【看護師のリアル転職体験談 5】総合病院の産婦人科から、同じ規模の総合病院のICUへ転職

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1.産婦人科での助産師との関係性に疲れてしまい、転職を決意

看護師になってからずっと、働きやすい職場を探し求めていました。それまでの職場は5回目の転職でしたが、産婦人科へ配属されたことで助産師から毎日「赤ちゃんのことを知らないのに、勝手にいろいろやらないでくれる?」「看護師は助産師の申し送りを聞く必要がないんだから、早く業務に戻ってくれる?」などなど、看護師を見下すような発言が多く、精神的に疲弊していました。

そのため、「これを最後の転職にしたい」という気持ちを込めて、私は6回目の転職活動を始めました。

2.前の病院を退職してから、新しい病院に転職するまでの流れ

約25年の看護師人生の中で、6回目の転職。
転職についての手順は、もう慣れっこというか、どの転職においても一筋縄ではいかないな、と感じています。そして案の定、今回もいろいろと大変な転職活動となってしまいました。

STEP1:師長へ退職の意思を伝えたら、私そのものを否定される

転職活動をするにあたってまずしなくてはいけないこと、それは上司に退職を申し出ることです。

今の師長は、私がこの病院の面接を受けた時の面接官でもある人です。そのため、なぜか私のことはすべて把握している、というような言い方をいつもしていました。今回、退職したい旨を伝えると、師長は一度大きくため息をつき、そして私にこう言いました。

「あなた、私とそこまで年が変わらないのに、また転職するの?そうやって転職ばかり繰り返すのは、良くないことだと思う。確かに今は産婦人科ということで大変なことも多いと思うけれど、あと1年は頑張ってみたら?そうしたらきっと、今とは違うものが見えてくるはずよ。」

なぜ、そんなことを師長が言ってきたのか、全く理解できませんでした。大変なことが多いと思うのならば、なぜ私をその職場へ配属したのか、疑問です。そしてますます師長に対して、そしてこの病院に対して嫌悪感を抱くようになりました。

STEP2:もともと自分がやりたかった、救急の道へ・・・

看護師が転職するには、転職サイトを使わない手はありません。前回利用して感じのよかった転職サイトへ、私は再び登録しました。幸い、前回担当してくれた人がまだいたので、その人に改めて、よりよい条件の職場を探してもらうことにしました。

その方は私の今の職場に対する愚痴をたくさん聞いてくれた後、「ご自身の希望はありますか?極力その希望に合う職場をご紹介させていただきます」と言ってくれました。

自分のやりたいことって何だろう?そう考えた時、私には一つの診療科が浮かびました。私が看護師になりたいと思ったきっかけは、そもそもニュース番組でやっていた、救急の現場を見たからです。もう40代も後半となった今、救急で働く機会はこれがラストチャンスだと思った私は、「救急で働ける病院」を希望しました。

STEP3:40代での未経験は厳しい!?

過去5回の転職では、どんなに厳しめの希望を伝えても、数日の間に自分の希望にあった職場を紹介してもらうことができました。しかし今回に限っては、1週間過ぎても何の連絡も来ません。

焦った私は、担当者に直接問い合わせました。すると担当者から、「申し訳ございません。救急を募集している病院自体が少ない上に、40代で今回が初めての救急だという条件を伝えると、断られてしまうことが多いんです。もう少しお時間をいただけないでしょうか」というのです。

転職サイトですら苦戦している条件を、自分一人で探せるはずもありません。
「やっぱりこのサイトに登録して良かった」と思いながら、引き続きその条件で探してもらうように依頼して、そのときは電話を切りました。

STEP4:やっと見つかった就職先。でもそこは引っ越しが必須

その電話から2週間後、やっと担当者から電話がきました。その病院は私の住んでいる地域からかなり離れていましたが、私の希望通り、救急部門への転職を叶えてくれるとのことでした。

家族とも相談しましたが、みんなの「自分のやりたい仕事をしたほうがいい」という後押しもあり、遠いことだけが気になりましたが、その病院の採用試験を受け、無事に内定をいただくことができました。

STEP5:師長から言われた「これが最後だよ」という言葉

師長へ退職の意思を伝えてから、師長とはずっと冷戦状態が続いていました。顔を合わせれば、その都度「もう一度考えなおしたら?」「私はあなたを心配しているの」とおせっかいなことを言ってきます。

転職先が決まったことで私は改めて「〇月までで退職します」と伝えました。師長は大きなため息をつきながら、「お願いだから、これを最後にしてね。これ以上転職しても、あなたには何一ついいことはないわよ。」と言ってきました。最後までおせっかいな師長を残して、私は新しい職場へ転職しました。

3.転職してみて感じたこと

今回の転職では、想像以上に担当者の方が私の希望を叶えるために頑張ってくれました。しかし、実際に転職してみると、私の条件と違うことが多々あります。「なんで看護師の職場ってどこもここまでブラックなんだろう」という思いが強いです。

今こうして振り返ってみたら、前の職場で師長から言われた言葉に、いろいろと考えさせられます。むかつく助産師に気をとられすぎて、病院の条件などには一切目を向けることができていませんでしたが、今思い返すと、お給料の条件とか、家からの距離など、良い条件がそろっていたように感じてしまうのです。

自分の「転職したい」という思いだけで突っ走ってしまったような気がして、少し後悔しています。

4.転職してみて「良かったこと・悪かったこと」まとめ

今回の転職を通じて良かったこと、悪かったことは以下のようなことだと思います。

◎良かったこと:社員食堂がある

正直にお伝えすると、今の職場で良いと思えるところがほとんどありません。あえて一つあげるならば、社員食堂があることくらいでしょうか。これまで、お昼はお弁当を持参するか、もしくはコンビニなどで買ってくるしか方法がありませんでしたが、今は社員食堂があるおかげで、そういった心配はありません。

値段も350円と安いので、経済的にも助かっています。でも本当に、今の職場で良いのはこの1点だけです・・・。

△悪かったこと(1):希望していた救急へ配属されなかった

担当者からの「救急部門へ配属されるとのことです」という言葉に浮かれていましたが、実際に就職すると、配属先はICUでした。病院、そして担当者としては「救急部門のICUへ配属したのだから、文句ないだろう」ということなのですが、普通、救急といったら救命救急センター一択であり、だまされたと思いました。

ICUなんて未経験な上に、「これまで看護としてのキャリアがあるのだから大丈夫だろう」という判断で、プリセプターとかも一切ついていません。配属2日目から早くも患者さんを受け持たされ、慣れない業務に毎日四苦八苦しています。しかも、周囲の同僚たちも教えてくれないどころか、一切手伝ってもくれません。毎日、本当に精神的に辛いです。

△悪かったこと(2):通勤に片道1時間以上かかる

本来は、通勤は片道30分以内という条件を出していたのですが、自分にとって一番大切にしたい条件が「救急で働きたい」だったので、通勤時間はそこまで重要視していませんでした。

しかし実際に毎日片道1時間以上かけて満員電車に乗って通勤するのは、体力もかなりきついです。幸い、実家住まいなので家事等をやる心配はないのですが、50代も間近となった今、この通勤時間はネックとなっています。

5.看護師の職場は、ブラックな職場しかないのか?と疑いたくなる日々

これまでずっと、看護師として理想の職場を探して、転職を繰り返してきました。どんどん履歴書を書くのが大変になっているし、こんなに苦労して転職しているのに、転職先はどこもブラックなところばかりで、看護師そのものが嫌になりつつあります。

とはいっても、もう50代に近づいた今の私を雇ってくれるところもなさそうなので、あと1年は今の職場で頑張らなくては、とは思っています。次もし転職するのならば、ゆったり過ごせる、介護系の仕事にしたいと思っています。

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