看護師の仕事は責任が重い?看護師の責任とは?

看護師は「責任が重い」というイメージが強い仕事です。漠然と責任が重い仕事というイメージはあるかともいますが、具体的にはどのように責任が重いのでしょうか?また看護師の責任とはどのようなものなのか。看護師の責任という部分に焦点をあて、解説します。

1. 看護師は国家資格!国家資格に伴う責任とは?

国家資格とは法律に基づいて国や国から委託をうけた機関が実施する資格です。国家資格を取得するということは、専門的な知識、技術が一定水準以上に達していることを国が認定してくれるということであり、国から職業的な地位を保証され、社会的な信用も高い資格です。

国家資格の種類は約230種類ありますが、まずはそれぞれの受講資格を取得しなければなりません。難易度は様々ですが、国家資格を取得すれば、生涯その資格を保持出来ます。取得するメリットは大きな資格であると言えるでしょう。

そんな社会的信用の高い国家資格ですが、その信用に伴う責任を負うことになります。国家資格は取得後、何らかの問題を起こしてしまうと剥脱されてしまいます。知識や専門的技術をいくら持っていても、社会的な信用を得ることが難しいと判断されてしまうと、国家資格を取得、維持することは難しいのです。

国家資格取得者として、具体的にやらなければならないことはありませんが、国家資格取得者としての資質を問われるということに留意しなければならないのです。
例えば、なにかの犯罪を起こしてしまった場合、氏名だけで無く、看護師の○○容疑者と職業まで公表されてしまうことに違和感を感じた事はありませんか?看護師という職業はそれほど社会的にその責任を問われてしまう立場であることの表れでしょう。

2. 看護師が守るべき法律「保健師助産師看護師法」とは?

看護師の業務は、保健師助産師看護師法という法律により、その業務や役割が定められています。
昭和23年に制定されたこの法律は、その後改訂を繰り返しながら現在にいたります。「保助看法」と略される事も多く、看護師として働く以上、その存在と内容を把握しておくことが大切です。保健師、助産師、看護師は厚生労働大臣より国家資格を認められており、皆さんが取得されている看護師免許には、取得当時の厚生労働大臣の署名が記載されているはずです。看護師は保助看法の基で、厚生労働大臣から認可された資格なのです。

保助看法の第一章、第一条では、この法律は保健師、助産師及び看護師の資質を向上し、もって医療及び公衆衛生の普及向上を図ることを目的とすると記されています。法律の1番最初の基本となる部分にこの文言が記載されていると言うことは、看護師の資質向上、医療及び公衆衛生の普及向上最大の目的とした法律であると言えるでしょう。

また、保助看法で、最も有名なのが「守秘義務」です。保助看法の第42条の2には、「保健師、看護師又は准看護師は、正当な理由無くその業務上知り得た秘密を漏らしてはならない。保健師、看護師又は准看護師でなくなった後においても同様とする。」と記載されています。これが守秘義務に対しての記載です。この他にも看護師の業務や役割についての記載が数多く記載されています。この保助看法の基に看護師は、看護師としての役割と責任を果たさなければならないのです。

看護師の仕事は、患者さんに対して侵襲を与えてしまう事のある職業です。その為、看護師の業務は法律でその内容が決められているのです。業務が法律で決められているなんて、一般的な仕事では考えられないことではないでしょうか。

それくらい看護師の仕事は危険を伴い、責任の重い仕事であると言えるのです。全てを詳しく暗記する必要はありませんが、看護師として働く以上、その内容を一度は目を通し把握しておくことをお勧めします。実際にその内容を確認すると、改めて看護師の仕事は責任が重いと再認識することもできます。

3. 国家資格だから?法律で決められているから?それだけじゃない看護師の責任

看護師の仕事は国家資格であり、保助看法という法律でその業務や役割が定められています。国家資格だから社会的責任も重い。法律で定められているから責任が重い。確かにそれはその通りです。

しかし最も重要なことは、患者さんの命と向き合う仕事であるということです。看護師の仕事は物や機械を相手にする仕事ではありません。向き合うのは、患者さんであり、命です。決してミスの許されない仕事が看護師の仕事なのです。

看護師の行うことの全ては、必ず患者さんにつながります。直接的に関係ないのではと思う様なことでも、患者さんにつながっているのです。環境整備ひとつとっても、患者さんの療養環境を整える事で快適で安全な入院生活をサポートすることにつながります。

全てが患者さんにつながる仕事だからこそ、時としてその行為が患者さんの命を危険にさらしてしまう可能性もあるのです。命を救うはずの看護師が、ミスをすることにより、最悪の場合、命を奪ってしまう可能性もあるのです。

だからこそ看護師の仕事はミスの許されない、責任の重い仕事なのです。この世の中で、一番優先されるべきものは「命」です。命と向き合う仕事だから、国家資格であり、その業務や役割が法律で定められているのです。そして、そんな仕事だからこそ、看護師の仕事は責任が重いのです。

4. 看護師としての責任を果たすために

看護師は多くの責任を背負いながら働かなければなりません。それは、看護師という仕事が、命と向き合う仕事だからです。これらの責任を果たすために、看護師は何をしなければならないのでしょうか。

1.専門職として、また命と向き合う職業であるということへの自覚と覚悟

看護師の責任と言っても、それは目に見えるものではなく、イメージすることは難しいかも知れません。特に看護師になったばかりの新人看護師などでは、よりイメージすることは難しいでしょう。

看護師として国家資格を取得した時点で実は看護師としての責任を背負っているのです。命と向き合うということは決して簡単なことではありません。だからこそ、国家資格であり、保助看法という法律が定められているのです。

看護師として働く以上、その責任を自覚し、覚悟を決めて命と向き合わなければなりません。患者さんは、命をかけて病気と闘っています。そんな患者さんの命をかけた闘いに、看護師が責任を自覚せず、覚悟を持たずに向き合うことは、大変失礼ではないでしょうか。患者さんはそんな看護師を決して信頼してくれません。

もし自分が患者の立場なら、その様な看護師を信頼することが出来るでしょうか。信頼関係が構築できなければ、良い看護は実践することができません。患者さんにより良い看護実践するためにも、看護師としての責任を自覚し、覚悟を決めて命と向き合うことが大切なのです。

2.自己研鑽に努める

医療や看護は日々進歩しています。新しい治療方法や薬剤はどんどん医療現場に登場し、患者さんの治療に役立てられています。看護も同じです。より専門的な知識や技術が求められる時代になって来ています。

認定看護師や専門看護師などの高度な資格、また最近では特定看護師という新しい資格も登場しています。これらの高度な資格は、看護師として積み重ねた経験をより専門的な資格として、日本看護協会が認定する資格です。これらの認定、専門看護師は各分野における知識、技術を用いて、より専門的な看護の実践を可能とします。様々な分野での認定、専門看護師が多くの臨床現場で活躍しています。

また、看護師の知識、技術の習得には終わりがありません。これは医療や看護が日々進歩しているからです。新しい医療や看護に対応するために、次々と新しい知識や技術を習得しなければならないのです。

看護師として、より良い看護を提供するためにも、自己研鑽を続けなければなりません。患者さんの個別性を重視し看護を展開することは、もはや基本ではありますが、患者さんの個別性を理解し、アセスメントし、看護を実践するということには、同じ看護は存在しません。患者さんはひとりとして同じ人はいません。また同じ患者さんであってもその状態は日々変化しています。全ての患者さんの個別性を重視した看護を展開するということにも、終わりはないのです。

看護師は生涯学習が必要となる職業です。何十年経験しても、新しく覚えることは必ずあるのです。これは全て、患者さんにより良い看護を提供するためです。白衣を着て、患者さんの命と向き合うのであれば、自己研鑽に努めることも、看護師として必要なことなのです。

3.チーム医療の実践

チーム医療という言葉は、誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。チーム医療とは、ひとりの患者さんに対して、様々な医療スタッフがそれぞれの専門的な知識、スキルを使い、チームとして医療を提供することです。個々の医療スタッフがただ関わると言うことではなく、それぞれが連携して医療を展開することが大切です。

このチーム医療において、看護師は欠かすことのできない役割を担っています。患者さんの近くに最も長い時間いるのは看護師です。患者さんの様々な情報や病状の変化については看護師が一番把握していると言っても過言ではありません。

チーム医療を展開する場合、時として医療スタッフ同士の意見の対立などが起こります。これはそれぞれの専門的な見解や視点の違い、アセスメントの違いなどが原因となることが多いです。その中でもキーとなるのは看護師であるケースは少なくありません。

チーム医療は、患者さんに対してより良い医療を提供するうえで、欠かすことのできないものです。看護師だけではできないことも、チームであれば実践できることもあるのです。看護師は看護のスペシャリストです。医師は医療のスペシャリスト、薬剤師は薬剤のスペシャリストです。それぞれのスペシャリストが連携するからこそ、レベルの高い医療を提供することが可能になるのです。チーム医療において中核を担う看護師が、チーム医療の目的や必要性を理解し、より良いチーム医療の実践を目指すことは、看護師として、また医療人として、とても大切なことなのです。

5. まとめ

看護師の責任とは、専門職としての自覚を持ち、より良い看護実践を行うと言う姿勢を忘れないことです。国家資格としての責任、保助看法により定められた責任、看護師には様々な責任を背負う職業です。しかし、患者さんの命と向き合い、看護師としての役割を果たすこと、より良い看護を提供することが、最も大きな責任なのです。

その責任を果たすために、看護師は命と向き合う職業であると言うことを自覚し、覚悟を持って業務にあたらなければなりません。また日々進歩する医療や看護、また自分自身のスキルアップやより良い看護を実践するために、自己研鑽に努めなければなりません。看護師だけでできないことを、チーム医療として実践していかなければなりません。

責任が重いのは当然です。それは看護師が向き合うのは、この世で何よりも優先されるべき「命」であるからです。そのための国家資格であり、保助看法なのです。

毎年4月には、国家資格を取得したばかりの新人看護師が真新しい白衣に身を包み、臨床の現場にやってきます。新人看護師に対しての教育は、各施設がそれぞれの観点でプランを立て、実施しています。
安全に業務を行うこと、ガイドラインやマニュアルに沿った看護を展開することなど、様々なテーマでの教育が実施されますが、看護技術を教える前に、看護師の責任というテーマでの教育活動を大切にして欲しいです。

新人看護師でもベテラン看護師でも、持っている資格は同じ看護師資格です。同様の資格である以上、同様の責任を背負うことになります。大変な仕事であるということは分かっているかも知れませんが、大変な責任を背負う仕事であるということを理解できていない場合も少なくありません。看護師として新たな出発をする新人看護師に対して、自分自身が背負う責任について、十分に理解を求める必要があるのではないでしょうか。

また看護師の責任は新人看護師だけでなく、全ての看護師が自覚していなければいけません。日々の忙しい業務の中で、ついつい忘れてしまいがちな看護師の責任について、今一度考えてみてはいかがでしょうか?

あなたは今、看護師の責任を自覚し、その責任をはたすことができていますか?

この記事を書いた人:永島直俊
看護師として17年臨床勤務。
看護管理、院内感染、医療安全、救命救急、手術室、病棟看護経験あり。
管理職(看護部長の経験あり)として、各種管理、病院経営、職員教育の実戦経験あり。
現在はフリーランスとして医療関連、看護関連の執筆、記事監修などをおこないながら、次なる目標を求めて自己研鑽中。

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