【看護師のリアル転職体験談 1】総合病院→療養型病院の看護師へ

4年間急性期病院で働くも体調を崩し、休職を経てから療養型病院へ転職されたりこママさんの転職体験談をご紹介します。
病院の寮に住んでいたため、仕事を失えば住むところも失う、さらに体調だって良くない…そんな不安がある中での転職活動です。どんな風にりこママさんは乗り越えていったのか、同じように体調を崩しがちになっている方や、病院の寮を利用していて転職に二の足を踏んでしまう方、急性期から療養型病院へ移るとどんな違いがあるのか興味がある方などに是非御覧ください。りこママさんが得られた看護師としての基礎となる大きな気付きにもご注目ください。

1.彼との生活を続け、彼を支えたいと思ったことから転職へ

総合病院で働き始めて4年目となった春に、私は一つの転機を迎えていました。同居していた彼が社会人となり、働き始めたのです。これまでは彼が学生だったため、彼が休みの融通をきかせることで、旅行や遊びにも気軽に行くことができていました。しかし、彼も社会人になったことで、同じ日に休めるのは月に1日あるかないか、という状態になってしまいました。

そして、社会人になってからしばらくすると、彼は様々なストレスから少しずつ、精神的に不調をきたすようになりました。私は彼を支え続けたいと思っていましたが、当時勤務していた総合病院では連日2~3時間の残業があることに加え、夜勤も2交代制で平均6~7回は入るなど、仕事に追われる毎日でした。

多忙な仕事から帰ってきた後、そのまま彼の看病を続ける日々を過ごすうちに、私は自分の体調管理ができなくなってしまい、気がつくと私自身も少しずつ精神的に不調をきたすようになってしまいました。

師長のアドバイスで受診した心療内科の先生に、医師より忙しい総合病院での仕事を変えること、そして彼との生活をやめるよう、言われました。これが、私の転職したきっかけです。

2.前の病院を退職してから、新しい病院に転職するまでの流れ

彼と距離を置き、仕事も辞めざるを得なくなってしまった私ですが、両親と疎遠になっていることもあり、すぐに他の職場を探さなくてはいけない状況でした。しかも、彼との生活を解消するために、新たな住居も探さなくてはなりません。そんな切迫した状況の中、私は新たな一歩に向かって少しずつ、行動を起こし始めました。

STEP1:師長へ泣きながら仕事を辞める決意を報告

先生からアドバイスを受けた次の日。私は大好きな仕事を辞めなくてはいけなくなったことを、泣きながら師長へ伝えました。当時の師長は私がとても尊敬していた人であるとともに、私の精神的不調にいち早く気づき、専門医の診察を受ける様にアドバイスしてくださった方でした。

師長は医師の診断書を見ながら「とりあえず、今は休職ということにして、まずはゆっくり休養をとろう。そして先生から働いてもいいって言われたら、改めて今後の仕事について、話し合っていこう」、そう助言してくださいました。

当時の私はすぐに泣きだしてしまうことが多く、精神的にとても不安定な状況でした。師長はそんな私を見て、すぐに次の行動へ移さない方が良いと考えてくださったのだと思います。私は師長の勧めで、まずは3ヵ月の休職に入りました。

休職中は、傷病手当の手続きをとったことで、金銭的な心配をすることなく、ゆっくりと休養をとることができました。そして休職期間中に彼との関係を清算し、引っ越しの準備を少しずつ進めながら、転職の準備を始めました。

STEP2:正式に退職。そして、転職サイトへ登録

3ヵ月の休職期間を経て、私は師長と再び話し合いの時間を持ちました。医師からはすでに働いても良いと許可を得ていましたが、話し合いの中で、以前に比べると体調は回復してきていたものの、激務である職場への復帰は難しい、という結論に至りました。

当時の職場は総合病院の中でも特に忙しいとされている職場だったため、たとえ健康であっても体調を崩してしまう方がいるほどでした。そのため、たとえ一時的に体調が回復したとしても、また元の職場へ復帰できるとは、私も師長も思えませんでした。

正直、後ろ髪を引かれる思いでしたが、大好きな職場だったからこそ、これ以上迷惑をかけてはいけないという思いも強くあり、その日のうちに正式に退職届を提出し、受理されました。そして退職届を出した日に、私はネット上で転職サイトへ登録し、新たな一歩を踏み出しました。

STEP3:自分の希望は何?泣きながら考える日々

登録した翌日、転職サイトの担当コンサルタントから電話がありました。担当コンサルタントは明るく「次の職場に対して、どんな希望がありますか?」と聞いてきたのですが、その時の私はただ「転職して、早く働かなくては」という思いしかなかったので、何も答えることができませんでした。

すると担当コンサルタントは優しく「時間をかけて考えて大丈夫ですよ。大切なことなので、焦らずにじっくり考えてください」とアドバイスしてくださりました。

電話を切ってから、私はぼんやりと考えこんでしまいました。次の職場に、私は何を求めるのだろう? やりがい? それとも仕事の内容?? それだったら前の職場で感じることができていたけど、今の私には多忙な場所で働くことはまず無理。でも、それ以外に私は職場に対して何を求めればいいのだろう?

そもそも、こんな体調不良にさえならなければ、こんなことにはならなかったのに…。次々と浮かんでくるのは負の感情ばかりで、前向きに考えることができませんでした。コンサルタントから連絡をもらってから1週間にわたって、私はこれまでの看護師として経験した様々なことを振り返り、泣きながら考え続けました。

そして、最終的に出した結論は、「今の状況では、とてもじゃないが急性期の病院で働けないけど、私はまだ看護師として働き続けたい。だから、私の今の状況を理解した上で、それでも看護師として受け入れてくださる病院があれば、そこへぜひ転職したい」というものでした。

STEP4:コンサルタントと直接面接することで、療養型へ候補を絞る

結論を出すことができた私は再度、担当コンサルタントへ自分から連絡を取りました。するとコンサルタントの方は私の状況を理解した上で、「一度直接会ってお話ししましょう」と提案してくださいました。

実際にお会いしたコンサルタントはとても朗らかな女性で、身内に看護師がいるらしく、私の状況についても理解を示してくださいました。その上で、「以前の病院のように業務量がとても多く、多忙な職場ではなく、例えば療養型のような、比較的業務量が少なく、定時に帰れるような職場の方が良いのでは」とアドバイスをくださいました。

それまで病院=忙しい、というイメージしかなかった私にとって、療養型は予想外でした。しかし、「確かに今の状況だったら、療養型が一番合っているかもしれない」とすんなりその方針を受け入れることができました。そして私は、コンサルタントとともに、近隣で今の私の状況を理解した上で受け入れてくださる、療養型の病院へターゲットを絞って、転職活動を進めることにしました。

STEP5:自分を受け入れてくださる療養型病院と巡り合えた

面接から数日後、コンサルタントが療養型病院を1件、紹介してくださいました。その病院には事前に私の状況を伝えたところ、「ぜひ一緒に働いてほしい」と希望してくださったとのこと。すぐにコンサルタントが面接日を調整してくださり、直接看護部長とお話しさせていただきました。

看護部長からは「働いている中で、精神的に不調を感じたらいつでも相談してください。すぐに対応します。あなたの看護師として働きたいという思いを、ぜひ応援したい」と励ましの言葉をかけていただきました。私が事前に提示していたお給料や寮の場所など、採用条件も全てクリアしていたことから、その場で内定が決まりました。

そして面接日から半月後、私は療養型病院の看護師として第二のスタートを切ることができました。

3.転職してみて感じたこと

転職するまで、私は心身が辛くても急性期のような忙しい病院で働かないと、看護師として成長することはできないと考えていました。だから、どんなに残業が多くても、連続夜勤が辛くても、自分を無理やり奮い立たせ、頑張ってきました。

その結果、心身ともに不調をきたしてしまいました。

総合病院から療養型病院へ転職をして、周りの環境を変えたことで、私は時間に追われていた日々から、患者さんや業務一つひとつと向き合う心の余裕を持つことができるようになりました。そして療養型での経験を通して、急性期で働いていた間は自分の心にゆとりがないことで、患者さんたちの細かい変化を見逃しており、十分な看護を提供できていなかったという事実に気付くことができました。

振り返って今思うのは、師長や心療内科の医師からも退職を勧められたのは、自分の心身の不調からだけではなく、看護師として十分な看護を提供できていない状況だったからだったということに気付くことができたのです。

この気付きは、転職からかなりの月日がたった今でも、私の看護師としての基礎となっています。そして、客観的にこの転職を振り返れるようになった今、辛い思いをしながらも総合病院から療養型病院へ転職したことは、私のその後の人生にとって、とても良い経験だったと感じています。

4.転職してみて「良かったこと・悪かったこと」まとめ

今回の総合病院から療養型病院へ転職したことで、良かったこと、悪かったことは以下のようなことです。

◎良かったこと(1):療養型という特徴から、体調と仕事を両立させることができた

転職先の療養型病院では、幼い子どもがいる方や将来の留学に備えて勉強している方など、仕事と何かを両立させている方がほとんどでした。そのため、仕事は職員全員が協力してほぼ必ず定時で終えることができ、シフトも職員同士が話し合い、それぞれが融通をきかせあうことで調整することができました。

そのため、私も体調が悪い時は素直に職員へ伝えることで、仕事量を調整してもらうことができ、とても助かりました。このように、何かを両立させている方が多いからこそ仕事を調整しやすい環境にあるというのは、体調が万全でなかった当時の私としてはとてもありがたく、そして転職して良かったと感じた部分でした。

◎良かったこと(2):自分の体調について、入職時より職員の理解があった

入職前より、看護部長は同じ職場で働く方々へ私の体調について説明してくださるとともに、協力を依頼してくださっていました。そのため、入職時より職員の皆さんは私の体調について理解があり、仕事中でも「大丈夫?無理しないでね」「具合が悪くなったら、少し休んでいいからね」など、優しく声をかけてくださいました。

急性期ではいくら職員の理解があっても、緊急入院など病棟の状況によって、声掛けしたくてもできないことが多くあります。

今回転職した先は療養型病院であり、患者さんの出入りが多くないこと、そして業務内容も急性期に比べるとルーチン化していることが多いことから、職員の方も時間に余裕を持って働いていました。そうした環境だったからこそ、理解の上での声掛けをしてくださっているのだろうなと感じ、今の私にあった職場へ転職することができて本当によかったと思いました。

△悪かったこと:同世代の看護師が1人もいなかった

私が転職した療養型病院は、先ほどもご紹介した通り、子育てや勉強など、仕事と両立させたい方が多く勤務していました。そのため、勤務している年代が以前の病院に比べてとても高く、一番年が近い方でも当時の私より10歳年上でした。そのため、いくら仲良くしていただいていてもやはり年上の方なので、気を使う場面が多々ありました。

1人でも同世代の看護師がいればまだ違ったのかな、と思っていましたが、体調面と仕事の両立させやすい職場として選んだ以上、仕方がないことですし、何よりこの悪かったことよりもはるかに良かったことの方が自分の中で大きかったので、この点が不満で転職したい、とは考えませんでした。

まとめ

転職して新しい環境に身を置くことで、様々な気付きを得ることができました。転職で悩んでいる人には、「自身の理想の働き方」について考える機会を作ってもらえればと思います。また考えを相手に伝えることが大事なので、恥ずかしがらずにきちんと言葉で伝えることをオススメします。

この記事を書いた人:りこママ
看護師、地方糖尿病療養指導士の資格を生かし、2014年よりライター業を開始。
看護系以外にも経験を活かし、育児、病気、介護など、幅広い分野の執筆を手掛けている。
ライター業の傍ら、0歳と1歳の年子、犬二匹、夫(医療従事者)1人の世話にも追われる日々。

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