山口県では、高齢化の進行による人口・世帯構造の変化や、医療技術の進歩や情報化の進展等に対応するため、良質かつ適切な保健・医療提供体制の整備を推進しています。そのため、ICT技術の活用や保健・医療・福祉の連携等、医療現場ではさまざまな支援・取り組みを行っています。
例えば、遠隔医療の分野においてICTを活用し、CTやMRI画像の読影等を遠隔地から実施する「遠隔画像診断」や、体組織の画像や顕微鏡の映像を送受信する「遠隔病理診断」等の診療支援を推進しています。また、県民が必要とする医療情報が手軽に、的確に入手できるよう、「やまぐち医療情報ネット」の充実に努めています。
さらに、多機関・多職種が参加できる、安全で持続的に運用可能なネットワーク「地域医療介護連携システム」の整備を促進し、安全なネットワーク環境を活用した関係機関の情報提供を促進しています。
その他にも、今後、増大する在宅医療ニーズに対応するため、地域で在宅医療を担う人材（指導者）を養成するための「多職種協働研修」を行い、在宅医療を担う人材の知識・技術の向上やチームによる取り組みを促進しています。
出典： 山口県保健医療計画
山口県の看護師に対する支援・取り組み
山口県の人口10万人あたりの就業看護師数は、全国平均を上回る状況で推移しています。しかし、高齢化の進展に伴い、訪問看護ステーションや介護保険施設等での看護師需要は増加する見込みです。看護師の安定的な確保を目指し続ける必要があるとともに、医療の高度化・専門化、チーム医療の推進に対応していくために看護師の資質向上支援も求められています。
その一環として、将来山口県内の医療機関等で看護業務に従事しようとする看護学生に対して、修学資金を貸与することで、新卒看護師の県内就業・定着を図っています。また、中高生などの若年層を対象とした「1日ナース体験」や、山口県看護職員総合情報サイト「やまぐちナースネット」を通じ、看護に関する情報を県内外の看護師や看護学生等に発信するなど、看護師の養成・確保を推進しています。
次に、看護師の資質向上のため、新人看護職員研修や特定行為研修等の支援を行うことで、教育体制の充実を図っています。そのほか、訪問看護師の経験年数や職位に応じた研修を通じ、訪問看護師の資質向上を図り、在宅療養支援体制の強化に努めています。
このように、看護師の就業場所（病院、診療所、訪問看護ステーション、介護老人保健施設、社会福祉施設など）の多様化に伴い、看護師が働きやすい環境の整備や効果的・効率的な看護師の確保のための支援・対策を行っています。
出典：看護師等修学資金について
山口県保健医療計画