【看護師のリアル転職体験談 23】大学病院の救急部門から総合病院の救急へ

1.職場に対して見切りをつけ、新たな職場へ

大学病院の中でも、特に私がこれまで勤務していた救急部門は希望者も多く、配属された時はうれしさとやる気に満ちあふれていました。しかし経験を積むに従って、病院が人命以外のものを大切にしているのではないか、という疑問を持つようになってしまいました。

やる必要のない処置を行うことで、少しでも利益につなげようとする病院へ見切りをつけ、私は新たな職場で働く決意をしました。

2.前の病院を退職してから、新しい病院に転職するまでの流れ

大学病院の救急部門から離れるということは、自分の看護師としてのキャリアを捨てるということでもあります。それでも私は、その大学病院と決別し、看護師としてのポリシーを突き通す決意をしたのです。

しかしこの決意を突き通すために様々な障害が待ち受けていることを、その時の私は知りませんでした。

STEP1:部長から「あなたを配属したのが間違いだった」と言われて

当時勤務していた大学病院では、多くの部署で人手が不足していました。しかし、ある部門だけは希望者が殺到していました。それが、救急部門です。当時は私の勤務する病院に関連するドラマが放送されていたこともあり、希望者はさらに増えていました。

そんな中、病院に見切りをつけて退職しようとしている私を、師長や部長は苦々しく思っていたようです。部長から「あなたをこの部署へ配属した私が間違っていた」と言われた時は、私という人間そのものを否定された気分になりましたが、それでも私は前だけを向こうと決めました。

STEP2:大学病院の救急出身というだけで、逆スカウトが殺到

転職先を探すために、私は求人サイトを利用しました。当時は大学病院の寮に住んでいたので、寮がある病院の救急を希望したのですが、私の経歴を登録したところ、多くの病院から、「うちの病院へぜひ来ていただきたい!」というスカウトをもらうことができました。

いただいた条件を吟味して、中でも一番条件の良かった病院へコンタクトをとってもらい、すぐに面接日が決まりました。あまりに順調に物事が進むので、本当に大丈夫か不安に感じるほどでした。そして私のその不安は、的中することになります。

STEP3:病院で感じた「違和感」、そしてもう一度「なぜ自分が転職したのか」を振り返る

面接日当日、私は時間通りにその病院に到着しました。担当者が少し遅れるということで、少しだけ病院の外来部分を散策したのですが、そのときなんとなく、違和感を覚えました。全体的にとても暗く、とてもここで働く気になれなかったのです。

その違和感は面接後も続き、大変申し訳ないですがと、その病院での就職はお断りさせていただきました。後日、その病院について調べてみると、患者さんの口コミは最悪、職員の離職率も非常に高い、ということがわかりました。

この経験をきっかけに、私は今一度「なぜ自分が転職したいのか」「転職先に何を求めるのか」を整理しました。そして、たとえ全部自分の要望が叶えられなかったとしても、違和感を覚えるような病院にだけは転職しないと心に決めました。

STEP4:なかなか転職先を決められない。でも退寮日は刻一刻と近づいてきて

日々、様々な求人情報をチェックしましたが、自分の納得できる求人にはなかなか出会えません。そうこうしている間に、大学病院の退職日となってしまい、ついには退寮日となってしまいました。

「ここで焦って転職先を決めるのは、絶対によくない」腹をくくった私は、荷物をいったんトランクルームに預け、ウィークリーマンションへ引っ越しをしました。そしてウィークリーマンションで引き続き、転職活動を続けました。このときは心身ともに疲れ、本当に辛かったです。

STEP5:我慢したかいがあった!やっと転職したい求人に出会う

そうしてウィークリーマンションで求人情報を探すこと2ヶ月。私はやっと、新着情報の中から「見学したい」と思える求人を見つけることができました。実際に見学に行くと、不思議なものですぐに自分がそこで働く姿を想像することができました。

そして、この転職活動で初めて、心の底から「ここで働きたい」と思えたのです。早速求人サイトへ連絡して、面接日を設定。無事に私の希望通り、救急外来で働くことを条件に、採用が決まりました。

3.転職してみて感じたこと

看護師の転職を「キャリアアップ」と表現する方がいます。しかし私は、看護師の転職=キャリアダウンであると考えています。特に今回の私の転職のように、大学病院から一般病院というように、規模の小さな職場へ転職するというのは、一般職で大企業から中小企業へ転職するのと一緒で、キャリアダウンなんです。そのことはぜひ念頭におくべきだと思います。

私は今回の転職では、ウィークリーマンションに入居してでも、納得できる条件の求人を探し続けました。それほど、「救急へ確実に配属されること」そして「病院全体の雰囲気の良さ」を重視したのです。ぜひ皆さんも、私のように「決して譲れないもの」を明確にした上で、転職活動を進めていただけたらと思います。

4.転職してみて「良かったこと・悪かったこと」まとめ

今回の転職を通じて良かったこと、悪かったことは以下のようなことだと思います。

◎良かったこと(1):人間関係が良い

今の職場は、私のように転職してきた方がとても多いという特徴があります。新卒からずっと働いている人が少ない分、どの人も平等に仕事が割り当てられており、人間関係はとても良いです。

これまで大学病院では中途採用の人が働きにくそうにしているな、と感じていたのですが、それは「新卒が優遇されているから」だったのだと、今回の転職で気づくことができました。

◎良かったこと(2):福利厚生がとても良い

今の職場は、社員食堂が無料、寮は無制限など、職員を大切にしています。大学病院も広い図書館や運動場などありましたが、実際には忙しすぎてそういった施設を使う機会はほとんどありませんでした。

今の職場の施設はどれも私たち職員にとって身近なものが多く、利用頻度も高いので、とても働きやすいと感じています。こういったところも、病院の考えがよく現れるのだなとつくづく感じます。

△悪かったこと:正当に評価してもらえない

今回転職してみて初めて感じたことだったのですが、大学病院では良くも悪くも評価がしっかりしていました。「この業務ができるようになったら、これができる」というのがわかりやすかったので、自分が次に何をすればよいのかがわかりやすかったです。

一方、今の職場では評価があいまいで、自分が今どのように思われているのかを確認する手段が何もありません。「なぜあの人が?」というような人が管理職に何人もいますし、逆に「なんであの人がいつまでもこの役職なの?」と疑問に思ってしまうような人もいます。

看護師として自分が正当な評価をもらえていないというのは、働いていてとても辛いですし、今回の転職で唯一残念な部分だと思っています。

5.信念を曲げず、最後まで自分を貫くべきを

看護師として働いていると、少しずつ病院そのものの考えが透けて見えるようになってきます。私が退職した大学病院のように、残念ながらお金儲け主義の病院があることも、事実なんです。

だからこそ、自分の信念を曲げずに、最後まで自分の考えを貫くというのが、看護師の転職には大切だと思います。私がウィークリーマンションへ入居を決めた時、多くの友達が「何やってるの?」「看護師だったら仕事なんていくらでもあるじゃん。なんでわざわざそんなことしてるの?」と言ってきました。

しかし今こうして自分が納得できる環境下で働けるのは、自分の信念を貫いたからこそです。ぜひ皆さんも、自分の決して譲れないものを明確にして、それを貫いた転職活動をしていただけたらと思います。


この記事につけられたタグ

ナース転職求人を知りたい方

こちらの記事もおすすめ