青森県の平均寿命は、年々延びている一方で男女ともに47都道府県のなかで最下位でもあることから、全国との健康格差が縮小され、全ての県民が健康で幸せに暮らせる社会の実現を求めています。そのため、県民が適切な保健・医療・介護・福祉サービスの提供を受けられる環境を整備するとともに、県民が健康に関心を持ち、主体的に健康作りに取り組むことを重要としています。
また、団塊の世代が75歳以上になる2025年に向けて、保健・医療・介護・福祉体制の充実だけではなく、さまざまな生活機能の確保・提供体制の構築が求められています。青森県では、こうした保健医療を取り巻く変化や青森県の現状・課題を踏まえて、今後の保健・医療提供体制の充実を図るため、青森県保健医療計画の見直しを行っています。
例えば、患者の医療需要に応じた適切な医療機能を提供できるよう、不足が見込まれる病床機能への転換を促進したり、在宅医療の充実のための環境整備を行ったりしています。
また病院、診療所における電子カルテシステムの導入・診療情報のICT活用も進めています。医療情報の電子化を推進することにより、医療従事者間で患者データが共有・活用しやすくなり、患者への適切な情報提供が行われるなど、診療の質向上につながります。
他にも「あおもり医療情報ネットワーク」を運営し、病院や診療所などの医療機関から薬局の機能に関する情報を提供しています。県民は、いつでも県内の医療機関について情報を確認することが可能です。
出典: 青森県保健医療計画
青森県の看護師に対する支援・取り組み
青森県の対人口10万人の看護師数は他の都道府県に比べ、高い水準にあります。二次医療圏ごとの人口10万人に対する看護師数を見ると、津軽圏域、八戸圏域、青森圏域では全国平均を上回っている状況です。しかし、それ以外の圏域は、平均よりも少ない結果となっています。
また新人採用については、隣接する県や首都圏などの医療機関のほうが県内よりも募集時期が早いこともあり、青森県内の看護師等養成所の卒業生の県内就業率は半数に留まっています。一方で、医療の高度化・専門化が進んでいる中で、良質で安心安全な医療を提供するために看護師の役割はますます重要になってきます。さらに、看護師等のキャリア志向に応えるとともに、県民に対する看護サービスの向上を図るため、看護師等のキャリアアップの支援も必要とされています。
このことを受け、青森県ではライフステージに応じてキャリアチェンジしながら働きつづけられるよう「青森県看護師サポートプログラム」を策定しています。このプログラムに基づき、関係機関と連携しながら「県内就労の支援」「キャリアアップ応援」「魅力ある職場づくり」を行っています。
出典:第2章 保健・医療・介護・福祉を担う人材の養成確保と資質の向上