大事にしていること
私がいちばん嬉しいのは、スタッフが「仕事が楽しい」「会社にいると楽しい」と笑顔を見せてくれること。訪問看護の仕事はやりがいがあり、充実感もありますが、同じくらい厳しいこともあるなかで、「仕事が好き」「会社が好き」と言ってくれている様子をみると、私が目指してきたことが間違っていなかったと思えます。
スタッフを信じ自主性を重んじてステーションを運営していますが、年に1度、全ステーションのスタッフが集まって懇親会を開催しています。
そのときにお芝居、映画など、毎年さまざまな出し物を企画してくれるんです。その年に流行ったことを上手に織り交ぜながら脚本が書かれるのですが、その出し物には必ず私も出演しています。出しゃばって手を挙げているわけではありません。そうではなくて、キャスティングされているから、出るのです(笑)。出演する以上は100%以上の力を出し切りたい。ボディコンを着たこともありますし、踊ったこともあります。いつだって本気、みんなが愉しもうと企画したものに参加するときは、体を張ります(笑)。
経営者ができることは、スタッフが働きやすい環境を作ること。私自らも看護のために訪問をしていますが、各訪問先での仕事はスタッフひとりひとりを信じて、基本は任せています。もちろん、問題が起こった場合は私が責任を取るという覚悟のうえで、それぞれの個性を生かして、それぞれに充実した看護をしてほしいと考えています。ですから、訪問先での実践で私ができることはないに等しいんです。でも、職場環境を整えること、風通しのいい環境を作ることは社長である私にしかできません。スタッフひとりひとりが充実感を持って伸びやかに仕事ができる環境を作ること。今の私のいちばんのテーマがそれです。
スタッフみんなの意見をきちんと聞いて、決まり事や規則もスタッフみんなで決める。自分たちで会社を作り上げているという自覚が持てる雰囲気を作り、持続したいと思います。夢は、患者さんそれぞれが「自分のやりたいこと」を実現できる在宅看護。そして、それを支える訪問看護師の育成です。まだまだ夢の途中。訪問看護師がイキイキと仕事ができるように、スピード感を持って環境づくりを続けていきたいと考えています。その結果、患者さんが満足できる訪問看護につながる、そう信じています。