看護師には喫煙者が多い? タバコを吸う人とそうでない人の違いとは?
2017年9月6日
看護師であるあなたはタバコを吸いますか? また周りの看護師はどうでしょうか。看護師にはタバコを吸う人が多いといわれていますが、ここでは実際の喫煙率や吸うようになったきっかけなどについて紹介していきます。
タバコを吸うことが良くないなと思いながらも辞められないという方に向けて、タバコに頼らないストレス発散方法も一緒にお伝えしていきます。周りに辞めたいけど辞められない人がいる方は是非教えてあげてください。
目次
1. 看護師と喫煙率の関係
看護師には喫煙者が多いというイメージは昔からありますが、現在では院内、施設内禁煙となっているところも多く、喫煙者は肩身の狭くなっています。現在の看護師の喫煙率についてはどのような状況なのでしょうか。
調査結果による喫煙率
「2013 年 看護職のたばこ実態調査」結果
「看護職の喫煙率は 7.9%(女性 7.2%、男性 29.5%)だった。国民全体の喫煙率は女性 9.0%、男性 34.1%」
調査の回答では国民全体の喫煙率からみると、看護師の喫煙率は下回っているのがわかります。そのため、看護師だから喫煙者が多いというのは、もう昔の話かもしれません。
看護師の喫煙率を下げる取り組みもある
実は日本看護協会では、看護師の喫煙ゼロに向けて看護学生への喫煙防止教育や禁煙教育などに取り組んでいるようです。また、施設内全面禁煙などの社会的な取り組みによる成果も少なからず出てきているのかもしれません。
しかし、それでも看護師や医師などの医療職の喫煙率は思ったほど低くないのは、同様に大きなストレスがかかりやすい仕事だからなのでしょうか。
2. 看護師の喫煙者はなぜタバコを吸い始めたのか?
看護師の中で喫煙している人がタバコを吸い始めたきっかけは何だったのでしょうか。
タバコを吸い始める年齢は20~29歳で吸い始めた人が6割強、20歳未満も2割強という結果があります。中でも年齢別ならば20歳で始めた人が一番多いようです。
看護師の場合には、学生時代から勉強や試験、実習などによるストレス環境にさらされる機会が多く、女性の多い場所での人間関係なども影響していると考えられます。ちょっとした息抜きや興味本位で吸い始め、今までやめられないという人も多いのでしょう。
また、実際に看護師として働き始めてからも、仕事の責任による緊張や過酷な労働による身体的・精神的負担などストレスは大きなものになります。日本看護協会の調べでは、離職したいと思っている人の方が喫煙率が高いことが分かっています。
このようなストレスがもとでタバコを吸うきっかけとなっているのかもしれません。
3. 看護師でタバコを吸わない人の理由
元々タバコの臭いが嫌いという人も多いのですが、患者さんへ指導する立場であり、健康被害の状況などは看護師をしていれば嫌でもわかります。そのため、タバコを今まで吸ったことがない人も多いのです。
しかし、仕事中は吸わないけど、家では吸うという人もいました。また、以前は吸っていたけど、現在は吸っていないという人もいます。それは、病院の喫煙所がなくなり、禁煙を始めた人、病気で入院したこと、妊娠をきっかけにという状況の変化が関係しているようです。
それでもタバコをやめられない人はどのような状況なのでしょうか。
4. タバコをやめるには
人によって合う合わないがあるかと思いますが、大きく分けて突然まったく吸わなくする方法と、徐々に減らしていく方法などがあると思います。自分の意志が強ければいいのですが、周りが吸っているとついつい…という人は環境に注意して、周りにも協力してもらう必要があるかもしれません。
喫煙者の多い場所(居酒屋やパチンコなど)には行かない、家族に監視してもらう、1回タバコを吸ったら500円貯金という人もいました。
ストレス発散方法を探す
タバコを吸う人で多く聞かれるのは、イライラしていてとか、暇で口さみしくてということです。うまく自分の感情をコントロールしたり、時間を有効活用するのが苦手な人が多いのかもしれません。
そのため、タバコ以外にも気分を落ち着かせる方法やストレス解消法をいくつか持っておくといいと思います。たとえば、タバコの代わりにスマホのゲームをする、日々運動のために適度なウォーキングやジム通い、週に1回はお風呂屋さんやサウナで汗を流すとかなどさまざまです。
ポイントとしてはすぐにできることと、毎日できること、週に1回~1ヶ月に1回などと、分けてストレス発散法を考えておくことです。
転職を含めた仕事のストレスを考える
根本的にストレスの原因が勤め先の病院や人間関係の場合には、転職することも一つの方法。我慢して一人で抱え込んでしまうよりも、いっそのこと環境をガラッと変えて禁煙も取り組むという人もいます。
特に看護師は、患者さんの命を預かり、常に緊張感を持った状態で働くことが多い仕事です。それ以外にも給与が見合っていないことや仕事内容、人間関係のストレスなどが原因で仕事に不満があると、タバコの量が増えてしまうという人は少なくありません。
ストレスを軽減させる方法として、自分らしく働けるところへ転職するということも視野に入れて考えてみてください。
禁煙グッズを使用するには注意
急にタバコをやめるのは難しいという方でも、最近では電子タバコなどの禁煙グッズも幅広く販売されています。ニコチンが含まれない日本の電子タバコは(海外のものだとニコチンが含まれているものもあるので注意)周りでも吸っている人が結構います。
嫌な臭いもないため、居酒屋などで隣の席で吸われてもそこまで不快に思うことはありません。しかし、これで禁煙成功した! と思う人もいるようですが、電子タバコでも有害物質がまったく含まれていないわけではありません。
ただ紙タバコが電子タバコに変わっただけのことなので、最終的には電子タバコがなくても大丈夫なようにすることを目標にした方がいいでしょう。
それに比べ、禁煙パイポやニコチンパットなどは、禁煙外来などでも平行して行われているので、市販のもので活用できるものがあります。今すぐ禁煙するのに自信がない場合には、こうしたものの助けを借りることも必要になるでしょう。
禁煙外来を利用する
タバコをやめられない人の原因にはニコチン依存症が考えられます。これは一時的にタバコをやめても、イライラしてしまう、情緒不安定になるなどの離脱症状が強くなる可能性が考えられます。
自分で禁煙を試してみたけど、なかなかうまくいかない人などは、このように禁煙外来を利用するのも一つの方法です。私の知り合いでは、通院してお金をかけていることから、挫けそうになっても、踏みとどまれるとよく言っていました。
また、同じようなグループの仲間がいて、情報交換できたり、セミナーに参加できたりすることもいい後押しになります。
その他、禁煙外来に通ったことがきっかけで、軽度のうつ症状があることもわかり、定期的にカウンセリングを受けることで、禁煙できた人もいました。このように、思わぬ形でストレスによる影響に気づくこともあるため、一人で抱え込まず、人に頼ってみるということも必要なのかもしれません。
5. 看護師の喫煙率はそれほど高くないが、禁煙にはストレスのコントロールが必要
看護師であればタバコの有害性は十分に承知しているけれど、ストレスなどが原因でなかなか思うようにやめられないのはつらいものです。しかし、ストレスを軽減するか、他のストレス発散法を探す、転職も視野に入れるなど、タバコをやめる以外にも、同時に対策が必要なことが分かってきました。
今すぐ始められることから、計画的に自分に合った禁煙をすすめていけるよう、工夫していってください。
看護師10年目。小児科、整形外科病棟、保育園などでの経験あり。
現在はフリーランスとしてクリニック、健診、ツアーナース、医療系ライターとして活動中。
家族構成は父母に妹一人。
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