カラフルなスクラブが増加中?看護師のユニフォーム事情

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看護師の仕事に欠かせないユニフォーム、皆さんはどんなものを着用していますか?時代の流れと共に、主流はワンピースからパンツへと変わり、最近ではカラフルなスクラブを採用する施設が増えてきています。今回は、なぜカラフルなスクラブが増加中なのかという理由と着用することでのメリット・注意点について考えます。

看護師に求められるユニフォームとは?

看護師のユニフォームは施設から支給される場合が多いと思いますが、自分で選ぶとしたらどのようなことを重視するでしょうか。看護師がユニフォームに求めることは何かということを調査した研究によると、「動きやすさ・素材・デザイン」が上位だそうです。

※参考資料:「内田他、ナースウェアに関する調査研究― 質問紙調査による概要 ―、 繊維製品消費科学、55 巻 (2014) 1 号 https://www.jstage.jst.go.jp/article/senshoshi/55/1/55_44/_pdf

多様な運動を叶える動きやすいもの

看護師は、点滴を交換するために伸び上がったり、排液類を確認するために屈んだり、患者さんを移乗するために体全体を捻ったり…と、ダイナミックに体を動かすことが多い仕事です。ですがユニフォームによっては、腕を大きく動かすと肩周りがきついなど、動きにくさを感じることがあります。ただでさえ過酷な業務中、動きにくいユニフォームによる余計なストレスは避けたいですよね。そのため、どんな動きも妨げない楽なユニフォームが求められます。

肌触りがよく透けにくい素材

病院では患者さんに合わせた温度設定がされているので、動いている看護師は汗ばんでしまうということがしばしば起こります。また、白いユニフォームでは、下着のラインが透けやすいためインナー選びに気を遣わなければなりません。そのため、汗をかいても長時間心地よく着ていられる・下着が透けにくい素材のユニフォームが好まれます。

着脱しやすく好みに合うデザイン

多忙な看護師では、着替えの時間も惜しいという場合があるのではないでしょうか。そのようなときには、簡単に着脱できるユニフォームだと嬉しいですよね。また、ユニフォームは仕事をがんばるためのいわば戦闘服なので、好みのデザインである方が士気も高まります。

動きやすくて丈夫、デザイン豊富なスクラブが人気

看護師が求める「動きやすさ・素材・デザイン」を叶えるユニフォームとして人気なのが、カラフルなスクラブです。以前は医師や手術室の看護師が着用するものというイメージがありましたが、最近では看護師全般のユニフォームとして導入する施設が増えています。

カラフルなスクラブを着用するメリット

カラフルなスクラブは、機能性の面で看護師にとってメリットがあるだけではなく、患者さんの気分を明るくするという効果も期待できます。

着ていて楽で動きやすい

スクラブはゆったりとした形なので、Tシャツ感覚で楽に着ることができます。圧迫感がないため、様々な業務をこなす上でとても動きやすいのが良い点です。また、仮眠をするときにも適しているといえます。

丈夫で長持ちする

スクラブの語源は、「ゴシゴシ洗う(scrub)」です。強く洗っても傷みにくい頑丈な生地なので、長期間着用するユニフォームでも長持ちします。また、吸湿や速乾性に優れたものも開発されており、機能は向上してきています。

色や柄が豊富で選ぶのが楽しい

スクラブには様々な色や柄があります。施設によっては複数の種類が支給されることもあるので、自分の好きなデザインを選べて楽しいのではないでしょうか。また、白ではないことで、下着が透けにくいというメリットもあります。

患者さんが安心感をもちやすい

「白衣高血圧」が象徴するように、従来の白衣や白いナース服で緊張感を覚える患者さんがいます。看護師がカラフルなスクラブを着用すると、親近感が増し、施設内の雰囲気も明るくなるため、患者さんが安心しやすくなることが期待できます。

カラフルなスクラブを着用するときの注意点

カラフルなスクラブを着用することのメリットは大きいのですが、快適に過ごすためにはいくつか注意が必要な点もあります。

襟や袖口から胸元やおなかが見えてしまう

スクラブでは襟や袖口の開きが大きいため、屈んだときや腕を上げたときに胸元やおなかが見えてしまう場合があります。そのため、大きすぎないサイズのものを選び、胸元と脇をカバーしてくれる専用のインナーを着用するとよいでしょう。

汗染みがついてしまう

濃い色のスクラブでは、汗染みが目立ってしまいます。そのため、淡色系のものを選ぶ・汗を吸収してくれるインナーを着用するなどの対策が必要になります。

看護師であることがわかりにくい

カラフルなスクラブは、医師や検査技師などの他職種も着用している場合が多く、白衣とは違って患者さんがユニフォームで看護師だと判別することが難しくなります。それによって患者さんが困らないように、施設によっては看護師と表記されたワッペンを装着するなどの対策が行われています。

カラフルなスクラブでハードワークを少しでも快適に

ユニフォームは、普段の自分から看護師に切り替え、動きにくさや汚れを気にせずハードワークをこなすために重要なアイテムです。適切なインナーを着用すればとても快適に過ごせるカラフルなスクラブを、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。患者さんにとってはカラーセラピー的な効果が期待できるところも、魅力的だと思います。

この記事を書いた人:美沢藍
看護専門学校卒業後、総合病院で10年間勤務勤務した診療科は心臓血管外科・泌尿器科・整形外科・婦人科・放射線科など。
看護学修士課程への入学を機に退職し、在学中は複数の施設でのアルバイトを経験修士課程修了後、総合病院看護師・看護大学教員として勤務、出産を機に退職。

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