介護・福祉サービス等の地域資源を切れ目のないネットワークでつなぐ「高知版地域包括ケアシステム」の構築を推進するなど、「県民誰もが安心して医療を受けられる環境づくり」を目指しさまざまな取り組みを行っています。
出典: 第7期高知県保健医療計画
高知県の看護師に対する支援・取り組み
高知県では、県内の看護師等養成施設を卒業して、県内に就業する人が中央保健医療圏に集中しており、ほかの地域(特に山間部地域)で、新たな人材の確保が難しくなっています。また、医療の高度化・複雑化が進む中で質の高い安全な医療を提供するために、看護師に対してさまざまな支援や取り組みを行っています。
次世代の看護師の育成と県内定着についての対策として、看護学生に対して、「看護師等養成奨学金」についての説明会の開催や県内病院などの紹介を通じて、高知市及び南国市周辺の地域で働く看護師等の確保を図っています。また、看護への関心と理解を深めてもらうために、関係団体と連携し、看護フェア、出前授業の開催や、高校生や一般の人を対象とした「ふれあい看護体験」などの取り組みも行っています。
次に、専門性の高い看護師等のキャリア形成支援として、高知医療再生機構等と連携しています。安心で質の高い医療提供体制の充実を図るため、県内の医療機関に勤務する看護職員による、専門看護師、認定看護師や認定看護管理者の資格の取得を支援しています。
そのほか、職場環境の整備や復職支援の取り組みなど、高知県では看護師に対するさまざまな支援・取り組みを行っています。
出典:高知県看護師等養成奨学金貸付金制度