【看護師のリアル転職体験談 48】大学病院から、夫の開業したデイサービスへ

1.夫の開業を機に、大学病院からデイサービスへ

私は看護大学を卒業後、そのまま附属病院へ就職しました。結婚後もそのまま附属病院へ勤務し、キャリアを積んでいましたが、ある日突然、柔道整復師である夫から「デイサービスとして開業を考えているので、看護師として一緒に働かないか」と持ちかけられました。

長年デイサービスで働いていた夫は、ずっといつかは自分が開業したいと考えており、結婚する前から私もその話はよく聞いていました。勤務先の方から開業の話を持ちかけられ、フランチャイズという形で開業するチャンスをぜひ生かしたい、という夫の夢を私も一緒に叶えたいと思いました。こうして私は看護師になってから初めての転職をすることになったのです。

2.前の病院を退職してから、転職するまでの流れ

私が当時勤務していた大学病院では、「退職の意思は3ヶ月前に示すこと」と就業規則に書かれていました。そのため、私は夫の開業時期に合わせて退職しようと考えていました。しかし、実際に退職の意思を伝えてから辞めるまで、一筋縄ではいかなかったのです…。

STEP1:師長から「認められない」の一点張り

夫の事業を手伝うために退職したい、そう師長へ伝えたのは、夫が正式に開業することが決まった次の日でした。師長は顔をこわばらせ、「今は無理。せめて後半年後にして」と言ってきました。

しかし開業にあたっては夫婦で準備しなくてはいけないことが多く、とてもじゃないですが半年待つことはできません。「就業規則には3ヶ月前と書いてありますよ」とお伝えしましたが、「それはあくまで建前で会って、実際は違う」というのです。結局、話しは平行線のまま、その日の話し合いは終わりました。

STEP2:主任へ相談し、対策を練る

退職できないと困るため、私は同期で別病棟の主任である親友に相談しました。すると、「師長が認められないといった時は、まず事務へ行った方がいい」とアドバイスしてもらいました。そして同時に「あなたのところの師長は、部下を辞めさせないことで有名だから、気をつけて」というアドバイスまでもらいました。

やっぱり頼りになるのは同期ですね。この情報がなかったら、もしかしたら私は今でも仕事を辞めることができていなかったかもしれません。

STEP3:事務総長と話しをつける

親友からアドバイスをもらった私は、早速次の夜勤前に事務局へ行き、事務の担当者へ「辞めさせてもらえない」と直訴しました。すると事務の方は「看護の人事は、すべて看護部長をはじめとする看護部へお願いしていますから…」と困惑していましたが、たまたま通りかかった事務総長が「どうしたんですか?お話を聞きますよ」と言ってくださり、時間をとってくださいました。

私の事情をお伝えすると「それは仕方ないですね。看護部長へは私からお話しておくので、そのまま看護部長へお話してください」と言ってくださったんです!こうして私は、事務総長経由で看護部長と直接お話させてもらうことになりました。

STEP4:看護部長の許可を得て、退職日が決まる

事務総長さんのお力を得て、私は看護部長と直接お話することができました。
本来は看護師長経由で連絡してほしかったと冒頭で言われましたが、私の所属先が小児科だと知ると、「あぁ、あの人ならなかなか許可しないかもしれないわね」とあっさり方向転換。

そして、夫の開業というやむを得ない事情であることを理解してくださった上で、私の希望通り、3ヶ月後に退職する許可をいただくことができました。

STEP5:退職と開業に向けての準備が重なり、バタバタの展開に

退職が決まった後、すでに開業に向けてテナントの選出や人事採用など、やりはじめなくてはいけないことが次から次へと出てきて、毎日がめまぐるしく過ぎていきました。今だからいえますが、あまりに毎日忙しかったため、つい夜勤中に居眠りしてしまったことも…。

親会社の方にいろいろとご指導してもらいながら、夫と二人、毎日朝から夜遅くまで開業準備に明け暮れながら、なんとか最終勤務日まで仕事を行いました。部長から退職が決まったと連絡があったのか、師長はその日から私をあからさまに無視や言いがかりをつけて罵るなどをしてきましたが、辞める日が決まっていたため、もうそれらも一切気になりませんでした。こうして紆余曲折ありましたが、私は無事に大学病院を辞めることができました。

3.転職してみて感じたこと

今回、私が転職した理由。それは「夫とともに、夫の夢を叶えたい」ということです。看護師としての仕事だけを考えたら、正直に言うと病院勤務のほうが好きです。でもそれ以上に、私は夫の夢を叶えたいという思いが強くありました。

開業ということで、今後の経営に対して不安がないとはいえませんが、自分の思いを優先したことに、後悔はありません。

4.転職してみて「良かったこと・悪かったこと」まとめ

今回の転職を通じて良かったこと、悪かったことは以下のようなことだと思います。

◎良かったこと:プライベートの時間が増えた

開業したといっても、うちのデイサービスは土日が固定休なので、病院勤務の時に比べてプライベートの時間は増えました。そのため、これまでなかなかいけなかった夫婦二人での国内旅行も行きやすくなりました。この点は転職して良かったと思えます。

△悪かったこと(1):自分がやりたい領域の仕事ではない

今は夫が経営するデイサービスで、看護師として働いています。これまでは大学病院の小児病棟とNICUに勤務していたため、私の専門はむしろ小児なのですが、残念ながら小児の知識をこの職場で生かすことはかなり難しいのが現状です。

もちろん、小児を経験したおかげで、利用者様の細かい変化にいち早く気づくことができるなど、これまでの経験が無駄になったとまでは思いませんが、希望していない領域での看護を行うことになったというのは、この転職で悪かったことと言わざるを得ません。

△悪かったこと(2):周囲から「経営者の妻」という視線でしか評価してもらえない

今の職場では、みんな私が「経営者の妻」だということを知っています。そのためか、どんなに利用者様へのサービスについていろいろと努力しても、「まぁ、経営者の奥さんだしね」という理由で、正当に評価してもらえていないと感じています。

あくまで経営しているのは夫であり、私ではないのですが、どんなに仕事を努力しても、結局は「経営者の妻」という視線でしか見てもらえないのは、さみしいです。

5.将来へのビジョンは明確にしておいたほうがいい

夫と結婚する時、「僕は将来、開業したい」としっかり伝えてくれていました。だからこそ、私は小児看護ではなく、夫とともにデイサービスで働くことを決めました。

老年看護に対してまだ自信は持てていませんが、「夫が開業したら、一緒に仕事をする」という明確なビジョンがあったからこそ、決断するまでに迷いはありませんでした。

ただなんとなく転職するのではなく、転職するにあたっては、将来自分がどうしたいのか、明確なビジョンは持っておくべきだと思います。そうすれば、多少のことがあっても、「私があのとき、自分で決めたことだから」と思うことができます。大学病院を辞めたことに対し、今でも悔いや後悔は一切ありません。夫とともに、これからも頑張っていきたいと思っています。


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