看護師の採用面接で看護部長が見ている重要ポイント

看護師不足に悩む病院が多い中で、看護師は自分の希望する病院、希望する働き方などを選べる時代になって来ました。病院、施設の多くでは年に数回の採用試験、または随時採用試験を実施する施設もあり、採用試験に欠かせないものは「採用面接」です。個人面接、グループ面接など面接方法も様々ですが、面接での印象や結果は入職を決めるだけでなく、入職後の勤務においても大きな影響を与えてしまう場合もあります。

そんな採用面接時にどのような事がポイントになるのか、どのような事に注意すべきなのか、実際に面接官となっていた元看護部長にお話を伺いました。

1. 第一印象はやっぱり大事?

Q. 第一印象は大事ですか?

A. 人柄などはまだわからない状態だからこそ第一印象は非常に大事です。

看護師だけでなく、一般企業においても採用面接時に注意しなければならないのは第一印象です。多くの面接に立ち会う人事のプロでも、1度の面接で初対面の人間の人柄を全て把握することは不可能です。そこで重要となるのが第一印象です。

採用面接時は面接を受ける方も、面接をする方も探り合いの状態にあります。そんな中で、第一印象が良いということは、面接の開始から終了までの時間において良い印象を与えることができるという事になります。印象に残るという事は、採用を決定するというだけでなく、入職後にも面接時に印象の良かった人という、良いイメージで就職することができるのです。新しい環境で仕事を始める人にとって、これは大きな効果となるのではないでしょうか。逆に印象が悪いと、例え入職出来たとしても、印象が悪かった人というマイナスを背負ってしまう事にもなるのです。

さて、いい第一印象をもってもらうために具体的に何に気をつけなければならないのでしょうか。

Q. 第一印象がいい人に共通することや、見ているポイントはどこでしょうか?

A. 清潔感とバランスが第一印象に大きく影響を与えていると思います。あと服装が私服の人よりもスーツで来ている人のほうが印象がよく見えますね。

髪、化粧、服装、靴、座り方、話し方、態度と気を付けなければならない事は様々です。当たり前のことのようですが、まずは清潔感のある印象を心がけることが大事です。採用面接には基本的にスーツを着ていく事になると思いますが、そのスーツ姿をベースにして、髪、化粧、靴などを、バランス良く、清潔感を意識して揃えていきましょう。

Q. 第一印象で採用を見送ることってありますか?

A. あります。清潔感がない方は特にずっといい印象を持つことができず、採用を見送ったケースがあります。短時間でその人の人柄を全て理解した訳ではもちろんありませんが、入職後のリスクもありますので。

Q.逆に第一印象があまり良くなかったけど採用したケースもありますか?

A.第一印象で不安のある人だったのですが、人材確保が急務であった際に採用を決定したケースもありました。結果的に人間性や協調性などの面で色々と問題があり、指導や教育に苦労するという結果になってしまい、必要以上の労力をかける結果になってしまいました。

採用を勧めることで人材不足を解消する事は大切な取り組みではありますが、入職後のリスクや混乱を想定できる場合には、採用を見送る方が安全と判断されてしまう場合もあるのです。
具体的な人柄が分からない状態だからこそ、第一印象は非常に重要なポイントになります。またその印象は、入職後にも影響を与えるという事を忘れてはいけません。

2. 履歴書を書く前から戦いは始まっている?!

多くの場合、採用試験の予定が決まれば、試験担当者のもとに事前に履歴書が配布されます。経歴、資格、長所、短所、趣味、特技、志望動機など、一般的にはこれらの項目が記載されていますが、この履歴書こそが自分自身を知ってもらう最初のポイントになります。その最初のポイントでつまずくことは気をつければ避けられることなので、是非知っておいてください。

Q. 履歴書で大事なことは?

A. まず書く前に指定の書式があるかどうか必ず確認してください。うちは指定の書式を用意してあり、それを使ってもらうように人事から説明をしているはずなのに、それでも違う書式を使う方がいました。言ったことが伝わらないとなると、印象はやっぱり良くなかったですね。

これでは書いてある内容を見る前に、指定の履歴書でないという事に注目されてしまい、場合によってはそれが理由で内容を確認してもらえないまま、採用を見送られてしまう事もありえます。必ず指定の履歴書があるかどうかは確認するようにしましょう。ホームページなどに施設が指定する履歴書の書式をダウンロード出来る場合もありますので、入職を検討している施設のホームページを閲覧する際に確認するもの良いでしょう。

Q. 履歴書は手書きとPC入力、どちらがいいですか?

A. 手書きで書いてある方が印象がいいです。綺麗な字であれば確かに読みやすく、印象は良くなりますが、字を書くのが苦手という人でも、丁寧に書くという事を心掛けましょう。字に自信がない人はどうしても小さな字になってしまう場合も多いです。履歴書は読みやすさが大切ですから、履歴書の枠に沿って適度な大きさの文字を丁寧に書きましょう。適度な大きさで丁寧に書くという事に注意して履歴書を書けば、必ずその意思は伝わります。

PCでの記載が許可されている場合でも、手書きでの履歴書の記載は誠実さや個性を伝えることもできるようです。字に自信がない人も思いきって、手書きの履歴書の作成を検討してみることも有効ですね。

Q. どういった履歴書だといい印象をもちますか?

A. 志望動機や今後自分がどのように働きたいかという点については、具体的に記載するようにしましょう。漠然とした内容では面接官もイメージできません。次の施設で自分自身がどのような看護を展開していきたいか、どのように働きたいかを具体的に伝えることが大切です。

Q. 職務経歴書って必要ですか?

A. 既卒者の方は自分自身のこれまでの経歴をアピールできるので、効果的だと思います。

職務経歴書を一から用意することは大変ですが、作って損はなさそうですね!

3. 志望動機、一般的な返答では物足りない!

面接でも、履歴書でも、必ず聞かれる志望動機。その受け答えなど、どのような点に意識を置いているのでしょうか?

Q. 志望動機を伝える際に大事なことはなんでしょう?

A. 面接でも履歴書でも、漠然としたどこの施設でも当てはまるであろう一般的な返答では物足りません。この施設において、具体的に自分自身がどのように働くのかをアピールすることが大切です。

自分のやりたい看護、興味のある診療科や部署、給与などの採用条件など、就職先を決める理由は人それぞれです。「貴院様の理念に感銘を受け」「病院や看護部の取り組みや目標が自分の目指す看護に近いため」など、病院や看護部の理念や目標、取り組みなどを抜粋してそこに着目したコメントはもちろん大切です。組織の一員として働く事になるわけですから、この部分は最低限理解しておく必要があります。最近はホームページにて容易に理念や目標を知ることができます。また、病院や看護部の取り組み、教育体制や、日々の様子などの情報発信をしている病院も多いため、これらの情報をもとに、魅力と感じる部分などを志望動機などに入れると、自施設の情報をしっかりと把握してくれているなという評価をもらえる場合も少なくありません。情報発信されていることは確実に把握しておくようにしましょう。

新人看護師の面接ではどうしても一般的な志望動機の内容になってしまいます。これは初めての臨床経験となるため仕方ない部分もありますが、既卒者の場合であれば、これまでの自分の経験を踏まえて、どのように働きたいかをきちんと伝え、自己アピールするようにしましょう。

4. 転職を繰り返している人は要注意!?

履歴書を見るうえで最初に目に入る職歴欄。過去の転職歴や退職理由などどこまで正直に話いいものでしょう?

Q. 職歴について大切なポイントって何かありますか?

A. 退職には様々な理由が人それぞれあるかと思いますが、退職や転職の理由は正直に答えましょう。退職や転職の理由よりも、次の施設で自分自身がどのような看護を展開していきたいか、どのように働きたいかを具体的に伝えることの方が重要です。

Q. 転職した回数が多いのはやはり不利ですか?

A. 数ヶ月で転職していたりする場合には明確な理由がない限り、入職してもまたすぐに退職、転職してしまうのではないかという不安はよぎります。

自分自身のスキルアップや、やりたい看護を実践したいという思いがあるのであれば、転職はひとつの選択肢となります。転職後も各施設で目的を達成し、さらなるステップアップを考えての転職であれば良いのですが、単に転職を繰り返すだけでは、信用に欠けると判断されてしまうこともあるのです。いくら目的を明確に持って就職を決めても、すぐにその目的を達成することは難しいでしょう。継続して取り組むことができなければ目標を達成することはできません。そのため、数ヶ月単位で転職を繰り返していたりすると、誤解されてしまうこともあるのです。

Q. 転職した回数が多い方の採用実績はありますか?

A. あります。実際に数ヶ月単位で転職を繰り返していた方の採用を決めた方がいます。その人は面接の印象も良く、これまでの就職先では自分がやりたいことができず、仕方なく転職を繰り返してきたと話していました。今回の転職を最後にするつもりで、頑張っていきたいということでしたので、採用を決めましたが、半年後に退職されました。退職理由を聞いた所、ここでも自分がやりたい看護ができないと判断したとのことでした。

転職について、次のようにお話されていました。

転職は、自分自身の人生や、看護師としてのキャリアアップには必要となることもありますが、安易な転職は時としてマイナスイメージを持たれてしまう危険があるということを忘れないで欲しいです。また、自分がやりたい看護や優先すべきライフスタイルや雇用条件があるのであれば、それらを妥協してはいけません。自分の希望に沿った就職先をきちんと見つけるためにも、ホームページは勿論、インターンシップや病院見学などにも積極的に参加し、情報収集するようしましょう。実際の現場で働く看護師の姿や、話を聞くことがその病院や施設をイメージするためにも有効です。ホームページでは笑顔で楽しいと記載があっても、実際に働いている看護師は表情も暗く、疲れているということもありえます。自分自身の目で実際に確認することが大切です。あと雇用条件についても、注意しましょう。例えば短時間勤務での転職を考えている場合、病院や施設としては少しでも長い時間勤務してほしいのが本音です。事前にこの時間での勤務と決めているのであれば、曖昧な返答はせずに、希望する時間をきちんと伝えましょう。最初から無理な条件で就職しても、自分自身に負担をかけてしまうことになり、結果的に再度転職というケースもあります。
最近では子育てしながら、短時間での勤務を希望するママさん看護師も多くいます。院内に託児所や保育所を完備する施設も増えてきていますので、無理なく仕事も子育ても続けていける環境を選ぶことが大切なのです。

転職を失敗しないためにも、自分がやりたいこと、希望する労働条件を明確にし、それに沿った就職先を検討することが、自分自身の将来のためにもなり、不必要な転職を繰り返すことを防ぐことにもつながります。

5. まとめ

看護師は、現在自分の希望する働き方やスキルアップなどを考え、日本全国どこでも就職先を選ぶことのできる職業です。自分自身が看護師として成長したり、ライフスタイルの変化に伴い、やりたい看護や優先すべきことは変化していきます。それらの変化への対策として転職を選ぶ人も少なくありません。

新人看護師でも、既卒の看護師であっても就職を決める際に必ずクリアしなければならないのが、採用試験です。その結果によっては、その後の人生設計にも大きく影響を与えてしまう可能性もあるのです。採用試験には筆記試験や論文などの試験項目の他に、面接が必ずあります。いくら筆記試験が良くても、面接の結果次第では採用が見送られてしまう場合もあり、面接は非常に重要な項目であると言えるでしょう。

面接は、第一印象は大切にし、清潔感とバランスを大切にしましょう。入職を決めるだけでなく、入職後も第一印象が良かった人というイメージを持って業務に入ることができます。履歴書についても、丁寧に、可能な限り手書きで作成するようにしましょう。採用面接の定番の質問である志望動機については、一般的な当たり障りのない回答ではなく、自分自身のやりたいことや、目指す看護を明確にし、イメージしやすいように具体的に回答することにより、自分自身を面接官に知ってもらうだけでなく、良い印象を与えることにもつながるのです。

転職を繰り返していると、その理由や経過は必ず聞かれます。様々な理由があるかと思いますが、転職を本気で考えているのであれば、その理由を明確、具体的にすることが必要です。また自分が希望する条件を妥協せず、入職を考えている施設の情報は十分に確認して、慎重に転職を決めるようにしましょう。可能な限りインターンシップや病院見学などに参加し、実際の病院の雰囲気を自分自身の目で確認することをお勧めします。
就職する側も、採用する側も両方にとって良い結果になるように、転職を考えている人は今一度考えてみてください。

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この記事を書いた人:永島直俊
看護師として17年臨床勤務。
看護管理、院内感染、医療安全、救命救急、手術室、病棟看護経験あり。
管理職(看護部長の経験あり)として、各種管理、病院経営、職員教育の実戦経験あり。
現在はフリーランスとして医療関連、看護関連の執筆、記事監修などをおこないながら、次なる目標を求めて自己研鑽中。

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