秋田県では、今後人口減少や高齢化が進展し、多様化する医療ニーズに対応するため、質の高い医療を受けられる体制の整備を構築しています。地域間の医療格差が課題となっており、ICTを活用した地域医療ネットワークの構築や在宅医療提供体制の整備等さまざまな施策・取り組みを推進しています。
秋田県では、質の高い医療提供体制と地域包括ケアシステムを構築するために、ICTを活用した情報共有を進めています。地域医療情報ネットワークとして、平成26年度から県と県医師会が共同で構築した「秋田県医療情報ネットワークシステム(あきたハートフルネット)」を運用しています。さらに、患者・家族と医療・介護従事者の情報共有ツールとして、「在宅医療・介護ICT連携システム(ナラティブブック秋田)」も平成27年度から導入しており、地域包括ケアシステムの構築に向けた多職種連携の推進を行っています。
また、高齢化社会を迎え介護・医療ニーズが増大していることから、在宅療養者の疾患、重症度等に対応した医療や介護が包括的に提供されるよう、在宅医療にかかわる多職種協働によるチーム医療体制の構築を推進しています。
そのほかにも、効率的かつ質の高い医療提供体制の実現を目指し、さまざまな施策や取り組みを行っています。
出典: 秋田県医療保健福祉計画
秋田県の看護師に対する支援・取り組み
秋田県の人口10万人あたりの就業看護職員数は、全国平均を上回る状況で推移しています。しかし、高度先進医療や訪問看護、緩和ケアといった幅広い看護の役割に対応するため、看護師の安定的な確保や勤務環境の改善が求められています。
こうした現状を踏まえ、看護師の人材確保と定着、早期離職防止、資質の向上に対するさまざまな施策を行っています。
看護師の県内定着を図る施策として、看護師等養成施設や在学生への支援や将来秋田県内で看護師を目指す学生に修学資金を貸与する「秋田県看護職員修学資金等」を行っています。また、看護の重要性について理解と関心を深めるため、関係機関と連携し、「看護の日(5月12日)」を中心に看護体験事業や看護相談等の各種普及啓発活動の推進を図っています。
次に、看護師の職場定着や離職防止の推進を行っています。院内保育所の整備や運営に対して支援を行い、子育て中の看護師の職場定着・職場復帰促進を図っています。そのほか、看護師のワークライフバランスの推進に関する研修の実施や、医療勤務環境改善支援センターにおける労務管理分野等のアドバイザーの派遣を行い、勤務環境改善に向けた取り組みの支援、看護師の離職防止対策に努めています。
さらに、高度化・専門化する医療に適切に対応できるよう、看護師の資質向上や潜在看護職員の復職支援といった看護師に対するさまざまな取り組みを行っています。
出典:秋田県看護職員修学資金について