岡山県は、今後高齢化が進展し、医療・介護サービスの需要が増大していく中で、患者それぞれの状態にふさわしい良質かつ適切な医療を提供する体制の構築が求められています。そのため、医療機能の分化・連携を進め、各医療機能に応じて必要な医療資源を適切に投入し、入院医療全体の強化や退院患者の生活を支える在宅医療および介護サービス提供体制の充実が必要とされています。
岡山県では医療機能の役割分担と連携を促進し、病院の電子カルテや画像等の診療情報をかかりつけの診療所等で閲覧できる、ICTを活用した医療情報ネットワーク岡山(晴れやかネット)を構築しました。さらに、患者の療養情報が記載されている連携シートを医療・介護に関わる多職種の関係者で共有し、参照・入力することのできる新たな機能(ケアキャビネット)を追加したシステムを構築し、「晴れやかネット」と「ケアキャビネット」の利用促進に取り組んでいます。
また、2025年以降は団塊の世代がすべて後期高齢者になることで、要支援・要介護認定者数の増加が見込まれます。そのため介護サービス提供体制の充実・強化を行い、介護サービスに従事する介護職員、訪問看護職員の確保に加え、勤務環境の整備や資質の向上に取り組んでいます。
そのほかにも、効率的かつ質の高い医療提供体制の実現を目指し、さまざまな施策や取り組みを行っています。
出典: 第8次岡山県保健医療計画
岡山県の看護師に対する支援・取り組み
岡山県の人口10万人あたりの就業看護職員数は、全国平均を上回る状況で推移しています。
しかし、今後さらなる高齢化の進展や人口減少に対応するため、将来の医療需要を見据えながら、必要な看護職員確保について検討する必要があり、岡山県では看護職員の確保と定着、再就業の促進、資質の向上といったさまざまな施策を展開しています。
新卒就業者の県内就業の増加・定着を図るため、将来岡山県内での就職を希望する看護職員養成施設在学者等に対して、奨学金を貸与しています。また、進路ガイダンスの開催などを通じて積極的に県内の看護情報を提供し、看護学生の県内就業を促進しています。
そのほか、中高校生等を対象とした看護体験事業や看護職に対する理解を深めるためのセミナーの開催、冊子の発行などの啓発活動を行い、看護職を目指す学生の増加を図っています。
次に、職場定着の推進を図るため、病院ごとに厚生労働省の新人看護職員研修ガイドラインに沿った研修を行い、新人看護職員の職場定着を支援しています。看護職員が能力を発揮し、働き続けることができる職場環境となるよう、医療勤務環境改善支援センターを通じ、各医療機関からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言、その他の援助を行っています。
さらに、子育てをしながら働き続けられるよう、院内保育施設支援や延長保育・病児・病後児保育等の充実にも取り組んでいます。
出典:
岡山県看護学生奨学資金について