全国的に高齢化が進行する中で、奈良県においても医療・介護を必要とする高齢者の大幅な増加に伴う、質の高い医療ケアの提供が求められています。そこで、奈良県では専門性の高い医療従事者の確保に加えて、地域を支える医療体制整備を推進する取り組みが行われています。
奈良県では、県内の病院、診療所、助産所などの医療機能に関する情報をインターネット上で提供する「なら医療情報ネット」を運用しています。これは、最寄りの医療機関や薬局、今すぐに受診可能な病院を検索できるだけでなく、病気や怪我など緊急時の対応について電話で相談することができます。ほかにも、「自分の健康と病気がよく分かるポータルサイト」を立ち上げ、個々の県民が最適なケアを選択できるよう情報の提供を行っています。同ポータルサイトでは、健康づくりに関する情報を提供するサイトとして「すこやかネットなら」を設け、それぞれの県民の状況に合わせた情報を提供する仕組みを作っています。県民の医療ニーズが多様化する中で、急病時等に適切な選択を行えるよう支援するとともに、気軽に相談可能な環境を構築することで、県民の安心感をより高めています。
その他、在宅医療・地域生活を支援する機能転換および医療、介護、福祉等の関連施策を総合的に取り組むために「なら健康長寿基本計画」に基づいた健康づくり施策を推進しています。
出典： 奈良県保健医療計画
奈良県の看護師に対する支援・取り組み
奈良県では看護師の離職率は年々減少傾向となっていますが、結婚、出産、育児などのライフイベントによるとされる離職は未だ一定数あるようです。そこで、県内に従事する看護師の人材確保を図るために私立の看護師学校等を卒業後も奈良県内の特定施設で看護業務に従事する方を支援する修学資金の貸与を行っています。また、近年育児休業制度の活用は定着してきましたが、介護休業等の取得にはばらつきがあるため、家庭と仕事の両立に向けて、多様な働き方を選択できる環境づくりと年齢を重ねても働き続けられる環境づくりを進めています。
さらに、今後の高齢化に向けて看護師の資質向上を図るために、看護師の育成・研修を開催しています。在宅医療を担う看護師の育成や特定行為研修によって高度で専門性の高い看護知識・技術を身に付けることで、看護師のキャリア形成を支援するとともに地域の安定した医療提供の実現を目指しています。
その他、ナースセンターと積極的に連携をとり、県民の方々に看護への関心を深めてもらうことを目的とした「ふれあい看護体験」や「看護の出前授業」などを通したPR活動を行っています。
出典： 奈良県看護師等修学資金
看護関連の補助金について