院長をご紹介します!
新しい建物に新しい名「ひかりテラス病院」。旧名(光洋台)のイメージを継承しています。これまで培ったノウハウを生かし、引き続き、ご高齢の患者様の療養を基本的な柱とした診療が行われます。80歳以上の国民が1割を超える時代、当院も頑張っていきます。
新しくなっても当院に伝わるヒポクラテスの言葉は不朽の教訓です。「医師は専門的な知識を持つだけでなく、病者の一人一人の環境とまたその病気によって負わされる社会的な重荷についても静かに考えをめぐらし深い関心を払わねばならない」。熊本大学初代学長(昭和25~34年)鰐淵健之先生の文だそうですが、病人の「病」だけに注目して近視眼的暗愚魯鈍にならないよう「人」の全体を光で照らし大所高所からも見る、すなわち着眼大局・着眼小局を心がけること。新名称によくマッチしています。
それから70年、医がさらに発展した昨今では尚更です。いわゆる老化に伴う病人の「病」の問題点は通常は一つでなく、体力の制限のある中で詳細な検査がなされても、総合評価の結果はしばしば治療は根本的には若返りと同じくらい容易でないと結論され、結局は問題とのつきあい方と先見性の高い予後への用意が重要となります。ご本人様のご意志とご家族様のご意見にも考えをめぐらし、行政機関等のご協力も必要です。古人の言の通り、「人」の全体を光で照らすことが大切です。
「人」を照らす光は宛ら舞台のスポットライトのようで、「人」がその人生の主役です。一方の病院スタッフは裏方か黒子か脇役ですから、主役の邪魔をするような余計なことをしてはいけない。一方通行の人生行路の長編物語の晩年に主役が入院した場面において、その「人」に光を当て、多方面から手助けし、お手伝いする役割を謙虚に自覚する必要があります。
令和5年12月
病院長 木村竜也